宵の口
まだまだ酔いはじめ
ファムの体に乗り移った精霊神ソフィアはカイトJr達に地球を案内を頼んだ。しかし、焦っているのはニックであった。わざわざ、異世界外交でエルフの王女達を接待しようとしたのに、エルフが神と崇める者たちにのりうつられてしまったから、普段、冷静なニックでもこの時ばかりは膝から崩れるように考え込んでしまった。ニックはフィルとニーナそしてエドナーに連絡をとり、なにやらとっ散らかっているかのように慌てふためいていた。だからこそ、カイトJrにソフィアはエスコートを頼んだ。
「カイトJr、わらわたちは地球の事をよく知りたいぞ。案内せい。イース将軍お前もこい。今回はお前がもっと地球の事を知らなかったこともあるからだ。」
「ソフィア王女様・・・しかし、私はすぐに戻り罰を受ける身です。ご無理を言わないでください。」
「王にはわらわから、報告する。お前は、地球で情報収取しながら、妹の護衛をする任をまかすつもりだ。もしかすると、お前の妹が学ぶ知識は我らの民により繁栄をもたらす者になるやもしれんからな。なにかあったらどうするんじゃ。そういう、大義名分ができたところでいざ出陣じゃ!」
「カイトJr。夜の地球で楽しい所はないのか。」
「あるっていえばあるのですが・・・お二人のことはあまりわからないので・・・食事も好みも・・・でも、この地球には、異世界人があつまる夜のお店ならあるんですが・・・ご趣味に合えばいいですが・・」
「地球にも異世界と同様に異種族が集い、酒を飲みかわすような店があるのか。そこに行こうではないか。」
「ほんとにいいんですか?」
「いくにきまっておろう。」
「もしよければ、連れてきますが、護衛も我々しかいませんよ。ショウ!ジュドーお前たちも行くぞ!」
「カイトJr。ショウは精霊神ララの護衛をするのでいけないっていってるぞ。」
「そういうジュドーはどうする。若いおねいさんたちがいるんだろう。その店・・・よかったら外で待期してていいか。見張り役で!」
「ジュドーは店の外で何かあれば連絡してくれ。俺は店の中で接待するよ。ショウ。とりあえずフィルにあの店に行くから、VIPルーム予約を頼んでくれ。モデルが集まるあの店っていえばわかるよ。」
「わかった。カイトJr.ララ様はまかしてくれ。彼女から目をはなさないから。」
「ショウ!オーラがロリコンストーカーになってるぞ。目からして、逆にお前が危ないぞ。ジュドー!!Dr.サラに危険人物が近くにいるって言っておけ。」
「お前ら、面白いなジュドーとやらイース将軍や私が気に入らんのか!」
「めっそうもない。ただ、若い女性が少し苦手でして・・あまり追及しないでください。嫌いになりそうなので。」
そんなやりとりをしながら、お店のある町に転送した。夜の町は少し物騒で治安も悪かったが、華やかなネオンの光が蝶たちをひきつけていた。その裏路地では、その蝶を狙う怪しい影がうごめくのであった。
酒と薬そしてお金を手にした金持ちと、それを手にしたい若者たち。劇場とかした夜の街に、似つかない男たちが続々と集まってきている。それと同じくらいの可憐な乙女が集まってきた。町がにぎやかになり、裏路地では喧嘩するものもいた。精霊神はどこの町でも見られる風景に少しがっかりした様子だったがカイトJrが連れてきたクラブに入ると。精霊神といえどもはじけてしまった。地球では当たり前のディスコクラブ
に音と光があふれ、男と女の情熱がほとばしるダンスする中に今まで味わったことのない。生命のエネルギーをむしゃぶりつくように歓喜の様相がうかがえた。カイトJrは見計らって、二人の精霊神をVIPルームに案内してお酒を渡した。カイトJrは精霊神たち2人を同時に口説くように語り始めた。
「君たちのことが知りたいんだ。夜は始まったばかりだよ。ゆっくり楽しもうよ。」
「何このお酒美味しい。エルフの体は本当にいいわ。イースも飲んで。」
「ソフィア様美味しい。でもすぐに酔ってしまいそうですわ。エルフの体は少し敏感すぐますわ。」
「この酒は君たち精霊神のように神に捧げるよう作られた日本酒というものなんだ。」
「神に捧げる酒にしては、水みたいに飲めるぞ。でも、香りも森の果実みたいな香りがしてすばらしいな。」
「王様にも献上してみたですね。」
「献上するなら、日本酒のことも詳しく知る必要がありますな。良ければいろいろ種類があるから試してください。では、私もいただきます。今日の出会いと精霊神たちがより美しくなりますように。乾杯!」
「カイトJrのまなざしに乾杯」
「カイトJrの素敵な夜に乾杯」
「今日はなんだかいつもよりお酒が感じるのは精霊神のおかげですかね。でも、そんな精霊神を脅かした竜人との関係はどうなんですか。」
「酒がまずくなるぞ。カイトJr。」
「これからもっとおいしい酒にしますよ。なにせ、敵を知ることは己を知ること。精霊神を知ればもっと酒が美味しくなると思いますから。」
「なんだか、うれしいことをいうなカイトJr。良かろう我らと竜人の話を聞かせてやろう。古より伝わるはなしだが寝るなよ。」
「こんな美しい女神がいて寝てしまったら罰どころか不幸のどん底ですよ。起きて、いなくなってしまったら後悔で死んでしまいそうですよ。」
「お前のことがますます気に入ってきたぞ。では話そう・・・」
ゆっくりと酒を酌みかかわしながら3人は話続けた。
精霊神
はるか遠い昔、宇宙開闢間もないころ、宇宙の塵も集まり星り、星々が新たな生命を宿し始める。すべての物に魂の声が聞こえ始める。たとえ、彗星や流れ星のひとつにも魂がやどり、奇跡が生まれた。原始の星に生命が誕生し進化を経て、恐竜が星の支配者になる。そして恐竜が進化して言葉を話す竜人が繁栄した。間もなくして、竜人は宇宙に旅立つくらいまで科学力が進化した。そして、彼らの住んでいた星に似た星々を次々見つけ、いつか竜人に進化する恐竜たちを保護していた。そして、たまに、現れる異世界の種族をハンティングしていた。そんなおりに、精霊神が住む星が、はるか、かなたで超新星爆発おこり、宇宙のかなたで星のかけらが吹き飛んだ。星のかけらは隕石になる広大な宇宙を旅をした。いつしか、隕石も魂が宿り、隕石から精霊の核となる者が生まれた。しかし、隕石ははるか彼方の地球や竜人が保護する星々にも降り注いだ。地球みたいに恐竜を絶滅するような隕石もあれば、流れ星のように地表まで届くあいだに燃え尽きてしまう隕石もあった。時は流れて、恐竜が滅んだ地球では、新たな生命が生まれ人類が繁栄した。それは、たまたま、降り注いだ隕石の中にあった精霊の核というべき魂がそこにあった魂と融合してあらゆる生命をもたらした。その中には、神と名乗る者もいた。神は隕石に宿る精霊の核を崇め続けた。いつか精霊神になるようにと。同じようなことが、他の星でも起きていた。そして、精霊の核が精霊になり、精霊が精霊神になるための秘儀を発見した。
「物に精霊の核が宿っている。その精霊の核に何等かの力を与えると活性化する。活性化した精霊の核がいっぱい集まると精霊になる。その精霊が命を与えると新たな魂をつくり生命が生まれる。生命のエネルギーを糧に精霊がより多く増える。精霊が増え生命から崇められたり、精霊の魂が昇華し転化すると精霊神になる。まあ他にも、精霊神になる方法はあるがな。わったかカイトJr。」
「でも、たまたま、竜人たちが管理した星で絶滅させたからって、どうして、狙われ続けられるんですか。」
「簡単じゃよ。精霊神になれなかった精霊が魔精霊になり竜人を滅ぼそうとしたことがあるんじゃ。」
「!!!どうしてそんなことになったんですか?」
「恐竜を絶滅したときに竜人もいたそうじゃ。恨みを晴らすために、精霊をあがめみずからを神と名乗る者に復讐したんじゃ。カイトJrが知るところのダンジョンマスターとダンジョンコアにあたる者をな。」
「でも、精霊神は関係ないですよね。」
「まあ、聞け。ダンジョンマスターとコアの魂は闇落ちして魂が共鳴して重なり重合堕天したんじゃよ。そして魔精霊になり竜人を滅ぼし始めたんじゃ。だが、科学力の差で討伐されてしまったのだが・・・精霊神の存在まで、討伐の対象になってしまった。」
「でも、異世界にダンジョンマスターやダンジョンコアがなければ問題なかったのでは?」
「そこなんだよ。魔精霊になる方法として必要なシステムとして、我ら以外の存在が作りあげてるんじゃ。」
「だから、われらは、異世界に魂を召喚するときに魂の付与技術を使い、異世界のダンジョンマスターだけでも討伐できるように干渉したりしてるんだ。」
「誰がダンジョンシステムを設置してるのか?心あたりはないんですか?」
「竜人が我等をおびき寄せる道具として作ってるのではないのか?もしかしたら、魔精霊の生き残りが・・・」
「でも、まったく別の存在だったりしてね。魂を回収したい存在とかね。」
「まさかな・・・でもあり得るかも・・・ソウルイターみたいな奴等が。それとも、まだ、他に恨みを持ってるやつがな。」
「おうげさな。死神みたいな存在なら、殺してまでそんなことしませんよ。この地球の話で、ドラゴンはダンジョンを作り、ダンジョンを制した者と結婚する。なんていう話もありますよ。ようは単に強い個体を選別するためにダンジョンを設置すんじゃないですか。」
「なんで、強い者が必要なのかカイトJr。」
「それはより強い種族を作るためとか、より強い何かを倒すためなんですかね。」
「そうかもしれんぞ。今回はハザマの民にもたらされた情報も不可解なことがあるからな。」
「どういうことですか。イースさん。」
「これはあくまでも憶測じゃが、裏切り者が我らの民の中にいる可能性があるってことじゃ。」
「まことかイース。詳しく申せ。」
「ダンジョンシステムを持つ異世界は我れ我れの監視対象であるが、ダンジョンコアを捕獲したからって、監視対象のダンジョンコアの一人が言ってきたからって、わざわざ地球に取り返すために来たわけではありません。私には、魔精霊があらわれ地球の味方をして、またハザマの民の存在を脅かされる事態とおもい、軍勢を率いて打ち取ろうとしたところ、かつてダンジョンマスターだったものが転生天使になっているといて、まったく異なる情報だったのです。そして、あらたにダンジョンに設置してたドラゴンの卵を配置して、蠱毒という形で竜王をダンジョンマスターおこうとする所業といい、なんらかの悪意が感じます。我らが実態をもってダンジョンシステムを駆逐出来ないのをいいことに。・・・もしかして、魔精霊とドラゴン族そして一部の精霊神が結託してるのかもしれない。」
「一部の精霊神が結託はありえないぞ。あるとしたら、何か弱みを握られるいる可能性があるぞ!」
「その件は、それとなく今度、ハザマの世界に行くことになる地球人にそれとなく調べさせましょう。公になれば、もしかして死者が出る可能性もありますから。ソフィア様もいいですね。後、竜人の件はこのカイトJrに任せてください。いい案がありますから。」
「ありがとう、カイトJr。すっかり酔ってしまったぞ。少し踊りに行こう。」
まだまだ、夜ははじまったばかりと言わんばかり、グラスを開けダンスホールに行こうとした3人であった。
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