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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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増えすぎた魔力の使い道と自身の寿命について考える勇者

「髪が金色というか黄色っぽくなってるけど落ちるのかなこれ…」


ナビゲーションピクシーさん、カレーのルーにダイブしたせいで全身カレーまみれとなってしまい、お夕食もそこそこに露天風呂へと繰り出したのだが、良い感じにカレー色に染まった彼女をどうしようかと悩んでいる。


境界の地の出来事は現実世界へと影響を及ぼし、おそらくはリアルのナビゲーションピクシーさんもカレーっぽい感じになっているはずだ。


こころなしか体の色も褐色になっており、なんとなくだが砂漠の民をほうふつとさせる風貌になっているような。


2Pカラーとでもいえば良いのか。


本人は鏡の前でポーズを決めたりしているので特に気にしている様子が無いのが救いと言えばそれまでですけれど。


「あれ、この鏡っていつから広告入るようになったんだ?」


シャワーが設置された場所に並ぶ鏡には今まで無かった一行広告が。


「どこのお店なのかさっぱりわからない…何て読むんだ?」


おそらくは店の名前なのか企業名なのかは謎だが古代文字に似た文字列が並び、その隣に16桁くらいの番号が振られている。


おそらく電話番号かな?と思うのですが数字として読み取れないんですよね。


「旅館の温泉というより銭湯みたいな感じになっているのは何故?」


これも存在Nによる干渉なのだろうか?


ナビゲーションピクシーさんは自然に色が抜けるのを待つことにして、今日お見えになられた炭の村のパトラさんのお相手をしないと。


---


「古傷でございますか?幼いころに怪我をして膝に跡がすこしばかり…」


膝を見せてもらったところ、長さ10センチほどのミミズ腫れのような跡が残っていた。


「パトラさん、この傷も含めて細かい皮膚の炎症なんかもきれいさっぱり治るとしたらやってみたいですか?」


まずはご本人の同意を得ないとならない。


「もし治るのでしたら…古傷の治療には多額の費用が掛かると…」


いつだったか相場を聞いたのだが大体数センチの古傷を直すのに金貨50枚ほどが相場らしく。


というのも治せるのが古代遺物を使う以外に方法が無く、その古代遺物も相当に価値があるもののようで。


一度使うと半年くらいは使用が出来なくなり、その分費用もお高くなっているのだと聞いた。


「実はたまりにたまった魔力を消費するすべが無くて、むしろお金を払って治療をさせてほしいかなという感じなので」


僕の魔力は際限なく増え続けている。


姫さまの三色精霊から受取っていた魔力が誤差に思えるほどの魔力が毎秒生成され、大気中に放出しているのだがそれでも追いつかない。


魔力を糧とするどりあーどさんたちに吸い出してもらっても焼け石に水と言った感じなのだ。


それというのも僕が内包する精霊女王の分身であるリトルマイアさん、そして闇の精霊ミセーレの格が上がったせいだと思うのですが。


本人たちにはそういった自覚が無く、生成量を減らしてとお願いしてもどうやら無理っぽいので。


姫さまも三色精霊の生み出す魔力の消費先が無い状態で今はチョーカーにつけた精霊石が過剰分を吸い取っている形となっている。


ちなみに吸い込んだ魔力がどこに行くのかは分かっていない。


たぶん安全に処理されているとは思うのですが、僕のように迂闊に魔力を放出してしまうと生態系が破壊されるレベルで大気中の魔素濃度が上がってしまいますし。


まぁ、古傷の治療に使う魔力も本当に微々たるものなのだが、使わないよりましかな程度に。


「サブローよ、わしにやらせてくれ」


ユークレスさんがサポート用のヒールリングなしで挑むらしい。以前は16連のヒールリングを両手両足に装着してどこのF1エンジンか!と思ったこともありましたが。


---


「ユークレスさん、雑念は捨ててください」


「わかっておる。わかっておるが…」


僕も完全に雑念を祓えるわけではない。


お狐様のおしっぽさまが目の前に合ったら平常心など保つのが無理だと思うのですが。


そういえば双子が新しく始めたソシャゲにどストライクなお狐さまキャラがいて、僕も課金してガチャ回そうかなと思ったくらいでしたが双子のプレイを眺めるだけで我慢することに。


しかし双子はどうしてすり抜け無しでピックアップを引けるのか謎で仕方ないんですが。


豊富な資金力を生かして完凸を目指すのかと思いきや配布の石プラス微課金で精々1凸くらいなんですよね。


月に5千円の枠は守っているらしく。何故かは謎ですが。


まぁ、僕の場合はガチャを引かなくともリアルでお狐様やねこみみさまに触れあえる環境に居るのでゲームに浮気はいかんと思うのですよ。


「サブロー、何をぼーっとしておる。もう終わったぞ」


パトラさんからちょっとだけ魂が抜けている。大丈夫か?


「パトラさん、今日の治療は終わりましたよ」


…返事がない。これは別室で安静にしてもらうパターンか。


魔力の痕跡をたどると一部で制御が甘かった部分が見つかった。


もう人間をやめているのでそういった事も自然に見えてしまうという…。


地球に帰ったら普通の人間に戻れるのか、そもそも元通りの生活が出来るのかすら怪しいのですが。


僕からはもう寿命という概念は消えていると精霊女王からこわい事を言われてますので。


僕一人だけ違う時間軸を生きていけるほどメンタル強くないですし…。

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