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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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大昔の愚かな人体実験の結果と勇者

ひとまずの違法借金奴隷に関する打合せが終わり、マッスルキングさんとオパール王妃はこのままお屋敷にとどまって夕食を一緒にという話になった。


気が付けが外はすでに真っ暗で時間が経つのも忘れて話に没頭していたようだ。


マッチング業者や末端の違法借金奴隷業者に張り付けたドローンからは散発的に入る注文とそれを伝えに走るならずもの冒険者の姿が送られてくる。


僕の後にも1件注文が入ったようで、仕入れ先にメモをもって走る男の後を追わせると先程とは異なる仕入れ先に。


この店にも数人の違法借金奴隷が囚われており、何故か分からないが今まで確認できたのは全員女性、それももふもふさまの率が極端に高い。


ちなみにこの世界で獣人族は特に迫害を受けているわけではない。


中には半人前と揶揄する者もいるがごくわずか。人族至上主義という訳でもなさそうで。


大昔にこの地で行われた人化の腕輪を使った人と獣の交配という神をも恐れぬ所業。


明らかな優位性があったのは1世代のみでその後は普通の人族が生まれたり、獣の特徴をわずかに持った半獣人が生まれたりと。


過去の人類が犯した禁忌は魔導結界の中に広まる事となり、獣の特徴を持った人族がランダムに産まれるようになった。


身近な所ではアイリスの家族がそうだろうか。


アイリス自身には獣の特徴は無いが、妹のリーナは犬耳としっぽが生えている。


どちらが何か劣るかと言われればそのような事は無く。


ただ、獣の特徴を持つ人は若干ではあるが魔力の保有量が低い傾向があり、それが顕著に現れたのが大黒屋さん。


彼女は魔力を生み出す原始精霊の数が極端に少なかったようで、枯れ木の病とよばれるやせ細って徐々に命をむしばまれる大病を患っていた。


そこに大教会の魔力を吸い出すリングをつけられ、命の危険があったのだが僕がリミッターを無視して大量の魔力を浴びせ、全身の細胞を作り替えるくらいの勢いでもって結果的に完治に至った。


ちょっと魔力出しすぎとは思ったのですが、まさかタングラートの漁業にまで影響を与えることになるとは夢にも思わず。


「勇者さま、先程連れ帰られた方がもうすぐ目を覚ましそうです!」


例によって無資格の看護師二十名くらいに看病されている違法借金奴隷として買い取ってきた少女。


催眠香と呼ばれる危険性の高い魔獣討伐用の薬でもって眠らされていたので起きられるのはもうすこし後だと思ったのですが。


ユークレスさんが何かしていなければ良いのですが。


---


ミドリのときのように何事もなく目覚めていただけると助かるのですが。


何度も言うが女性の寝起きに立ち会って殴られたり蹴られたりは日常茶飯事ですので。


サフランのキックが一番印象に残ってますけれど。痛みは無かったが少女に足蹴にされるという未知の体験と言いますか。


高校生くらいでやられていたら何か違う性癖の一つも芽生えたのではという感じでしたが。


ちなみに今の性癖はだいたいシロさんによるところが大きいですかね。


けもみみへの異常な執着。これはユークレスさんの事を言えないくらいあるのですが、人前では決してバレないよう気を付けているのですが、この前双子がフルオープンにしましたので。


ちなみに偽の奴隷証文にはパトラと名前が書かれていた。これが本名なのかそれとも偽名なのかは謎ですけれど。


奴隷証文は調べるまでもなく偽物であるとマッスルキングさんが。


証文に必要な透かしが無いというので。


いつだったか勇者用武器選考会の通知もマッスルキングさんに見てもらったんですよね。


あれも蓋を開けたらひどいありさまで、ヒートアップした会場を収めるためにマッスルキングさんと立会までやりましたし。


奴隷証文は一応商業ギルドへは届け出をしないとならないのですが、捜査前に情報を公開して何か問題が起こらないかまずが商業ギルド長へと確認を取る必要がある。


「勇者さま、さぁこちらに」


姫さまが僕の背中を押してゲストルームへつっこもうとする。


その騒ぎのせいか、渦中の少女が「うーん…」と唸りながら体を起こした。


---


「落ち着いて聞いてください」


「は、はい!」


「あなたが眠っている間に安全な場所へ運び、保護をしました」


おそらく何故寝かされているのか分からないであろう狐耳の少女へ落ち着くように話しかける。


「保護…」


「あなたは違法な手段で借金奴隷にされ、売られたのですがその辺りは理解していますか?」


「違法?私は村の借金の肩代わりとして王都に連れてこられて、買い手が決まったからと言われて…あれ?何があったんだろう?」


「薬を使って眠らされていたのですが、記憶にありませんか?」


「思い出せません…」


トラウマトレーサーの出番かな?と思ったがもう少し話を聞くことにした。


「あ、申し遅れました。預言書の勇者、サブローと申します。ここは僕が間借りしているお屋敷の中で」


「勇者様!」


彼女は飛び起きるとベッドから飛び降りて何故か頭を下げている。


「普通にしていてください。まだ薬の効果が完全に消えてはいないですから」


「お、おそれおおいです!勇者様に買われるとわかっていたらもっとよい身なりにしてもらえれば」


彼女は質素な麻のワンピース一枚とかぼぱんというスタイル。


しかも僕に買われたと勘違いを。いや、買ったことは事実なんですが、あくまでも調査の一環としておとり捜査をおこなったまでで…。


これ、どうやって誤解を解いたら良いんだろう。

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