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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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違法借金奴隷の売り手を追跡する勇者

こちらは10/23投稿分です。

本日分は19時過ぎの投稿となります。

マッチング業者は売りも買いも同じ窓口らしく、ついこの前訪れた薄暗い路地裏の突き当りの窓口で取引を持ち掛けている中年の男の姿が。


合言葉は「物を売りたい」らしく、すこし巻き戻したドローン映像で確認を行い、割符らしきものとメモ書きを小窓越しに受け渡す様子が映っていた。


そのままやり取りを見ていると窓口から革袋とメモ書きが差し出され、それを中年の男が受け取る。


おそらくはあれが買い取りの前金なのだろうか。


中年の男は革袋をそのまま懐に忍ばせると足早に路地を駆けていった。


「ひとまずマーカーをつけてドローンで後を追いますか」


男の手に渡った革袋には僕が支払った大金貨が入っている様子は無い。


もしかすると仕入れと買い取りは別の資金なのかもしれないが。


ひとまずバイオレンスな展開は無さそうなので引き続き姫さま達に見張りを任せることにした。


---


『会長、売りの算段をつけてきました。こちらが前金です。出荷はいつも通り』


『分かった。売り物は鮮度が落ちぬよう気を配れ』


取引を持ち掛けた中年の男を追跡したところ、王都内にある何の変哲もない商会の一つに入って行き、商会の2階へと昇って豪華な扉のある部屋へと入り会長と呼ばれる初老の男に報告を行った。


別のドローンで入り口付近を確認したところ商会の名前はマレンド商会というらしく、この初老の男がマレンドなのだろうか?


商会の名前は大体が代表者の名を取るしくみらしいので。


中年の男は報告を終えると階下へと移動。店内にたむろしていたむさくるしい数人の男に声を掛けた。


『例のブツを運ぶ。ハンス、今回はお前に任せる。いつもの場所へ置いてこい』


『了解ですボス』


ハンスと呼ばれたむさくるしい男は手にしていたカードらしきものをテーブルに置くと店の奥へと移動。


そこにはお決まりの地下室への入り口が鎮座しており、扉が開かないように差し込まれた閂を外すと下へと降りていく。


ドローンはハンスの背後を追従し、そのまま地下室へ移動を。


ちなみに僕だけライブ配信を見ており、姫さま達には10秒遅れのAI判定済み映像を見てもらっている。


この先、配信できないような状況にならなければ良いのですが。


---


地下室の間取りはどの商店でも似たり寄ったりな縦横20m、高さ3mほどの空間が広がっており、まっどほっぐなどを獲るのに使う金属製の檻が5つほど並んでいる。


うち3つに人影があり、ハンスは人の入った檻の一つへと近づいた。


檻の中には子供に見えるもふもふな女性が閉じ込められ、今回のターゲットは彼女らしい。


ハンスは自分の鼻と口を布で覆うと地下室にあった物入れから何かを取り出す。


魔獣を眠らせるのに使う催眠香と思われる物体は30センチほどの筒形で、ハンスは檻の中の少女に筒先を向け、後ろから伸びた紐を引く。


筒先から体に悪そうなピンク色の粉が巻かれ、それを吸い込んだ少女は一瞬で床に崩れ落ちた。


ハンスは一度地下室から出るようだ。


おそらく飛び散った粉が換気口から外へ吸い出されるのを待つのだろう。


地下室には通気性を保つための魔導具が使われていることが多く、この地下室にも換気扇の役を果たす魔導具があるようで飛び散ったピンク色の粉が壁の穴に吸い込まれる様子が映し出された。


---


粉の威力は相当なもののようで両隣の檻に入れられていた女性二人も意識を飛ばしたらしく、床に突っ伏すようにして倒れている。


あんな危険なものを何度も浴びていたら命にかかわると思われ、一刻も早く救出しなくては。


ガサ入れは早い方が良いだろうが、取引先の全貌をどう明らかにするのかまだ決め手がない状態。


決め手となりそうなのが割符を照合するための台帳だが、直接見たわけでは無いので何が書かれているのか押収しないと何とも言えない。


しばらくしてからハンスが戻ってきた。


手にはすっかりおなじみとなった巨大な背嚢が。


ハンスが檻の一つを空けて少女に目隠しとさるぐつわをかませ、背嚢の中に押し込めると蓋をして四隅に釘を打ち付けた。


背嚢を担いだハンスが地下室を出ていくところをドローンが追う。


おそらくは南の平原迷宮へと向かうのだろう。


---


せっかく作った迷宮が犯罪の取引現場になっていたとは気付かず、難易度を上げるための迷路が目隠しに使われるとは…。


辻馬車を拾ったハンスは30分ほどを掛けて南の平原迷宮へとたどり着き、入坑手続きを行っている様子。


いつ身に着けたのか左の腰に刃物をぶらさげ、いかにも冒険者と言ったいでだちになっている。


売り手は冒険者を自前で用意するんだなと変なところに気が付いた。


ある程度内情を知っている人間でないと務まらないという話もあるが。


なんというか冒険者証をぶら下げた犯罪者がこんなにも多いとは思わなかった。


まじめに魔獣を討伐して日銭を稼ぐより悪事に加担したほうが実入りが良いのだろうか。


この様子は冒険者ギルド長にも報告をすることになっている。


ギルド長は多分箱の監視を中断して戻ってくると思うんですが。


ハンスの足取りはドローンによる追跡と迷宮内の定点カメラの2つで追うことに。

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