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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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一人利きカレー大会を実施する勇者

「びゅっふぇでございますか?」


「七夜さん覚えてます?僕と多分最初に会った時に利用した飲食スペースですが」


ななや旅館に着いて早速ビュッフェの支度をするために七夜さんに話を持ち掛けると、思い出してくれたようだ。


まだこの境界の地が十六夜さんの場所と統合される前、どういういきさつかはわからないが七夜さんの領域へと飛ばされたことがあった。


その時の七夜さんは何故かどりあーどさんの姿をそのまま模していたが、今は精霊族に近い姿をしている。


着物を押し上げるご立派はどりあーどさんの設定を引き継いだのか大変なことになっていますけれど。


「それじゃあ、みんなは大広間ですこし寛いでいてください」


和室にビュッフェを展開するのはどうかと思い、旅館の中にある板張りの大部屋をビュッフェ用に一時改造することにした。


たしか前回もあそこを利用したと思うのですが。


---


さいせいくんRXでバックヤードシステムにアクセスし、必要な什器をさくさくと並べていく。


「カレーは10種類くらい出しておくか…」


今夜はカレーの気分なのだ。何故かはわからないが。


ライスリッチフィールドにカレーライスは存在しない。サンダッティアは香辛料が豊富なのでもしやと思ったがカレーに必要なターメリックのようなものは存在しなかった。


口に入れる手段としてはバイオプラントのお弁当として生産するか、境界の地およびDSOVRに赴くほかはない。


バイオプラントのカレーはノーマルとハンバーグカレー、それも甘口となっている。


間違ってお子様達が辛口を食べないようにという配慮をしているが、小ロットで激辛を発注し、お子様の手の届かない場所にストックしていたがいつのまにか無くなっていた。


カレーに興味を示すのは精霊女王くらいだと思うのですが…。


バイオプラントの生産はひと段落しており、キューを入れれば次の日にお届けされるので困ってはいない。


そういえばジンギスカン弁当も食べてないのですが、あれは何故か誰も手を付けようとせず。


この前境界の地で少量振舞ったジンギスカンは独特の香りと脂があまり受け入れられず。


姫さまは少量なら大丈夫と言ってましたが、無理強いするのはどうかと思ってあれはしばらく封印することに。


今日のビュッフェにも出さないようにしている。


「カレーマシマシエリアはちょっと離れた場所にしようかな…」


多分僕だけが利用することになると思われるので邪魔にならないよう動線から外しておく。


どのみち別皿で取りに行く必要があるので。


ちなみにビュッフェの食材はオート補充されるのでローストビーフだけ完売するようなことは無い。


「あとはデザートエリアを…」


ディップアイスとソフトクリームベンダーも用意。パンケーキのオートディスペンサーも。


フルーツやジャムと合わせれば最強の布陣が組めるだろう。


そしてここにもあったイチゴまみれシリーズ。


ソフトクリームにいちごの果肉が混ざっているのはあまり見たことが無いんですが。


「とりあえずみなさんをお呼びしますか」


多分ホテルで食べられるであろう食材は網羅したと思うので姫さま達を呼びに行こうと思ったら既に入口で待機を。


---


「おかわりは自由ですので最初からたくさん取らなくても大丈夫ですよ」


9つに分離されたランチプレートへみなさんが思い思いに料理を乗せていく。


生野菜を取る人が少ない。なんというか肉中心ですね。


ルティ、唐揚げのタワーを作るのはどうかと思うよ。そういえばうちで唐揚げって出ないんですよね。


鳥肉は香草蒸し焼きが殆どで。


あれもバイオプラントの唐揚げ弁当を頼まないと口に入らないですし。


ビュッフェ形式は前にもやったことがあったかな。うちの子達はひめゆぶで知識を得ているので問題なく利用できているようだが新規参加者が戸惑っているようなので干物精霊達がサポートに回っている。


---


「勇者さま、どうしてカレーばかりを?」


「利きカレーをしようと思いまして」


お行儀の悪い事をしている自覚はあるのだが10種の異なるカレーを白米だけを盛り付けたプレートに掛けて持ってきたのだ。


1か所は味が混ざっているが仕方ない。


「先輩、そんなにカレー好きだったんですか?」


対面に座ったひなちゃんが何か不思議なものを見るような目でプレートを凝視。


「たまには変わったことをしようかなと。ここなら他の利用者もいないし」


もちろん後からおにくさまも取りに行く予定だ。


「うわ。いきなり大辛を引いた!」


見るからにやばそうな赤っぽいカレーは間違いなく激辛だった。これだと他のカレーの味が分からなくなりそうだけど大丈夫かな。


「かれーにもいろいろな種類があるんですね!ばいおぷらんとでも再現できるのでしょうか?か…からいです!」


隣に座った姫さまがグリーンカレーに興味があるらしいのでルーをちょっとだけ舐めさせたのだが辛かったようで。


ちなみにビープ、ポーク、チキン、シーフード、野菜といった普通のカレーにさっきの激辛やグリーン、キーマといった辛い系が続く。


後は聞いたこともないものでもしかするとこの食材を提供しているシステムがどこからかレシピを勝手に引っ張ってきたのかもしれない。


「ほう。カレーか。エイトの母君が作られたカレーが恋しいのう」


精霊女王、うちに泊まりに来てカレー3杯おかわりしたんだっけ?唐突に記憶がよみがえって来たあ。


おうちカレーも良いものですね。バイオプラントにカレールーだけ作らせて今度食材を集めてカレーバーティを開いても良いかもしれない。


40人分の寸胴を用意するところから始めないとならないですが。スープ用の寸胴をカレーに使うと匂いが付きそうなので。


「どりあーどさん、お水だけで良いんですか?」


彼女の前にはミネラル水やソーダ水といった水ばかりがならんている。


「ここのお水おいしい。しゅわしゅわして楽しい」


そういえばお屋敷に置いた自販機の炭酸飲料、炭酸水だけって確かなかったような。


ラインナップを増やしておくか…。のんべいの方々に炭酸割とかに使われそうな気がして仕方ないですが。


「あー…カレーまみれに…」


ナビゲーションピクシーさんがカレー色に染まっている。色落ちるよね?

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