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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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マッスルキングさんと打ち合わせをする勇者

「ようやくヘルムを脱げる…」


冒険者ギルドへの依頼達成報告を終え、お屋敷に戻ってきたらもう15時過ぎ。


お昼を食べるのを忘れていたので軽食を摘まもうと思ったがその前にちょっと体を洗おうかと。


ヘルムの中が随分と蒸しましたし。


お屋敷のお風呂は温泉直結かけ流しとなっており、24時間いつでも入浴が可能だ。


掃除に関しては定期的に浴室外にあるメンテナンスボードへ魔力を流すことでクリーニングがされる。


これは派遣メイドさんたちの仕事であり、この魔力を注ぐためだけにお屋敷に来るメイドさんもいらっしゃるようで。


「姫さまちょっと汗を流してきます」


「ではお風呂上りに軽食を準備いたしますね!」


今日護衛として参加してくれたテスラとござる侍も一緒に入ることに。


移動中にいくつかメッセージが来ていたがお風呂上りにまとめて返信をすることにした。


今日の荷受けに関する質問が殆どのようですが。


一度ミーティングになりそうですね。


まさかライスリッチフィールドにこんな大掛かりな違法借金奴隷を扱う業者が、それも複数存在したとは。


この件はマッスルキングさんが率先して動くらしい。


今まで何故野放しにされていたのかそこから調べるというが…。


ちなみにマッチング業者も含めて関係先にはもれなくドローンを配置し、24時間監視を続けている。


僕ら以外にも借金奴隷の注文をしている顧客がいるようで、都度元受けと思われる人物が指示を出し、奴隷を運ばせているようだ。


まさか冒険者ギルドに奴隷の運搬依頼を出しているとは。


中身が人であると事前に知らされていなければ普通に背負っただけだと唯の箱が入った背嚢にしか見えないですし。


万が一背嚢を開けられても厳重に封をされた状態でそれ以上は見ようと思う人間もいないだろう。


未だ組織の名前すら掴めていないので引き続き監視の方は行う事にした。


あとは迷宮内にいた黒い魔獣も調べないと。


変異種とはまた異なる個体で複数個所で目撃されている様子。


普通の魔獣よりすこし手ごわい程度だが数がまとまれば十分に脅威となるだろう。


今日助けた3人グループも10体の魔獣に囲まれて苦戦していましたし。


まずは防犯カメラの映像を解析し黒い魔獣の発生状況を見させることにした。


---


「婿殿、荷受けの方はどうでしたか?」


お風呂から出るとマッスルキングさんがお屋敷に顔を出したところだった。


電話ではまどろっこしいのか直接話を聞きに来てくれたようで。


お忙しいのにまた仕事を増やしてしまって大変申し訳なく。


「初見で荷物の中身に気付ける人はまずいないと思われます。殆どの冒険者が騙されているかと」


もしかすると運搬を専属で行う仲間もいるかもしれない。


今取り調べを受けているアコーギ商会お抱えの冒険者は中身を知ったうえで配達業務をしていたのは分かっている。


ちなみにアコーギ商会へガサ入れを行ったようだが捕らえられている人物はいなかったとの事。


やはり地下に隔離施設を抱えており、数人を幽閉できるだけのキャパがあったようで。


ミドリはおそらく捕まったその日のうちに仲介業者へと売り飛ばされ、迷宮で受け渡しされる予定が先に迷宮のシステムによって回収されたようだ。


もしも迷宮がミドリを取り込んでいなかったら今回の件が明るみに出ることは無かったと思われ、偶然とはいえ早めに背嚢を取り込んだ迷宮グッジョブといった感じで。


その迷宮は僕らの制御から若干離れてしまった部分があり、それについても原因を調べなくてはならない。


南の平原迷宮には意思を持った管理システムは存在しておらず、何故あたかも地精霊が介在しているかのようにふるまうのか謎である。


魔獣を生み出すだけのMPT(モンスタープラントツリー)に何らかの意思が芽生えている可能性も捨てきれず、MPTも監視対象の一つとなっている。


一番わからないのが箱のドロップですが…。


南の平原迷宮と大森林洞窟だけが箱特需に湧いており、他の管理迷宮では特にそういった兆候はないらしい。


共通点と言えば僕が最近顔を出したというくらいしかなく、もしかして僕自身が箱ドロップのキーになっている可能性も。


今日出現した白箱も冒険者ギルドに預けてきましたが、開封は随分先になるとの事。


レア以下の箱鑑定は3か月先どころの話では無くなっているらしい。


冒険者ギルドでは地方から鑑定技能持ちの職員をさらに呼び寄せることにしたと聞いている。


鑑定技能は迷宮から回収された魔導具によって発現するスキルで、ギルド職員は全員この技能を身に着けることが義務付けられているという。


罠鑑定にはそれなりの習熟が必要との事で新たに人を雇ってスキルを生やしたところで即戦力にはならないらしい。


危険の有無だけなら魔導具による鑑別が可能だが、鑑定対象の詳細を知るには人の目に頼るしか方法が無いと。


双子のつくったみすかすえっくすであれば大量のドロップ品を一度に識別することも可能だが、冒険者ギルドのきまりとして人による鑑定が義務付けられているという話なので。


大昔に起こった事故が教訓とされており、僕もここに介入する気はない。


ルールを捻じ曲げたことで起こる惨劇の例は様々な講習で見てきましたので。


「エイトさま、今回の件はバラの騎士団を動かしてもらっても構いません。どうかお力添えを」


いつの間にかオパール王妃もお屋敷に顔を出されていた。


バラの騎士を動かすとなると騎士団長のマーガレットさんにも話を聞いてもらわないと。

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