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ホムラの一日デート

俺は目が覚めて起きようとするとなぜか起き上がれなかった。


「…ん?なんだ?」


俺は違和感のある右側に顔を向けるとホムラが俺の腕にしがみ付いていた。


「…何してんだ!?」

「やっと起きたのね」


いやいや!俺の求めてる答えじゃないよ?まぁ離してくれたしこれで起き上がれるしいいか。


「マイは朝早く出かけたからね。これはチャンスと思って布団に入ったのよ」

「…どういうこと?」


全く言っている意味が分からんのだが。もうちょっと噛み砕いて言ってほしいぞ。


「簡単に言えばハクヤを独占できるから、朝早くから会いたかったのよ!」


そんなに熱く言わなくていいし、朝からうるさいのは勘弁してくれ。


「はぁ…それで何をするんだよ?こんな朝早くから」


ホムラはそこでニヤリと笑みを浮かべたかと思うと俺を背中から抱きしめてきた。


「ちょ!?本当にどうしたんだよ!?」

「今日はお母さんもマイもいないから、助けてくれたお礼をしたいのよ」

「別にいいけど、俺を抱きしめる必要性は?」

「ないわよ」


おい…堂々と言うなよ。まぁ悪い気はしないが。


「お礼って何をしてくれるんだ?」

「ハクヤはしたい事とかあるの?」


いきなりそんなことを言われてもな…何も考えてないし。それにしても胸が背中に当たっていろいろやばいんだが…


「特にないな。それにしてもどうしてお礼をしようとするんだ?お礼なら仲間になることだっただろ?」

「確かにそうよ。だけどねそれだけじゃ私の気が済まないだけよ」


律儀というか面倒な性格というか割り切れないのは大変だな。


「それに今回は貴族たちに喧嘩を売る可能性だってありえたのよ?ルナー男爵は裏ではいろんな所に繋がってるらしかったし…」


言われてみればそうかもな…今回は弟だけだったが、いつ兄が動くかわからんしな。


「まぁホムラがそう言うならいいけど、どうするんだよ…」

「どうしようか…」


結局堂々巡りかよ…これは決まらんぞ…


「まぁいいや。それなら今日は一日俺と二人で一緒にでかけるか!」

「どこによ?」

「この街に来たばっかりだし、アリシャさんにおすすめの場所とか聞いてそこに行ってみようぜ?」

「いいわよ!!」


そんなに目をキラキラさせて二尾を大きく振って喜びをアピールしなくてもいいんだけど。


「とりあえず朝ごはん食べるぞ。腹減りすぎてヤバいし」

「なら早く食べていくわよ」

「あ、おい!慌てんでもいいだろ」

「私が早く行きたいのよ!」

「まったく…しょうがないな」


ホムラは俺の手を取り急いで食堂に向かって行った。











俺とホムラは朝ごはんを食べ終わりギルドに行きアリシャさんに会った。


「ハナさんおはよう」

「ハクヤさん!おはようございます」


俺があいさつするとハナさんも元気よくあいさつをして部屋を出て仕事に戻っていった。そして、書類と格闘しているアリシャさんにも挨拶をするか。


「おはよう、今日もいっぱいだな」

「あぁ…ハクヤか。しばらくは書類が山積みだろうな」


せっかくの美人なのに老婆みたいにやつれてるぞ…


「まぁ頑張れ。それでハナさんはどんな感じだ?」

「もう私の専属にしたいぐらいに仕事が出来る人だ!ぜひ私にくれ!」


そんな風に言ってもやらんぞ。ハナさんは俺たちの仲間だしな。


「お母さんが大丈夫そうならいいわよ。それよりギルマスに教えてほしんだけど、ここら辺で景色がいい場所とかある?」

「ん?この時期なら『メルート』がたくさん咲いてある丘があるからそこに行ってみたらいいんじゃないか?」


メルートってなんだ?初めて聞いたんだが…


「メルートは花の一種だな。どんなんかは見て確かめてみな」

「まぁそうする。それで、メルートの咲いてある丘はどこにあるんだ?」

「それなら地図を書いてやるから少し待ってな」


アリシャさんは近くにあった紙で地図を書いてくれてる間、俺たちはのんびりと椅子に座った。


「ハナさんも元気そうだな」

「そうよね。私は何もしてあげれなかったけど」


ホムラはちょっと悲しそうに目を伏せていた。


「そんな顔をするなよ。最初はハナさんを助ける時に屋敷から連れ出そうとすると断れたんだよ。ホムラがいつ帰って来ても守れるようにってな。立派な母親じゃないか」

「確かにね…私も尊敬しているわよ。だけど私は本当に何も返せていないのよ…」

「別にいいんじゃないか?何か返したいなら今すぐじゃなく、ホムラが立派になってその時においしい手料理とか振る舞えば喜ぶと思うぞ」

「…それは本当なの?」

「さぁ?俺はハナさんじゃないから分からないが、親孝行するならちゃんとした大人になってからだろ」

「…そうよね。少し焦りすぎていたわね」


まぁ表情を見ると、少しスッキリした感じがあったしこれでいいか。


「辛気臭いのはやめようぜ?今日は二人で楽しむんだからな!」

「分かってるわよ!」


ホムラはかなり笑顔になったしあとは地図待ちだけど、まだできないのか?


「地図はまだなのか?」

「いや、今出来たぞ」


アリシャさんから地図を受け取り見てみると、一つだけ思ってしまうよな…


「母さんより分かりやすいな…」

「あははは!!」


俺が言うとアリシャさんが笑い出したけどなんでだ?


「レミリアはかなりの方向音痴だからな!!!」


え!?何それ!?初めて知ったんだけど!?母さんって方向音痴なのか?


「レミリアは一人で歩くと、必ず行き止まりに行ってしまうからな!!」

「…マジで?」

「実話だよ!!」


アリシャさん…腹抱えて笑わなくていいから。というか母さんと一緒に街によく出かけたが、俺迷子にならなくて良かったぞ。


「ハクヤのお母さんってなにか抜けてるんじゃないの?」

「………」


俺はホムラの質問に返答できなかった。確かにそういう所はマイがフォローしてたしな…


「まぁレミリアは面白い奴だったからな。それより早く行かなくていいのか?」

「そうだな。今度は母さんの過去でも聞きたいしよろしく」

「わかったよ!この書類が片付いたら話してやるから」

「楽しみにしてるぞ。それじゃ行ってくるぞ」


俺とホムラはギルドを出て街の外に行った。









とういうことで外に出たのはいいが、何気にこの街に来てから初めて外に出たな。それに依頼も一個も受けてないのになぜかもうAランクだしな。


「いやーこの数日濃かったぜー」

「本当にね!そのせいで私もだいぶ変わったけど!」


そんな睨まなくてもいいじゃん。可愛いから気にしないが。


「まぁホムラという美人が仲間になったし、これで旅はさらに楽しくなるだろうな」

「………」


急にホムラが静かになったけどどうしたんだ?


「…大丈夫か?」

「…ねぇ」

「なんだ?」


そんな神妙そうな顔をしてどうしたんだよ?


「…手を繋いでいい?」

「別にいいけど…?」


そんなんでいいのか?まぁ俺と手を繋いでかなり喜んでいるみたいだし何も言わない方がいいか。


「それで道はこっちでいいの?」

「あぁ。地図ではあの川を北に向かって進むといいらしいからな」

「それなら大丈夫ね。それにしてもハクヤの手って小さいのね」

「これはしょうがないだろ…」


なんせ10歳ですから。まだ成長段階だし仕方ない。


「それにしてもホムラって何歳だ?」

「言ってなかった?これでも15歳よ」


なんとマイと同い年だったぞ!!なんかもうちょっと上と思ったけど、それをホムラに言ったら絶対に殺されるしやめといた方がいいな。


「マイと同い年だな。それでマイとは仲良くしないのか?」

「マイの事は嫌いじゃないわよ。関係で言うとライバルに近いのかもね」

「ライバル?」


全然そう見えなかったんだが…普通に犬猿の仲と思っていたが。


「時々…いや毎日ムカついているけど、認めている部分もあるわよ」


いや…毎日はダメだろ。


「何回か助けられたしね…」

「まぁいいけど、仲良くしろよ?」

「嫌よ!」


力強く否定しなくてもいいのに…なんかホムラの背後から怒りの炎が見えるのは気のせいか…?


「あのメイド本当にムカつくわよ!!私を小バカにした感じで!!」


まぁホムラはいじりやすいから、それはしょうがないな。


「まぁ落ち着け。マイもホムラの事は認めているだろうしな」

「お互いに背中を預けた仲だから認められているのは分かるけど!!でもあの言い方にムカつく!!」


これは怒りが収まるのを待つか…まぁ本当に仲が悪いって訳じゃなさそうだし安心だな。


「それでもうすぐ着くけど怒ったままだと、綺麗な景色が台無しだぞ?」

「…わかったわよ。景色をみて忘れるわよ!」


そんな怒りながら言っても説得力がないけどな。そうこうしているうちにやっと丘の頂上が見えてきたぞ。


「ほら!もうすぐなんだから走るわよ!」

「いや!走らなくても!?」


俺の手を引っ張りながら走って頂上に着き、眺めてみるととても綺麗だった…


「あの花がメルートか?」

「そうよ」


メルートは黄色や桃色、うす紫、水色で一面に咲いていてとても幻想的で見入っていた。


「…綺麗だな」

「…そうね。さらにモモンの木も咲いて散っている感じがいいわね」

「モモンの木?」


俺が聞くと指をさしながら教えてくれた。


「あの桃色の花が咲いてある木よ」


言われた木を見てみると、桜に近い感じの木だった。


「綺麗な青空、色鮮やかな花、舞っている桃色の花びら…いい景色だな」

「…本当にね」


それからしばらく俺とホムラは無言だった。あまりにもきれいすぎて見とれていると、ホムラから話しかけられた。


「ねぇ…」

「…どうした?」


互いに景色を眺めながらホムラは繋いでいる手を離したかと思ったら、指と指を絡めて握ってきた。


「私…ハクヤの事を好きよ」

「…そうなのか?」

「えぇ…どうしようもないくらいにね」

「…そっか」


ホムラの手の震えが徐々に大きくなっているのが伝わってきているし、俺は強く握った。


「…ハクヤありがとう」

「気にするな。大切なことだからな」

「うん…」


ホムラの震えは徐々に収まっていき、深呼吸をしてから話してくれた。


「…マイには敵わないと思っているわよ。付き合いが全然違うから仕方ないわよ」

「うん」

「…でも、私のことを少しでも見てほしいわよ…これでも女なんだから。だから二番目でもいいから愛してくれる…?」


俺はその時に初めてホムラの横顔を見るととても不安そうな感じの顔をしていた。それをみて俺の気持ちは決まった。


「ありがとな…その気持ちめっちゃ嬉しいぞ。だけど、二番目なんて言うなよ。俺の中ではマイもホムラもかけがえのない存在だからな。だから、俺もその気持ちに全力で答えるから離れないでくれよ?」

「…当たり前よ!私も全力で愛してあげるわよ!!」


俺はそれを聞いて景色を見ながら叫んだ。


「ホムラ!!!愛している!!!!!!」


俺はホムラを見るととても驚いていたが、ホムラが笑みを浮かべたと思ったら景色を見ながら叫んだ。


「私も愛しているわよ!!!!!!!!」


叫び終わったホムラは俺の顔を見つめてきた。俺も見つめ返しどちらからでもなくキスをした。


俺とホムラはこの日から恋人になった。










なんだこのリア充…書いててムカついたのは俺だけか?


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