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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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違法借金奴隷の残金を払いに行く勇者

打合せは夕方からお屋敷の食堂で行うことになり、僕は今回購入した奴隷の代金を支払うため王都の路地裏にあるマッチング業者の元へと向かっている。


手付で半金、手元に来て問題が無ければ残りを支払うシステムとなっており、カルロスから巻き上げた割符を忘れずに持って現金の詰まった革袋をバッグに忍ばせている。


今回は50万 R(リーン)、大金貨で500枚というお値段になっている。


この大金がどのように分配され、どこに流れるのかは金貨一枚ごとにマーカーを付着させ、金の流れるルートを追えるようにしてある。


たぶん何処かで資金洗浄が行われるのでは?と思っていますが。


大金貨は上位の管理貴族の間での取引に使われるのが一般的らしく、商売で使うことはほぼ無いと言われているので洗浄するにも限界があると思われ、流れた先もおそらく後ろめたいことをしていると思われる。


ちなみに大金貨を指定してきたのはあちらからだ。


何かしらの思惑があるとは思うのですが…いっそのこと金貨すべてにカメラでも仕込んでおけばよかったと思うのですがあまり手を掛けると真贋判定で弾かれる可能性があるので自粛している。


---


昨日と同じ袋小路。日も差さないじめっとしたかび臭い独特の臭気が漂う場所。


「支払いに来た」


壁の小窓が開き、目つきの悪い男が覗き込む。


「割符と買ったものの証明を」


言われた通りに割符と商品(・・)についていたメモを差し出し、ややあってあちらから声がかかった。


「商品に問題なければ残金を。不服があれば理由を書いた紙を」


迷わず大金貨の詰まった袋を穴に押し込む。


「いま数えるからしばらく待て」


一度窓が閉められた。


小窓の向こうには複数の気配があり、おそらく金貨を数える為に控えているならず者だと思われる。


待ち時間の間に建物を迂回してさらにドローンを送り込み、このあたりに盗聴網を張り巡らせることに。


ここには十数人分の気配がありおそらくは全員が今回の騒動に加担している犯人グループと思われる。


ドローンからマーカーを投射して全員を追跡可能とし、普段のねぐらも確認するつもりだ。


しばらくしてから小窓が開き、先程渡した割符が出てきたので受け取る。


「念の為に卸先を聞いておこう」


「下級貴族から自由に使える手伝いが欲しいと注文があった。名は伏せさせてもらう」


「分かった。下級貴族なら問題は無い。ではこれで」


小窓がぴしゃりと閉められ、人の気配が遠ざかっていく。


おそらく今数えていた大金貨をここのボスに届けるのだろう。


ちなみに今のやり取りもドローンを使って王族チャンネルにブロードキャスト中。


まさか自分が人身売買のおとり捜査をやるなんて思いもしなかったのでちょっと緊張していたのだが、なんとかなった。


ちなみに僕自身の人相を相手に見せるわけにはいかないので双子に変装用の魔導具を作ってもらい、別人に扮している。


この辺のノウハウはいくつも見つかっている傀儡の指輪がベースとなっており、僕はどこにでもいる中年のおじさんAという風にしか見えないようだが自分で鏡を見ても分からないので謎だ。


指輪にはちょっとした弱点があって、戦闘に使用すると偽装が解けてしまう。


なのでエイトとして活動する際はあの息苦しいバケツヘルムが欠かせない。


少し離れた場所に待機してもらっていたシロさんとどりあーどさんと合流、お屋敷へもどることにした。


---


「お金は動かないようですね…」


前金として渡したもの、そして今回渡した残金は同じ場所にとどまり続けている。


もしかすると集金する日が決まっているのかもしれないですが。


お屋敷に戻ってきて早速追加で配置したドローンから届く映像を確認しているのだが、ちょっと見逃せないものが映っている。


「大教会の法衣にしか見えないですが…」


おそらくは親玉が使っていると思われる広い部屋の片隅に吊るされていたのは真っ白な法衣に派手な金色の刺繍が施された大教会特有のもの。


「婿殿、もしや裏に大教会が…」


「だとすると追跡は非常に困難になりますね…」


マッスルキングさんは王城に戻らず、僕の帰りを待っていてくれた。


そのまま今回の事件捜査に入るつもりだったようで、今日の公務は既に切り上げたと。


マッスルキングさんもリモート公務が出来るようにはしてあるのですが、ちまちまとキーボードを打つのが苦手なようでしてあまり活用されていない様子。


なんというかとても大柄な方なので普通のフルサイズキーボードがハーフサイズのキーボードにしか見えないんですよね。


マッスルキングさん用に大型のキーボードを開発するのも良いかもしれないが、後回しとさせてもらおう。


いつだったか東京に出かけた際に見かけた子供用の大型キーボードを思い出した。


キーボードの枠が緑色のワニになっている実用性とは程遠い物体で、出張中でなければ絶対買っていただろう。


見かけたのはそれきりでまさに一期一会な感じでしたが。


あとは400%マウスですか。あれも買っておけばよかった部門のベスト10に入りますね。


今は面白ガジェットの事を考えている暇はない。


ガジェットといえばメダルの反応が無いんですよね。大教会の手先は必ず持っているはずなのですが、もしかしてリングやメダルが感知されることが向こうにバレているのだろうか。


大教会の巫女はある程度の未来視ができるという話でしたので。


とりあえずここにガサ入れしても問題解決にはつながらないと感じたので、まずは大教会とのつながりを確認することにした。


なるべく早く被害者を救い出したいのですが…。

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