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婚約パーティー

ー半年後ー


マリアとサイクスの婚姻が済み、とうとうエリーゼとハルトの婚約パーティーが行われる日だ。

エリーゼは朝から湯浴みやらなんやらで準備に奔走し、会場に関しては夫人たちが執事長やメイド長と最終確認を行っている。


「お嬢様、やっぱり素敵ですわ!」


カレンが褒めるとマリア付のメイドのサリーも

同調して、エリーゼを褒める。


「カレン、サリー、ありがとう。」


エリーゼが着ているドレスは侯爵夫妻たちからの贈り物だ。婚約した日の晩餐会のときは本当の両親から最初で最期の贈り物のドレスを手直しして着ていた。


「このイヤリングをしたら、完璧ですわ!

シールズ小公爵様はセンスがいいですわ。お嬢様の輝きが増しますもの!」


(ハルからの贈り物…。やっぱり綺麗ね…。)


エリーゼは鏡を見つめる。イヤリングはハルトの瞳の色の宝石が嵌め込まれている。


「お嬢様は、シールズ小公爵様を本当にお慕いしているのですね。

そのイヤリングをいただいてから、見る度に幸せそうなお顔をされてますよ。」

「そうかもしれないわ。私、ハルが大好きだから、瞳の色を見るとドキドキするみたい。」

「ふふ。素敵なことですよ。」


談笑しているとドアがノックされた。


「お嬢様、小公爵様がお越しです。」

「どうぞ。」


ガチャ。扉を開けてハルトが部屋へ入ってきた。


「リゼ、とても素敵だよ。

そのイヤリング、着けてくれて嬉しい…。」

「ハル、私このイヤリングとても気に入っているの。ありがとう。」

「本当はドレスをとも思ったけど、それは結婚式にとっておこうと思ってね。」

「ふふ。結婚式の準備も頑張らないといけないわね。」

「そうだね。さて、そろそろ行こうか?」


ハルトはエリーゼに手を差し出し会場へと向かった。

「本日は我が息子ハルトとウォルト家のエリーゼ嬢の婚約パーティーにご参加いただき、感謝します。」


公爵が挨拶をする。


「皆様、本日は私とエリーゼ嬢のために足を運んでいただき、ありがとうございます。まだまだ未熟なふたりではありますが、これからもよろしくお願いします。」


ハルトとエリーゼは礼をする。パチパチと拍手が起こりパーティーが始まった。

参加者たちは口々に祝いの言葉を述べにやってくる。

侯爵家の養子となったエリーゼは高位の貴族の名前と姿絵は覚えているが、どうしても分からないときはハルトがフォローをしてくれている。


「リゼ、少し席を外すよ?」

「はい。分かりましたわ。ハル様。」




「ふう…」


主役が会場から離れるのはどうかと思ったけれど、何度参加しても華やかな空間が苦手なエリーゼは庭のいつもの四阿にいた。

もちろん、メイドのカレンも一緒だ。


「お嬢様、大丈夫ですか…?」

「うん。こんなことで疲れていては小公爵様の婚約者は務まらないわ。私はいずれは公爵夫人として堂々としていかなければならないのだから…。」


エリーゼはきちんと解っていた。

ハルトを好きになること、そして両想いになるということは、いずれは王妃に次いで地位の高い女性になることを。


「ただ、妬みや嫉みはあると思うわ…私は元々は子爵令嬢だったのだもの…

それをよく思っていない人が多いことも理解しているわ…。」

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