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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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アンストッパブルブレイブ

勇者と仲間に襲い掛かる「ほぼごぶりん」の大群!

見張りの騎士が大声を張り上げる。


魔素プールに張られていた魔導結界がやぶれ、中から多数の「ほぼごぶりん」が出現した。

不気味に光る多数の目が大きく波打ちながら近づいてくる。


テスラに護衛を任せ、双子は屋敷の中で待機させる。

アサルトライフルをつかんで屋敷の外に飛び出す。

姫さま、もえ、フィリー、ルティリナと地精霊も飛び出してきた。


ソネッタさんは既に出て行った後なのか姿が見えない。


姫さまを後ろにかばい、もえを左手に抱え、アサルトライフルを構える。


「勇者さん、もうすこしいただきますわ」

地精霊は僕の腕に絡まると、魔力を吸い上げ、少女の姿から大人へと変身する。

「おお!いきなり美人になった!」

月並みな感想しかいえない僕。

「またあとで吸わせてくださいます?」

地精霊はやたらと山脈を押し付けてから「ほぼごぶりん」に向けて走り出す。


「リーダー!ちからもらう!」

ルティリナのアンクルが輝く。僕からルティリナに何かが流れ、ルティリナは子供から美しいハーフウルフへと変貌した。

指先には鋭い爪が光る。

「ルティリナかっこいいな!」

やはり月並みな感想しか(ry

「リーダー!いってくる!」

ルティリナは僕の頬をぺろっと舐めると地精霊の後を追う。


「フィリーは治療魔導士のみなさんとここで待機して負傷者が出た際には治療を!」


フィリーがうなずく。


---


目の前に広がる「ほぼごぶりん」の壁。ドームのような形状になり内部は見えにくい。

壁の表面には魔導障壁がまとわりつき、怪しく明滅している。

モンスタープラントツリーの何かが壊れたのか、一体としてまともな形を保っていない植物の魔獣。

それらが蔦で絡み合い、凶悪なオブジェとして壁を形成していた。


壁の向こうから声が聞こえる。


「勇者を名乗るバケモノめ!貴様の魔力が逆流したせいでモンスタープラントツリーはこのざまだ!報いを受けろ!」


相手はテンパっているのか何を言いたいのかさっぱりわからない。どこかの大佐みたいだ。


100パーセント魔獣植物由来の「ほぼごぶりん」の壁にバラの騎士団が剣で切りつけ、宮廷魔導士がファイヤボールやライトニングボルトを打ち込む。


切られたは「ほぼごぶりん」は一瞬で再生しさらに壁が厚くなる。


「きゃーーーーーーーーーーーーー!」


バラの騎士団のおねーさんが「ほぼごぶりん」に絡めとられた!


「リーダー!ルティリナやる!」

ルティリナがすばやく駆け寄り、鋭い爪の攻撃で騎士を救い出す。

その場にとどまったルティリナが超高速で爪攻撃を行い、「ほぼごぶりん」を切り飛ばしている。


負傷した騎士は後ろに下がらせ、フィリーや治療魔導士がヒールを行う。


「これ以上は好き勝手させません!」

地精霊は蔦を伸ばし、目の前の「ほぼごぶりん」の壁から魔力を吸い取り、自らも「ほぼごぶりん」を生み出す。


地精霊の生み出す「ほぼごぶりん」はどこかで見た小人のようだ。そう、姫を守る7人の。


小人たちは小型のナイフで「ほぼごぶりん」の壁を一心不乱に切りつけ、すこしずつだか壁を切り崩す。


僕もアサルトライフルでの攻撃を試みたが、焼けば焼くほど再生する。


「ほぼごぶりん」を生み出すモンスタープラントツリーは巨大な魔素のプールに根を下ろしていた。

地下の竜脈と直結し、ほぼ無尽蔵ともいえる瘴気を吸い上げ、狂ったように「ほぼごぶりん」の壁を生成していたのだ。


切り刻むならチェーンソーだ。


アサルトライフルを肩にかけ、もえから受け取った「ザ・シード」を「ドラゴンマッシャー」に変化させる。

チェーンソーを起動し、「ほぼごぶりん」の絡まる壁を切り刻もうとしたが、再生する分厚い壁にはいささか力不足であった。


次は「メテオイグナイター」に変化させ、壁に撃ち込む。

城壁すら紙切れのように破る攻撃をもってしてもわずかな凹みが生じるだけだが、ドラゴンマッシャーよりも若干ではあるが効果があるように見えた。


「もえ、メテオイグナイターの威力をアップできないか?」


いまのモードは最弱だと、以前のゴーレム戦で聞いている。


「あるじさま、メテオイグナイターを進化させると、威力が強すぎて精霊さんも消し飛ばしてしまうかもしれません」


地精霊に精霊の位置を訪ねた。


「少なくとも私の分身の中にはいないようです。」


どうしたものか。


「ザ・シード」が光る。

「分析完了。「ビーストジャベリン」に形態変化」


メテオイグナイターが光ると一本の槍に変化した。


槍というよりは小型のミサイル?


「あるじさま!この槍には強力な貫通力があります。これなら壁の影響を受けずに直接モンスタープラントツリーを攻撃できます!」


頭の中に流れ込む起動ワード


「鋭き牙の餌食となれ。穿て!ビーストバイト!」


壁に向けてまっすぐに投げたミサイルは、後部にあるロケットエンジンから紅蓮の炎を吐いていきなり垂直上昇を始め、空に飛んでいく。

上空から「どーーーーーん」と爆音が響く。音速を超えたようだ。


壁の向こうにも爆音が聞こえたようで一瞬「ひっ!」という声がした。


しばらくの沈黙の後、強気な発言があった。


「無駄だ!この壁を破ることなど な、なんだあれは!」


突然、上空に現れた真っ赤な星、それはどんどんと大きくなる。よく見るとそれは狼の顔のようにも見えた。


周囲が閃光に包まれる!


それは目にも留まらぬスピードで「ほぼごぶりん」ドームの上部に突き刺さると、一瞬のうちに下まで貫通した。


耳をつんざくような轟音が響き渡る。


「ああああああああああああ…………………!」


断末魔のような声と共に、「ほぼごぶりん」の目から光が消え、壁が動きを止めてそのまま枯れていく。


枯れ落ちた壁の向こうには「ビーストジャベリン」に穿たれたモンスタープラントツリーの残骸があった。


「ありがとう勇者さん」


地精霊が僕に近寄り、腕を絡ませる。


「さようなら、わたしの分身」


地精霊はどことなくさびしそうだ。


「リーダー!つよい!」

ルティリナは僕に近寄るとぺろぺろしてくる。

大人の姿で舐められるのはちょっとはずかしいぞ。


姫さまは僕の背中にぴったりと張り付いたままだ。


「ビーストジャベリン」を回収し「ザ・シード」に変化させた。


さきほどの轟音に驚いて座り込んでいた騎士が立ち上がり、周囲を警戒する。


---


魔素プールからすこし離れた場所にうごめく影があった。


「よくもやってくれたなバケモノが!今のは時間稼ぎに過ぎない!これからが本番だ!」


「来たれ!ハイブリッドゴーレム!」


魔素プールの縁が盛り上がり、鉄のよろいをまとった身の丈10メートルほどもある大型のゴーレムが姿を現す。


ゴーレムの頭部には水槽のようなものが埋め込まれ、中にはぼんやりと光る緑色の液体が満たされている。


地精霊が叫んだ!


「勇者さん!あの中に精霊が!」


水槽の中でゆらりと何かが動く。


「コロス…メイレイ…コロス…メイレイ…」


頭の中に響く不快な声。それに呼応するようにゴーレムが動き出した。

ゴーレムの胸に埋め込まれたクリスタルが輝きを増す。


うごめく影が何かを言っている。


「魔素プールからくみ上げた瘴気の力と精霊の力、無尽蔵の魔力で動くハイブリッドゴーレムがあれば世界などたやすく救える。まずは勇者バケモノを倒し、その力をみせつけようではないか!」


ゴーレムはこちらに手のひらを向けると大型のファイヤボールを打ち出してきた。


周囲は昼間のように明るくなり、暴力的な火力が僕を襲う!

巨大ゴーレムには精霊が閉じ込められている。

うかつに攻撃をすれば精霊の命が危ない。

勇者のピンチに駆けつけた正義の味方とは!

次回「戦え!ぼくらの赤竜王!」(仮題)

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