ホムラの涙
俺とマイは朝ごはんを食べてギルドに向かい、中に入るとまた騒がしかった。
「毎日ここは騒がしいのか?」
「冒険者は自分に自信がある人ばかりなので、喧嘩が起こるのも仕方ないじゃないでしょうか」
「めんどくさい連中だな…」
俺たちはそんなことに関わるのはめんどいと判断して、ホムラが来るまで時間を潰そうと依頼を見ようと思ったら聞いてしまった。
「おい!二尾の狐、なんでこんな所に来てんだ?お前みたいな呪われたものが来る場所じゃねぇぞ!!」
「うっさいわね!あんたには関係ないわ!」
「はっ!聞いているぜ!母親がお前のために苦労しているってことをな!最低な娘だな!ぎゃはは!」
「……あんたに何がわかるのよ!さっさと消えなさい!!」
「俺と一緒に遊んでくれるなら他の連中にはけん制してやるぜ」
俺はそいつの言葉を聞いて我慢が出来なかった。
「おっと足が滑ったー」
俺はホムラに絡んでいた男の後頭部に回し蹴りを入れると、男は壁まで吹っ飛んで行った。
「誰だ!?俺の頭を蹴った奴は!!」
「俺だけど?しかも蹴ったなんて人聞き悪いな…滑っただけだし」
「ふざけんな!!ガキが冒険者舐めてんじゃねぇぞ!!!」
男は殴りかかってきたが俺は右手で男の拳を掴んだ。
「…舐めてるのはどっちだ?お前なんて一瞬で殺せるぞ」
「ひっ!?」
俺は殺気を男に向けて放ち、威圧を発動すると一瞬で男は気絶した。
「気絶したか…」
俺は周りに居た冒険者に向かって宣言した。
「ここにいる奴聞けよ!!ホムラを二尾の狐とか、災厄の狐とかいう奴は今すぐ出てこい!!俺が相手になるぞ!!ホムラは俺の仲間だから手を出したら殺すぞ!!!」
俺は神気を全力で纏い殺気を放ち全員に威圧をすると、半分は気絶をして半分は恐れていた。
「ふぅ…これで大丈夫だろ。マイはギルマスがいたら呼んでくれるか?」
「分かりました。では呼んできます」
マイは無駄のない動作でお辞儀をして、ギルマスを探しに行った。
「ホムラは大丈夫か?」
「え、えぇ…」
ホムラは若干俺に恐怖をしている感じだな…まぁ無理もないか。
「俺の事が怖いか?」
「……そうね」
「そうだろうな…なら、俺とパーティー組むのやめるか?」
「………」
「迷うぐらいなら組むのはやめようぜ。お互いによくないしな」
俺は少しだけ悲しかったが仕方ないと思い込むことにした。
そうしたら、マイがギルマスのアリシャさんを連れてきた。
「…この惨状は何があったんだ?」
俺は今までのことをアリシャさんに報告をした。
「…なるほど。こっちでもホムラの事は気をつけてみているよ」
「あぁ、助かるぞ。それじゃ俺は疲れたしちょっと宿に戻って寝るわ」
「ハクヤ様…」
俺の表情を見て一瞬で空気を察することの出来るマイに素直に感心するぞ…
「では、私は少し用事があるので別行動でいいでしょうか?」
「あぁ、俺も宿で寝るだけだし気にせず行っていいぞ」
「ありがとうございます」
「じゃあ、俺は帰るわ」
俺はそのまま宿に向かい、布団に潜り眠った。
――――――ハクヤが出て行ったあとのマイ
「それでは、私もギルマスとしての仕事があるから失礼するぞ」
アリシャさんは自分の仕事に戻られて、残ったのは私とホムラさんだけですね。
「ホムラさんちょっとお茶でも飲みながらお話しませんか?」
「いいけど…」
私が歩きはじめるとホムラさんもちゃんと後ろをついて来てくれているので、そのまま何も話さずに近くにあった喫茶店によることにしました。
中に入ると一番奥の席が空いていたので、そこに座りホムラさんは私と向かい合うように座ったようです。
「…それでなによ、話ってのは?」
「そう焦らなくてもいいじゃないですか。マスター紅茶を二つお願いしたします」
私はマスターを呼び紅茶を頼み来るまでの間のんびりしましょうか。
「ふふ、ここの紅茶は美味しいのですか?」
「私あんまり紅茶興味ないから知らないけど、評判は良いらしいわ」
「そうなんですか。それは楽しみですね」
「お待たせしました。紅茶二つお持ちしました」
どうやら来たようですね。ふふ、味が楽しみですがまずは香りからですね。
「ふふ、いい香りですね」
「マイってメイドの服着ていけどメイドなの?」
「これでもメイドマスターです。まぁメイドでは見習いだと思いますけどね。ふふ」
「メイドマスター!?ホントに!?」
急に大きな声はダメですよ。店に迷惑がかかりますから。
「本当ですよ。嘘を言っても意味ないですから」
「すごいわね…」
「ふふ、ありがとうございます。それにしてもここの紅茶は美味しいですけど、あと一歩ですね」
「わかるの!?」
「紅茶はたくさん勉強しましたので」
それでも、素人に毛が生えた程度なのであんまり自慢はできませんが。
「ふふ、それでは本題に入りましょうか」
「やっとね…」
「ハクヤ様の事でいいでしょうか」
私がそういうとホムラさんの表情があからさまに変わりましたがそれでも続けます。
「…なによ」
「ふふ、私がいない間になにかありましたね?」
私がそう聞くと、ホムラさんはギルドであったことを話してくれました。
「そういうことがあったのですね。それで、ホムラさんはどうしたいのですか?」
「私は…謝ってちゃんと話したい…」
ホムラさんは泣きはじめながら話してくれました。
「私にとって…お母さん以外で…初めてちゃんと向き合って…くれたのよ…。だから…余計に怖くなって…あんな態度…ごめんなさい!!」
「ふふ、大丈夫ですよ。ハクヤ様と私はずっとホムラの味方ですし、なにがあっても守ってあげますから」
私は立ち上がり、ホムラさんの横に座り優しく抱きしめました。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「今は泣いていいですから。もう大丈夫ですからね」
私はホムラさんの頭を優しく撫でた。
「うわぁぁあああああああああああああ」
今まで溜めこんでいたものが溢れてくるように涙を流していました。そうして、泣き止むとぐっすりと眠っていました。
「ふふ、寝ちゃいましたか。起きるまで紅茶を楽しみましょうか」
私はホムラさんを私の膝枕で寝かせて、のんびりと紅茶を飲み始めました。
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