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狩人の血脈  作者: SKeLeton
第二章 現在
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王国首都郊外の農場(母屋入口付近1)

 先ほどの予期せぬルトギエルの来訪、そしてやり取りの後、やっとのことで気をとり直したレティシアは、〈アトロファネウラ(愛機)〉のところへ向かう前にやるべきことを思い立った。


 すべての元凶である特製耐Gスーツ(いささかしつこいかもしれないが、透過性スケスケの……)を着替えてしまうことだ。


 そのためレティシアは、女性更衣室となっていた母屋の一室でファスナーを下ろしかけていた。


 だが、そこで連続した射撃音を聞いた彼女は、椅子いすに掛けてあったホルスターの押さえを外して自動拳銃を引き抜き、フライトジャケットを羽織はおると音のした方角へ急いだ。


 そこで目にしたのは、開け放たれた入口の扉とその先の車、そしてそれをたてとしてせる兄、ルトギエルの姿だった。


 公用車にはいくつか弾痕があったが、幸いにもこの日、ルトギエルはお忍びで訪れたためみずから運転しており、運転手は乗っていなかった。


「兄上!!」


 思わず戸口から踏み出そうとしたレティシアの足元あしもとに、タタタと三点射が加えられる。


 機関銃マシンガンというものは全自動フルオートで連続射撃し続けると発射の反動で銃口が跳ね上がり、収弾率が下がって標的に命中しにくくなる。


 さらには、連射すればすぐに弾倉だんそうからになるため、引き金のひと引きで三発だけ銃弾が放たれる、三点バースト射撃は非常に利にかなっている。


 レティシアは空軍操縦手とはいえ、基礎訓練時に一通ひととおりは歩兵の戦闘訓練を受け、携行火器の知識は持っている。


 襲撃者は素人しろうとではない「戦闘慣れしている!」、レティシアは戦慄せんりつを覚えた。


 そのとき、一階正面の窓にも一斉射がたたき込まれ、レティシアと射撃音を聞き付け何事なにごとかと集って来た王国空軍兵たちは、思わず家具のかげに身をかくした。


 彼らの頭上に、くだかれたガラスの破片はへん容赦ようしゃなくそそぐ。


 レティシアは、猫を思わせる敏捷びんしょうさで割れた窓枠越まどわくごしに拳銃で応射を試みるが、彼女の 操縦士携行用そうじゅうしけいこうよう 小口径(しょうこうけい)ではらちが明かないことをさとる。


 そして、細身の身体からだのいったいどこからそれだけのものが出るのかという大音声だいおんじょうを周囲に放った。


「もっと強力な武器はないのかっ!?」

「〈納屋シェッド〉に20ミリが!」と整備兵が応じるが……。


 それは(航空機)兵装の機関砲であろうが! もし仮に銃座があったとて、この状態でどうやって格納庫まで行けというのか!? 装甲車の用意でもあるのか? ぜひ教えてもらいたいものだな!! と思いつつ、レティシアがその兵士の顔をじろりとにらむと、申しわけなさそうな目にぶつかった。


 きっと、本人も言ってしまってから「しまった」と思っているのだな……などと考える。


 戦闘中は、いろいろなことが一瞬で頭をぎるものだというが……このことか。


 して、兄上は?

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