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防具

俺たちはホムラのおすすめの防具屋である『テッペキ』に来ていた。


「それで、ハクヤはどんな防具が欲しいのよ?」

「あぁ、上着系だな。今はただの長袖、長ズボンだから動きやすくてスピードを殺さない服がいい」

「それならコートとかおすすめね。その条件に当てはまるやつはね」


なるほどな。コートなら問題ないかもな。


「それじゃあ店員さんに聞くか。すいませーん!」


俺が呼ぶと店の奥から少し腰の曲がったおばあちゃんが出てきた。


「なんじゃ?会計かい?」

「いえ、ちょっとコートを見たいんですけどいいのありますか?」


そう言うと、おばあちゃんは俺のことを目を細めながらじーっと見てきた。


「あのー…なんでしょうか?」

「ふむ…お主なかなかいいもんを持っておるようじゃの。ならばこっちに来るがよい」


おばあちゃんは奥に行ったので俺たちもおばあちゃんの後ろに着いていき暖簾をくぐると広い部屋にすごく高そうな防具がいっぱいあった。


「いっぱいあるな」

「これは…」

「素晴らしいですね」

「ここは初めてよ…」


俺たち4人が驚いているとおばあちゃんが説明してくれた。


「ここはわしが認めた人しか入れんのじゃ。お主らは必ず大物になるじゃろうかな」

「なら、大物にならないとダメだな」

「お主面白いのぅ…」


なんかおばあちゃんがニヤニヤしているが大丈夫なのか?


「好きに見ていきな。ちなみにコートは一番右奥に置いてあるからのぅ」

「じゃあお言葉に甘えてみさしてもらうよ」


俺たちはおばあちゃんが言っていた場所に行くと服屋みたいにたくさんコートが並んでいた。


「この数はすごいな…」

「それにしてもさっきのおばあ様は何者なんでしょうか?」


確かにな…マイの言うことは気になっていた。俺たちの実力をある程度見抜いたってことだしな。


「噂だけど昔、最強と呼ばれていたレギオンの副リーダーをやっていたという風なことを聞いたわよ」

「最強のレギオン?」

「名前は『十傑』だったかしらね。人数は10人しかいなかったらしいけど、国相手でも余裕で勝てたって言われているのよ」


なんだそれは!?チート集団って奴かよ!?俺もチートだけど、どこまで強かったか気になるぞ。


「今はどこが最強なんだ?」

「今は10の勢力に分かれているわよ。赤、青、黄、緑、紫、橙、白、黒、銀、金の10個で通称十色と言われているわよ。そして、昨日あったのは『白の剣』の部下ね」

「なんか大変そうだな」

「ハクヤも他人事じゃないわよ?」


どういうことだ?俺は直接喧嘩売った覚えはないんだが。


「ハクヤの父親の名前って分かる?」

「えーと…シルバ・ログナーだな」

「やっぱりね…」


本当にどういうことだよ?全く分からん。


「ハクヤの父親は『銀の槍』十色の1つね」

「…まじ?」

「大マジよ!知らなかったの!?」


全然知らなかったぞ。母さんもそう言えば一切そういうことは言ってなかったような…?


「マイは知ってたのか?」

「直接言われていませんが、ある程度は予想していました」


まじかよ!?俺だけが気づいてなかったの!?なんかショック!!


「それより、コート買うんでしょ?選ぶわよ」

「そうですね。ハクヤ様の防具ですからね」

「男の子の服なんて選んだことがないですけど頑張りますよ」


いや…みんな切り替え早くない!?もうちょっとなんか話し合おうぜ?


「ハクヤ様こちらはどうでしょうか?」

「こっちの方がいいわよね?」

「ハクヤさんこれは似合いそうですよ」


3人とも好き勝手選びすぎだぞ!着るのは俺なんだけど!?




三人は他の防具を好きに見始めているが、俺はコートを一個ずつていると、1つの真っ白なコートに目が留まった。


「ちょっと鑑定してみるか。気になるし」


―――神白のコート

魔力を纏わすと防御力が上がり、氣を纏わすとさらに上がりコートの表面が固くなる。隠蔽もしやすくなる。


「めっちゃチートじゃね!?」


これに決めたぞ!!つうかこれしかないな!!


「決めたし会計するぞ」


俺が言うと三人は俺の所に来た。


「ハクヤ様決めたのですか?」

「あぁ。これにする」


3人にコートを見せた。


「綺麗な白ですね」

「これは似合いそうね」

「いいと思います」


それぞれ納得してくれたので、俺はおばあちゃんの所に行き会計をしようとした。


「おばあちゃん、買いたいんだけど会計いいか?」

「何を選んだんじゃ?」


俺はおばあちゃんに買うつもりのコートを見せると目を見開いた。


「…お主…よくこれをみつけたのぅ」

「ん?普通に並んでいたけど?」


このコートになんか問題でもあるのか?


「これはのぅ…もう亡くなってしまったが、わしの親友が亡くなる直前に作ったものなんじゃ」

「へぇーその人はすごかったの?」


おばあちゃんに聞くとどこか遠い目をしながら話してくれた。


「親友は服を作ることに関しては天才じゃった。いろんな服を作っていたんだが、ある日急に言うんじゃ。「私は一生かけて誰にも作れないような服を作る!」と言って部屋に籠り始めたんじゃ」


なんかすごい話になってきたな…



「そして15年ぐらい経った時に急にわしのこの店に来たんじゃ。すごく嬉しそうな表情でのぅ…」


急に寂しそうな表情をみせたけど大丈夫なのか?


「それで持ってきたのがこのコートじゃった。わしもこのコートの能力を見て驚いたもんじゃ。まさかこんなコートが出来るのかとのぅ…」


まぁその気持ちはわかる。さっき俺も驚いたし。


「そしたらのぅ…親友が言ったんじゃ。「このコートはここに置いてほしい。いつか大物に着てもらってほしいけど、一つだけお願い。未来を託せそうな人に着させてほしいな」って言ってそのまま逃げるように家に言ったんじゃ…」


その親友もなかなかの大物だと思うけど…15年かけて一つの物を作るなんて普通は出来ないし。


「その日は仕事が忙しくてのぅ…次の日に親友の家に行ったら亡くなっとったんじゃ…布団で安らかな顔でのぅ…」


満足できて旅立ったってことか…いい死に方だな…俺の地球の頃とは違ってな。


「だがのぅ…お主ならそのコートを託せそうじゃのぅ。あやつの願いも叶えられるだろうしのぅ」


なんか認められたけどいいのか?


「そんなに大切なら違うのにしようか?」

「いや…それはお主にやるわい。しっかり大物になってわしの目は間違ってなかったことを証明してくれ」


おばあちゃん…すごいな。


「任しといてください。必ず大物になりますから」

「なら、持っていきな。わしからの贈り物じゃ」

「ありがとうございます!」

「後ろの3人にはこれをやるわい」


おばあちゃんが渡してきたのはブレスレットだった。


「おばあ様?これはなんでしょうか?」

「これはのぅ…決死の腕輪じゃ」

「「「決死の腕輪?」」」


ハモって返すと能力を説明してくれた。


「簡単に言うとじゃな、装備者の血を腕輪に吸わせることで装備者の力を限界まで引き上げる腕輪じゃ。使用後はかなり疲れるじゃろうが、誰かを守りたいのなら必要になるかもしれないからのぅ…」


なんかすごいのをもらったけど本当にいいのか?不安なんだが…


「わしも少しは未来に賭けてみただけじゃ」

「未来?」

「これ以上は秘密じゃ。さっさと行きな。立派になるんじゃぞ?あとわしの名前はシリアじゃ、忘れるんじゃないぞ?」

「「「「はい!」」」」


俺たちはシリアさんからたくさんの物を貰いお店を出た。













――――ハクヤがお店を出た後のシリア


「のぅ…親友のリリア…あんたの言っていた子たちが現れたぞ。わしらは最強のレギオンとか言われてたが何も変えられなかったのぅ」


シリアは誰もいない部屋で寂しそうに一人で言っていた。


「あの子たちを見ていたらもう少しだけ長生きしてみるのも悪くないかもしれないのぅ…十傑で生きているのはわしだけじゃが、もう少しだけ未来を見たくなったんじゃ。だから少しだけ待っといてくれぬかのぅ…土産話をしてやるんじゃから」


シリアは満足そうにしてまた防具の整備を始めた。

なんとか間に合った…それにしてもいろいろと出てきましたが大丈夫でしょうか?


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