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狩人の血脈  作者: SKeLeton
第二章 現在
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王国首都への山道

 二人の〈狩人かりゅうど〉が、王国首都を目指して山中やまなかの道なき道をく。一般的に狩人かりうどというと猟師ハンターと同義だが、〈もり〉の〈狩人かりゅうど〉となると王国軍人は一種の畏敬いけいにも似た感情を持ち、共和国軍人は恐怖の対象、憎むべき相手といった感情を持つこととなる。


 そもそも〈狩人かりゅうど〉が王国のために働くことになったのは、〈もりたみ〉と呼ばれる王国外縁部の山岳地帯……深い森に住まう人々が、狩猟の技術、特に射撃にけ、それを持ってしていくたびか繰り返された王国と共和国との小競り合いの際に、王国側の先手さきてに混じって戦ったことにたんを発する。


 〈もり〉が王国に近いという地勢によるものと、王室が代々、〈もりたみ〉を庇護ひごしてきた歴史があり……それに恩義を感じた〈もりたみ〉が王国国境のである〈防人さきもり〉となってから、という由来ゆらいもあるのだが……いつしかその〈防人さきもり〉の中に尋常じんじょうならざる射撃の名手めいしゅが存在することが彼我ひがの将兵に知れわたった。


 そして、それこそが〈もり〉の〈狩人かりゅうど〉であると認知されるのまでにも、そう時をようさなかった。


 〈狩人かりゅうど〉は二人ともげ茶色の旅装りょそうをしている。その服装と夕闇が、ただでも深くしげった木々の中に二人の姿をけ込ませていた。


 先に行く一人は若く、もう一人は初老だが、二人ともこの手の山道には慣れっこのようで、無言のまま、まち住人じゅうにんにとっては早いペースをたもっている。


 若い男の名はアウィス・シルワウィリデだった。そして、同行の初老の男は、アウィスの師匠である熟練じゅくれんの〈狩人かりゅうど〉だ。


 しかし、近年、経験はともかく射撃の腕前は実質、弟子のほうが確かになりつつあった。


 その二人の頭上を、王国空軍の大型輸送機が低く飛び過ぎて行く。アウィスが空を見上げる。目は輸送機を追っているが、表情を変えることはなかった。

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