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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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冒険者ギルドへ依頼完了報告を行う勇者

30分ほどの荷馬車の旅はサンドラさんと情報交換をしていたらあっという間に終わった。


王都の馬車寄(ターミナル)で解散となり、サンドラさん達はこれから冒険者ギルドへの報告と武具の修理に向かうという。


僕は先に荷物の配達をするという名目でここで彼女達とは解散となった。


まぁ、この先絡むことは無いと思われるのですがどうも僕にはこれだけでは終わらないという第六感めいたものに引っかかるのでとりあえず定宿だけ聞いておくことに。


「精霊のもてなし亭ですか…」


精霊女王の叔母が切り盛りする女性専用宿。


最近顔を出してなかったですね…。意外なつながりがあった。


もしかしてみっちゃんさんの導きなんでしょうか?わからないですが。


何故か名残惜しそうなサンドラさんに近いうちに精霊のもてなし亭に顔を出すと伝え、僕はとりあえず荷物の受け取りをもらうためにお屋敷へと戻ることにした。


---


「ナタリア、受取に署名を書いてもらってもいいかな?」


「はい、旦那様!」


メイド課長のナタリアに受取票を記入してもらい、配達業務は完了した。


僕がサインすると完全やらせになってしまいますので。


「とりあえず空いているゲストルームに荷物(・・)を運びますか…」


ちなみにまだバケツヘルムは被ったまま。


この後冒険者ギルドへ配達報告に行くので被りっぱなしとなっている。


「勇者さま、この中に借金奴隷の方が?」


「はい、みすかすえっくすとバイタル確認で人が入っていることは確定してますが、本当に借金奴隷かは証文と腕輪のつながりを確認しないとならないですね」


テスラが率先して荷物(・・)を運び、ゲストルームの一つへと移動。


背嚢を開くと中から大きな木箱が姿を現す。


蓋は釘で打ち付けられ、中から開かないよう厳重に封がされている。


一応呼吸できるような穴は開いているが、それにしても酷い事を。


いつだったか楽器ケースに収まってプライベートジェットで密出国した有名人を思い出す。


あれは自分の意志で入ったのだから自業自得と思うが、今回のこれは異なりますし。


インベントリからバールのようなものを取り出して蓋の釘を抜き、中を改めるともふもふさまが眠っていた。


魔獣を眠らせる催眠香の甘ったるい匂いがする。随分と手荒なことを。


あれは人に対して使うと副作用もあるという劇薬なので。


箱から引っ張り出すと粗末な麻っぽい茶色のワンピースを着せられたおきつねさまが。


「ひとまずベッドに寝かしましょう」


箱から出すのもテスラが率先して手伝ってくれた。


力仕事は自分の役目だといわんばかりなのだが…お屋敷内の腕力ナンバーワンは多分テスラだろう。


竜の血を引くという家系でもっとも色濃く先祖の血を受け継いだらしく、興奮すると竜のしっぽが生え、両手にはガントレットのようなうろこが出現。


おそらくは角を生やすことも出来るようだが、完全体はまだ見たことが無い。


いつだったかコーガのライジンさんとテスラが手合わせをした際に第二段階まで変身を。


お互いに魔力を出し合ったせいでお屋敷の庭先が大変なことになってライジンさんがめちゃくちゃ怒られていましたが。


「よし、もふもふっと看病をするぞ」


ユークレスさん、新たなもふもふさまの出現に一番乗りを果たした。


ちなみに箱の中には偽造されたと思われる借金奴隷の証文も入っており、これは後で商業ギルドへと届ける予定だ。


もちろん裏口からこっそりと入って誰にも知られないようにしますけれど。


まずは冒険者ギルドへの依頼完了報告を行うのが先なので僕だけで冒険者ギルドへ向かおうと思ったが、姫さまが護衛をつけてください!というのでテスラとござる侍に引き続き依頼をすることにした。


---


「エイトさま、荷受人からの完了報告を受取りました。これで依頼達成となります。お疲れ様でした。なにか気付いたことがありましたら報告をお願いいたします」


「迷宮内で黒い魔獣を見かけました。護衛に倒してもらいましたが普通の魔獣よりやや強かったような気がしたと。あとはこちらのショートソードを拾ったのですが…切れ味がちょっと良すぎてそのまま使っても良いのか判断が出来ず」


「黒い魔獣の件はいくつか報告が上がっております。冒険者ギルドから調査班を出しておりますので状況が分かるまでむやみに近づかないようお願いします。そちらのショートソードですか…特に鑑定の必要は無さそうですが。ご心配なようでしたら一時お預かりをいたしますけれど」


「一度確認をお願いします。万が一魔導武器だった場合届け出が必要になりますよね?」


「はい。ただ、ドロップする武具で鑑定が必要なものは明らかな印がついているのですが、これにはそういったものがありませんので。もしかすると冒険者の遺失物かもしれませんが」


とりあえず不安の芽は摘み取っておきたいので鑑定依頼を出すことにした。


3か月先になろうと特に問題は無い。多分忘れた頃に戻ってくるだろう。


特に使い道も無いのですが、今回のようにエイト名義で依頼を受けるときのメインウェポンにしようかと。


「エイトさまはあと何回か常設依頼をこなしていただければE級へと昇格出来ますので是非積極的に依頼をこなしていただければと」


「分かりました。すこし頑張ってみます」


まぁ、サブアカウントみたいなものなので登録が外れない程度には依頼をこなそうと思いますが。


あとは特に話すこともない…一応困っていた冒険者が居たので手助けをした程度には伝えましたが。


「テスラ、ござる侍、ご苦労様。何か飲んでいく?あ、僕が飲めないんだった」


二人を冒険者ギルドのイートインへと誘ったのだが…そういえばこのバケツヘルムを脱がないと飲食できないよな。


テイクアウトにしてもらって帰り道で飲んでもらうか。

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