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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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悪事に加担する冒険者の心情と勇者

10/24の2回目の投稿となります。

前話を読まれていない方は「前へ」をクリック!

昔こんなゲームがあったよなぁ…という感じでハンスの背後にぴったりとつけたドローンの映像を監視する僕。


人気ゲームを疑似3Dにしてがに股で歩く主人公を操って墓場を荒し、呪いを受けたりする内容だったような気がする。


道中ボスを倒すためのアイテムを取り忘れても力技で倒せてしまうというなんともなゲームだった。


あえてアイテムを取らずに縛りプレイをするのもよし。


ゲームの報酬は実写ムービーだったような…。随分とお年を召した王女様を救ってエンディングを迎え、なんとも不完全燃焼で終わったような記憶が。


当のハンスは途中現れるほぼごぶりんをひたすら避けまくり、迷宮の奥深くへと足を進める。


あの重い背嚢を背負ってあれだけ動けるのであれば相当な熟練者だと思うのだが、どうして悪の手先などをしているのだろう。


その辺の背景も探る必要があるが今は「荷物」の配達状況を探るのが先だ。


---


ハンスが到着したのはなんとなく見覚えのある場所。


僕が荷受けに向かった袋小路の近くで、おそらくは何もうまみのない場所ゆえ、こういった闇取引はうってつけの場所なのだろう。


南の平原迷宮は20キロメートル四方と非常に広く、どうしても死角となる場所が発生する。


ギルド職員による巡回も行われてはいるが、主に冒険者が利用する正規ルートが監視のメインであり、ルートを外れた僻地には誰も足を運ぼうとしない。


ハンスは行き止まりとなった袋小路の一番奥に背嚢を慎重に降ろすと周囲を確認してその場から離れた。


おそらくはこの「荷物」を取りに来る冒険者がいると思われるので定点カメラと新たにドローンを配置して見張ることにした。


当然だがハンスの後は引き続き追うことに。


---


帰り道は行きと違って魔獣をいくつか倒したハンス。


おそらくは偽装工作の一環だろう。


迷宮に入ったのに手ぶらで出てくるのもおかしな話。ここは初心者迷宮のため、よほどのことがない限り魔獣を倒せないということは無い。


この前の変異種や黒い魔獣は別として…あれも結局原因が分からず引き続き調査を行っているところですが。


一体どこから転送されて来たのかその現場を押さえない事には解明のしようがなく。


定点カメラに転送の瞬間が映っていたのでその時間帯の空間のひずみなどを計測したがこれといった成果は得られなかった。


いつだったかテスラの領地にある管理迷宮に大量のりざーどまーんが転送されてきたらしく、精霊女王が逃げ帰ってきたことがあったがあれと似たような現象が起こっているのかもしれない。


ハンスは数体のほぼごぶりんを倒し、戦利品をバッグに入れると迷宮の出口方向へと移動を始めた。


---


迷宮の滞在時間は半ニール、1時間ほど。


迷宮を出たハンスは行きと同じように辻馬車を拾って王都へと戻り、そのままマレンド商会へと戻った。


戦利品は迷宮を出た際に出張所で清算したと思われ、王都内の冒険者ギルドには行かない様子。


『ボス、荷物を届けました』


『ご苦労だった。支払いはいつもの通りに』


ハンスはボスと呼ばれる人物に荷物の配送を終えたことを伝えると、むさくるしい男たちがたむろする場所へと戻って行った。


ここのメンツ、どうやらカード賭博をしているようで、席に着いたハンスは早速ゲームにまざる。


ハンスの追跡はここで切り上げ、賭博をやっている連中は定点カメラで観察をすることに。


そして先程ボスと呼ばれた男は商会の二階へと上がり、先程の会長室へ。


---


『会長、荷物は指示のあった場所に届けさせました』


『わかった。いつものように村を回り、荷物の補充を』


『王都近郊の村で金策に苦労しているところは大体回り終わりましたが…』


『ならばさらに足をのばし、遠くの村から仕入れればよい。もうけは出ているから荷馬車を増やしてでもやれ』


『わかりました。手下に軍資金を持たせ、村を巡回させます』


マレンド商会について何もわかっていないのだが、金貸しと人さらいで収入を得ているのはなんとなく掴めた。


おそらくはこのような商会のふりをした非人道的組織がいくつも存在すると思われるのだが、どうやって商業ギルドの査察をごまかしているのか謎だ。


商会には税を納め、経営状況を商業ギルドへ報告する義務がある。


年に数度は商会に商業ギルド職員が訪れ、提出された収支報告と実態が伴っているかの査察を行うのだという。


税の納付が滞っている店にも直接赴くようで、なんというか税務署の職員みたいだなという感想。


ボスと呼ばれていた男は会長室を出ると、1階にたむろしているむさくるしい一団の元へ向かった。


---


『お前ら、仕入れの支度だ。今回は長丁場になるから食糧の買い出しは多めに』


賭博をやっていた連中は手を止めてボスのほうを見ている。


既に恒例行事なのか何の指示もなくともむさくるしい連中がてきぱきと動き始めた。


そんな連携が出来るのにどうして悪事に加担を…とこれも何度目だ。


ちなみに冒険者ギルド長は今日にでも王都に戻るという返事が返ってきたのでこの後で迎えに行く予定だ。


護衛はイツメンのシロさんとどりあーどさんで良いだろうか。


ちなみに王都と大森林の間には日に3回ほどの定期あひるちゃん便が出ているがギルド長はそれも待っていられないというので。


あれからいったい何回往復しているんだろうか。


アヒルちゃんは交代で任務をこなし、この仕事も何故か人気が高いのですが。


一番人気はファンタジー世界での劣獣狩り、次がタングラート城での警備と大森林往復便。


他にもアヒルちゃんにはこまごまとした護衛や手伝いを割り振っていて、双子が完全にタスクを掌握しているので安心して任せている。


ひとまず先程の荷物の荷受けを確認してから大森林へと向かうことにした。

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