緊急対策会議9
川島長官はアメリカ合衆国の造船能力は、第二次世界大戦勃発により急速に拡大していると語った。それは驚異的なものであったが、その規模は急激過ぎる為に各地で人員不足を招いていた。いくら造船所を急拡大しても、そこで働く人員が不足していたら万全に稼働出来ないのは当然であった。とは言えそれは大日本帝国にも程度は違えど人員不足は似たようなものであり、松岡外務大臣はそれを川島長官に質問した。
川島長官は不敵な笑みを浮かべると、アメリカ合衆国での人員不足は造船所や都市部に対する皇軍戦略情報局諜報員の破壊工作の成果だと、語ったのである。それに松岡外務大臣は驚いた。
だが戦時中であり敵に優位に立つためには必要不可欠な行動でもあった。それは黒崎総理が直々に命令した破壊工作による成果だった。川島長官はその破壊工作は巧妙に偽装して行っており、汎ゆる事故として実行されていた。アメリカ合衆国も当初は皇軍戦略情報局の破壊工作を疑ったが、破壊工作を示す証拠は見つからず戦時中における性急さによる実行と判断していた。
だが真相は大日本帝国皇軍戦略情報局諜報員による、巧妙な破壊工作だったのだ。これによりアメリカ合衆国の造船能力は拡大しているが、その規模は大幅に拡大するというものにはなっていなかったのである。もちろん今後も破壊工作を続け、大日本帝国に比して7割を超えないようには注意し続けると川島長官は語った。
その説明を終えて、川島長官は席に着いた。そして黒崎総理は今後の作戦について話し合うと断言した。第二次ミッドウェー海戦の大勝利により、太平洋の制海権を大日本帝国は絶対的に掌握した。そしてロシア戦線とオスマン戦線には大日本帝国陸軍が大挙して派遣されていた。
黒崎総理の言葉に石原莞爾国防大臣は、当面はロシア戦線とオスマン戦線に注力すべきだと語った。これにより大規模な反攻作戦を開始して情勢を安定させるべきだとした。そしてその後は状況を考慮しながら、ハワイ占領作戦を実行し太平洋からアメリカ合衆国の橋頭堡を完全に排除するのが、肝心だとも石原国防大臣は説明した。
それを聞いた黒崎総理は石原国防大臣の説明通り、ロシア戦線とオスマン戦線へ注力する事を命令した。




