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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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村長という立場の人間について考える勇者

「そういえば名前を聞いてなかった」


偽の奴隷証文にはパトラと書かれていたが。


「炭の村出身、パトラと申します。なんでもいうことを聞きます。どうかお傍に…」


炭の村ってまた変わった名前の村から…。


予想としては炭が特産なんだろうけれど、特産品が名前ならどこにでもありそうな名前の村だよな。


そして勘違いはされたまま。なんというかもうここで働くことが決定されているような。


「村に帰っても居場所はありません。本当になんでもします。よろしくお願いします!」


どうしよう…。正式な奴隷証文は無いので出来れば村へと思ったがなにやら訳アリっぽいですし。


日の出荘でお預かりしている皆さんも無理やり借金のカタとして王都へ送られて来た人ばかりですし。


「どうしてサブローばかりもてるのだ!」と先ほどまで熱心に看病という名のお触りをしていたユークレスさんがお怒りである。


お触りついでにヒールをしていたと思うのですが。でなければこんなに早く目覚めることは無かったと思いますので。


「パトラさん。すこし落ち着いてください。無理やり村に返すようなことはしませんので。あとむやみになんでもしますというのはどうかと…」


「村から出される時、奴隷は黙って主人の言うことを聞いていれば酷い事をされずに済むと言われて…」


ちなみに借金のカタとして彼女を追い出した村長がそう言ったのだとか。


とんでもない村だよな。というか村長という肩書のある人間でまともなひとを殆ど見たことが無いんですよね。


例外はアイリスの村くらいか…。久しく顔を出していないのでアイリスとリーナをつれて遊びに行っても良いかな。


浄化した野良迷宮のその後も気になりますので。


どうしてあそこにサンダッティアに伝わる散逸国宝が眠っていたのかが謎なんですが。


「まずはお風呂に入ってもらって…」


頬を赤らめるパトラさん。絶対違う意味に捉えたよな。


というか何歳なんだ?この反応からすると成人しているのは間違いないと思うのだが、見た目が割と幼いんですよね。


何度も言うがこの世界の人は見た目と年齢が剥離しすぎていて謎。ユークレスさんなんて見た目女子中学生なのにおばあさまと呼ばれる年齢らしい。


なんなら僕もここに来てから明らかに若返ってますし。


ちなみに年齢の事を口にするとシロさんが何故かダメージを受けるのですが。同い年っぽいんですよね。


ぶかぶかした麻のワンピはいろいろと目の毒なので体を清めてもらってうちのお仕着せに変えてもらうことに。


その辺りは派遣メイドさんにおまかせを。


---


本日の御夕飯はおにく中心となっている。


マッスルキングさんだけ4人前くらいありそうな肉の塊が載っていますけれど。


僕のところは3人前くらいですかね。


今日保護したパトラさんはこの雰囲気の中で食事をするのは無理と判断し、ゲストルームで軽い食事を取ってもらうことにした。


「勇者さま、パトラさんの歓迎会は行わないのですか?」


「正式にお迎えすると決まったわけではないですし、これから炭の村?でしたっけ。そこの調査を行ってパトラさんが何故放逐されたのかを調べてからでも…」


いつもなら姫さまが反対されるのですが、何故か最近は家族が増えることに関して逆に乗り気なのでその心境の変化がわからないのですが。


「光のサブロー教の信者が増えることはとても望ましい事なので!」


信者獲得が目的だったのか?うちでは家族全員が光のサブロー教に入信しており、僕を通じて光の女神に祈りをささげるのが日課となっている。


まぁ、光の女神様と同じ魔力紋を持つ僕だからこそという話もあるんですが。


ちなみに王族は特定の祈りの形をもってはならないとされているが、全員ずぶずぶだし、何なら他国の王族もみな光のサブロー教に属している。


それというのも正式な宗教団体として登録はされておらず、いうなれば同好会のような存在なのでかろうじて許されるのかもしれない。


同好会の割に会員証まで準備されており、四葉のクローバーをかたどったピンズがその会員たる証となっている。


ピンズの在庫は数万ほどあると聞かされおり、そんなに信者を獲得する予定があるんだと驚きましたが。


ちなみにピンズはピンズメーカーと呼ばれる境界の地にあるプライズマシンで試作を行い、双子が量産装置を作ったようで。


うちに出入りしている派遣メイドさん、隠密メイドさんも信者だというのだから驚きだ。


ちなみに祈りの形は人それぞれ、複数の祈りの形を持つのも許されており宗派の争いは基本的には起こらない。


例外は大教会。あそこは内部でいくつもの派閥に分裂しており、主に武闘派と呼ばれる派閥が僕につっかかってくるのだ。


組織が大きいが故の弊害とでもいうのか、あそこだけは内部の小競り合いが激しいらしい。


多分協力して僕に襲い掛かってきたら太刀打ちできないんじゃと思うんですが、何故か個別に刺客を送り込んでくるんですよね。


そんなことを言ってるとまたゴーレムに襲われそうなので噂を立てるのはやめておこう。


「あれ、おにくさまが少なくなっている…」


「けふ…」


ナビゲーションピクシーが切り分けたおにくさまを抱きかかえるようにしてむさぼっていた。


油まみれになっているので後で綺麗に洗わないと。


しかし妖精が肉食ってどうなんだろう…もしかして妖精とは名ばかりで別の存在なのか?

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