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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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惚れた弱みについて考える勇者

「勇者さま、お疲れ様です!」


第四日の出荘で軽食を取ってお屋敷に戻るとローティーン組を除いて全員起きて僕を待っていてくれた。


既にお風呂も済ませているというので僕とシロさん、どりあーどさんは早速入浴に。


今日の話は境界の地でじっくりとすることにしており、姫さま達はリビングで僕たちがお風呂から戻るのを待つことにしたようだ。


今日の捕り物の様子は中継こそしなかったが王族チャンネルだけに流しており、各国からは自国内に同様の組織が無いか確認をするといったメッセージが寄せられている。


特にグランディオーラではフーリー大臣が率先して借金奴隷を集めていたこともあって今回の騒動は注目している様子。


納税代わりの出稼ぎ労働と違い、全く関係のない第三者が搾取するだけの違法借金奴隷は国の税収にも大きな影響を及ぼす。


多額の現金の流動先もこれから解明することになっており、おそらくは大教会の活動資金の一部として使われているのではという推測を。


その活動資金でならず者を雇い、けがれなき力を持つ子供たちを集めているとしたら資金源を断つことでダメージを与えられるのではという期待もしている。


「サブロー!風呂上りに一杯飲ませるにゃ!」


姫さま達を待たせるわけにはいかないのだが、シロさんが風呂上りにビールを飲みたいと先程から駄々をこねている。


「今日は我慢してください。明日二倍飲むのを認めますから」


本日分の缶ビールはお屋敷に搬送済みで鍵のかかる冷蔵保管箱に収められている。


何なら明日の晩は王城に出向いてビアサーバーを解放しても良いですが。


お酒のことになると本当に人が変わるというか…僕はどうしてこの人を好きになったんだろう。


昔のお嬢様をかぶっていたころのシロさんが懐かしく思えてしまう。


「どりあーどはおいしいお水を飲みたい」


ここにものんべいが。ミネラル水のほうですけれど。


どりあーどさんは特に制限を掛ける必要も無いのでウォーターサーバーでもペットボトルでもお好きに飲んでいただければと思うのですが。


最近は炭酸水も気に入っている様子でお酒を割るソーダ水も好物の一つらしい。


彼女の一番の好物は僕の魔力。こうしてお風呂に入っている間も魔蔦を延ばして吸われているのですが。


「とりあえず出ますか…」


姫さま達を待たせているというのもあるが、今日は何故か長湯をする気にはなれない。


救出されたもふもふさまたちの事が頭から離れないのだ。


村から借金のカタに連れ出された彼女達の心境を考えるとのんびりお湯につかっていられず。


「サブロー、ちょっと考えすぎにゃ。ひとまず助け出せたことを前向きにとらえるにゃ」


座ってシャワーを浴びていた僕の背中にシロさんが抱き着いてきた。


「どりあーどもだきつく」


なんかやわい物体に挟まれていますが…。ああ、こういうところが好きになった理由ですかね。


明日のもふもふさまたちの事情聴取には顔を出して何か良い案があれば実行に移そうと思う。


---


「まぁ、そんなことがありまして」


「小僧、いつもその流れじゃな。説明をはしょりすぎだぞ」


既に昨日となってしまったが大トリ物と違法借金奴隷の救出に関して十六夜さんに報告をしているところだ。


今日のおぱんてぃらさまのプリントははとある巨大な塔に囚われた女性を助けに行くアクションRPGのロゴである。


足の速くなる靴や壁をぶち抜くアイテム類を駆使し、最上階を目指すものだったか。


あえて有利になるアイテムを取らずに縛りプレイをする猛者もいたようですが。


もしかしたら大教会本部もこんな塔に作られていたりして…実物は見たことが無いので分かりませんが。


「益田。そのまま仰向けになって待っていろ」


社長の声がするけれど…。


十六夜さんが僕の顔の上から移動するとあらたなおぱんてぃらさまが目の前に。


水色のしましまですね。アリスちゃん、無理しなくてもいいのにと何度も言っているのですが。


境界の地ログインボーナスはおぱんてぃらさま2枚を拝むことになったらしい。


姫さまとかチャレンジャーで参戦してこないですよね。


人前でふとももを晒すのはとても恥ずかしいとおっしゃっていたような記憶があるので。


---


そんなわけで昨日の捕り物の様子を姫さま達、そして社長を含めた地球組にもダイジェスト版でお伝えすることになった。


今回は暴力沙汰もなく、粛々と捜索が行われたので特にカットされるシーンも無く。


一応全年齢対応と言ったところか。あくまでもこちらの世界基準に照らし合わせてですが。


うちの妹さまにはちょっとバイオレンスかな?と思ったのですが。


本日は妹さまは不参加となっている。日中に境界の地の滞在時間を使い切ったらしく。


何をしていたのかは不明だ。ここで出来るアクティビティはそれこそ無限にありますし。


「益田よ、例の神社のあっぷでーとが終わっておるが…」


実家の近所にあるツクヨミ神社のスキャンが終わったらしい。妹さまは日中にデータの反映をひなちゃんと一緒にやっていたと。


そういえばひなちゃんの姿もなかったですね。


後でちょっとだけ見にいくことに。


「益田よ、捕えられた者たちはいったいどんな罰を受けるのだ?」


「一般的に重罪となると迷宮内で肉壁(ミートシールド)ですかね…」


罪の重さに準じて金銭で支払うか自身が犯罪奴隷として鉱山など危険な場所で働くか、あるいは駆け出しの魔導士の盾となって迷宮をさまようか。


今回のような重犯罪は有無を言わさず肉壁の刑となるだろう。


冒険者はその身分をはく奪され、数年の欠格期間を経て最下級からの再スタート。


救済措置は一度のみ。次に犯罪に手を染めれば二度と冒険者にはなれず、それこそ薬草を摘んで日銭を稼ぐくらいしか生き残る道は残されていない。


汝奪うなかれという女神の教えは重罪人の命も含まれており、この世界に死刑制度は無いが、実質肉壁が死刑宣告のようなものに。


犯罪奴隷に用いられる魔導具は装着者の精神を縛り、生きていることを後悔するレベルで抑圧されるのだとか。


今回の違法借金奴隷事件に関与した人物の殆どが当てはまるだろう。


もしかしたら前科持ちもいるかもしれないが。

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