表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
53/94

色の消えた未来

キャラクター一覧に、

ヨガサと、リリアが追加されました。

挿絵(By みてみん)


「カナタ・アレイシアの父……

ガイアス・レシュト」


プラス先生は、名簿登載を確認していた。

そして、リサーチをかける。


「ルシエル因子の研究者。アレイシア波動生体研究局・AWBIの所長。……大したものだな」


「母は、セレン・アレイシア。八年前の研究施設の爆発事故で巻き添えになっているのか……えらい美しい人だな。不謹慎だ」


「なんだ?四年前にも事故があったのか……妙だな。こんなことが二度も続くなんて」


「プラス先生?何してるんです?」


振り向くと、校長が覗いてきた。


「あ、校長!いやちょっといろいろ勉強しておかないとと思って。生徒のことも。ははは」端末を即座にしまうプラス先生。


「……」


「次の授業が始まりますね、それでは失礼します」


プラス先生は、足早に立ち去った。


「?」校長は、顎髭を触り首をかしげた。


事務所の片隅では、静かにその様子を見ている者がいた。


「……カナタの父は、特殊能力者じゃないんだな」


廊下を歩きながら、プラス先生はカナタの台詞を思い出していた。

(先生って、……探偵みたい)


「探偵みたいか、悪くない」プラス先生は、鼻を指でつんとあげると、特殊能力施設に向かった。

曲がり角を曲がったところで、

派手に人にぶつかった。


「あ、すみません!」プラス先生は顔をあげた。


「いたたた」


「なんだ、ソードじゃないか!びっくりするだろ」

尻餅をつくソード、あとからバーチが走ってきた。


「シールド張ってくれよ……バーチ」ソードの顔が歪んでいた。


「しょうもないところで張れるか!」バーチは、ソードの尻を蹴りあげ起こした。


「うわっ!コイツ、……さいあく」尻を痛そうに押さえる。「俺がAttackだって忘れてやがる。いつか標的にするぞバーチ」


「お前ら、角を猛スピードで走ることにもの申すぞ」


「……先生も前見て走ってよ。 っていうか、なんでシールド張ってないの?」ソードは、手を広げる。


「お前な!まぁ、考え事してた。わるい」


「ぜんぜん無防備じゃん先生。まぁ校内で命狙われることはないだろうけどさ」


「油断は、禁物だ!」プラス先生は、指を指して言い放った。

——その言葉が、自分自身に向けたもののように響いた。


「隠れているんだろ?ヨガサ」



ヨガサが花壇の茂みからゆっくりと出てきた。


放課後の校舎裏は、人通りが少なく静かだった。


花壇の土は夕方の光で赤く見え、風が吹くたびに葉が擦れる音だけがした。


「先生、すみません」


ヨガサは花壇の茂みから現れた。


「どうした。……まぁ、話くらいは聞くぞ」


「色が変わったんです」


「え?何?シャインスフィアの?」バーチが身を乗り出す。


「違います」


ヨガサはフードを深く被り直す。

夕方の風が吹き、花壇の葉がざわりと揺れた。


「先生がさっき事務所におられましたよね。

 何か調べものをされていました。

 その時、先生の色が――変わったんです」


「どういうことだ?」


少し間を置いて、ヨガサは言った。


「色が、なくなったんです」


「何だよそれ、怖い話か?」ソードは思わず足を止めた。


ヨガサは静かに続ける。


「その人の“時間”が、私にはなんとなく見えるんです」


「うわ、まじかよ……」


「……何が言いたいんだ?ヨガサ」引き笑いを浮かべるプラス先生。


「何がって、先生の未来の話してんのよー!」

ソードが茶化すように叫ぶ。


「っていうか、君こわいわヨガサさん」


「私、当たるんです」


「つまり、先生は何かヤバイものに近づいたってこと?調べもので」バーチは、言う。


「そうです」


「お前ら察しがいいな。 つまり、“これ以上調べるな”って警告してくれてるのか?」


「はい、そうです」


「困ったなぁ。先生そう言うの信じないからさ」プラス先生は、バーチとソードをみた。


「俺は信じるかな」


「俺も」


「おい!何だよ!お前ら急に。

まぁ、注意しとくよ。ありがとなヨガサ」



(第五十三章・了)


未来は変えられるのか。

それとも、ただ知らないまま進むことが、唯一の救いなのか。


警告は、いつも静かに訪れる。

叫び声ではなく、

誰にも気づかれない小さな声で。


だから人は、

それが運命だったと、後になって気づく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ