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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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「人化の腕輪」

巨大な「はうはうどっぐ」の眼力に震え上がる二人とそうでもない一人の運命は!

巨大な「はうはうどっぐ」は一瞬光ると人の姿になった。


見た目20代後半くらいの女性がそこに立っていた。


「あなた方はこのほうが話しやすいでしょう」


今度は普通に耳に聞こえる言葉だ。確かに巨大な「はうはうどっぐ」に見つめられていたら普通の人なら生きた心地はしない。


ソネッタさんもギルド長もすこし震えているようだ。


「あの姿にそれほど驚かなかったのはあなたが初めてです。ルティリナの話では異世界から来たそうですが?」


女性が僕を見て言う。


「はい、訳あってこちらの世界に呼ばれたエイト・マスダという者です。驚かなかったのは精霊が大丈夫だと教えてくれたからです」


「エイトと呼ばせてもらいます。エイトは気まぐれな精霊の言葉を信じたというのですね」


「精霊にはいままでも何度か助けられています。それに僕がこうして生きていられるのは精霊女王の分身のおかげでもあります」


僕は「すまほーちゃん」を取り出し、精霊女王の分身のアバターを呼び出す。こんな時間だから当然就寝中だったが。


「そうでしたか。あの女王の分身を宿しているとは」


しばし考え込む女性。


「エイトに聞きたいことがあってやってきました。ルティリナやその妹に使った「人化の腕輪」をどこで手に入れたのですか?」


ルティリナたちを人の姿に変えた腕輪のことのようだ。


「あれは「人化の腕輪」というのですね。しばらく前に突然目の前に現れました」


その際に迎賓館の寝室で見た幻のことも説明する。


「「人化の腕輪」はその昔、獣を人の形にして従属させる目的で作られたものです。しかしそれは建前。本来の目的はより強い戦士を作ること」


「獣から人になった獣亜人は、普通の人間の数倍から数十倍の強さを持ちます。そして重要なのは人との交配が可能になる点です」


ケモノとヒトの混血!そんなことを熱く語っていた悪い(ファンタジーな)友人を思い出す。


「力に秀でた獣亜人と魔導に優れた人を掛け合わせ、強力な魔導戦士を生み出す予定だったと聞きます」


強さの遺伝は1世代しか持たなかったらしい。


複数世代による強化に失敗、世界に広く獣亜人の混血が広まり、現在のように人から亜人が産まれたり、その逆が起こったり。


人の特徴しか持たないアイリスの実妹が犬耳しっぽのリーナだったりするのはそのためのようだ。


腕輪自体は禁忌とされ、ずいぶん前に作り方が失われたようだ。


「エイトが見たという幻に心当たりがあります。彼らはエイトを力の強い獣亜人に助けさせるつもりで腕輪を置いていったと思われます。しかし説明も無しに押し付けるとはいったい…」


女性の眉間にしわが寄る。その殺気を浴びてギルド長は今にも漏らしそうだ。


「「人化の腕輪」の効力は永続します。あの二人はもはや獣として森で生活することは叶いません。エイトよ、知らぬまま使ってしまったとはいえ、あの二人に関しては最後まで責任を持ってほしい」


「わかりました。二人はきちんと育てます」


姫さまとの約束、もえとの約束、ルティリナと妹の将来。のしかかる現実を受け止める僕。


「さて、そちらの人間は何か聞きたいことがあるのでは?」


指名され、森の中の巨大な影について質問するギルド長。


「その巨大な影はおそらく私です。森に奇妙な力の塊が生まれたと聞き、様子を見に行きました」


森の中の沼が突然どす黒く変色し、真っ黒な実をつける不思議な植物が生えてきたと言う。


「もしかしてここでも魔果実が?」


僕は別の場所で魔素のプールを浄化した話をした。


「ルティリナの妹があのようになってしまったのも、その実を食べてしまったのが原因のようです。このまま放置すればまた被害がでるやも知れません。エイトよ、沼の浄化を頼めますか?」


「わかりました、やれるだけのことはやってみましょう」


完全に成功するかどうかわからないことも説明した。何しろ莫大な魔力を消費して僕はおかしくなってしまったのだから。

ちびっこ状態の精霊女王にしがみついて泣いたことを思い出してしまう。


気がつくと、東の空がすこし明るくなっていた。


「今から森に帰ると騒ぎになりそうです。今日はここで休ませてもらってもよろしいですか?」


女性は申し訳なさそうな顔をしている。


ソネッタさんとギルド長はうなづいている。


「はい、狭いですが簡易天幕がありますので夜露くらいならしのげると思います。こちらへどうそ」


---


朝。


野営地の朝は早い。


この場にアイリスがいなくてよかった。

本当に。


「はうはうどっぐ」の長と思われる20代後半くらいの人を天幕に入れた記憶がある。


しかし今目の前にいるのは、どう見ても夕べの人ではない。


「もしかして縮んでる?」


ルティリナくらいの背格好の娘が裸で僕にしがみついて寝ている。

どうして服を着ていないのかと思ったら、体が縮んで服が脱げてしまったようだ。

これじゃおさというより幼い(おさない)だなと一人でオチをつける。


ちなみにルティリナと妹は仲良くくっついて寝ていた。やっぱり姉妹そろっていたほうが心強いだろう。


僕にへばりついている子は起こすのもかわいそうなので二度寝することにした。

すこしだけこの「世界」の成り立ちに関する話をまぜてみました。

勇者の異能力「対象の幼体化」が開眼したようです。


---


9/14 typo修正しましま

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