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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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迷宮内で入手したショートソードの切れ味に驚く勇者

「横槍すいません。戦利品はそちらに全てお渡ししますので…ってどこかで見たような?」


なんとなく見覚えのある新しめの灰色の耐火ローブ。


若い女性の顔は覚えられないが何かしら特徴のある姿をしていれば…


「ええっと、サンドラさん?」


「あなたは先程、荷馬車で話をした…」


「ああ、名乗っていなかったですね。エイトと申します。お怪我はありませんか?」


「はい…ただこの子たちの武器や防具がもう限界っぽくて」


先程迷宮内広場で合流した二人の装備はガタガタである。特に盾持ちの子のミドルシールドが半壊していて盾としての役割を果たせそうにない。


「その状態だと戦闘は難しそうですね…すこし遠回りになりますが自分の依頼を片づけた後なら迷宮の外までお送りしますけれど」


「そういって頂けると助かるのですが…あいにく手持ちが」


迷宮内で臨時の護衛ともなれば相当な金額を積む必要があるだろう。


「お代は大丈夫ですよ。元々荷受けの為に迷宮に入ったのでそれさえ完遂できれば」


「あの、エイトさまは本当にF級なのですか?D級の私たちが苦戦したあの黒い魔獣を一撃で…」


「先程拾ったこのショートソードがどうやら魔導武器だったらしく、僕はけん制のために一撃入れるだけのつもりで当てただけで、あとは二人に任せるつもりでしたので」


まさか魔獣3体を一度に屠れるとは思わなかった。


切れ味でいえば手持ちの武器で比較すると高周波ブレイドの次くらいだろうか。あれはちょっと他の武器と比べてはいけない気もしますが。


うっかりすると迷宮の壁まで切り落としかねないので扱いには注意が必要。


しかしあの黒いやつらは何処で湧いたんだ?MPT(モンスタープラントツリー)があんなバグった強さの魔獣を吐き出すとは思えないのですが。


「とりあえず移動しましょうか。僕らはここから歩いて20分くらいの場所に用事がありますので」


---


メモにあった場所は本当に分かりにくい袋小路のさらにその奥。


普通の冒険者なら決して入ることのない何のうまみもない場所にそれはあった。


「今回の仕事はあれを迷宮の外に配達するだけですので」


おかれていたのは大型の背嚢が1つ。バケツヘルムに増設したバイザーで透視を行うとあきらかに人と思われる生体反応が1つ。


「サンドラさん。すいませんが僕の荷物を迷宮の外まで運んでいただけますか?」


「そのくらいでしたら!」


本来はテスラに運んでもらう予定だったが、護衛対象が3人増えた為、彼女をフリーにしておきたい。


ここまでくる間に倒した魔獣の戦利品をサンドラさんに預かってもらうことにした。


「よっこいせ…」


担いでみると中身が人だと分からなければ多分気が付かない程度には偽装されている。


背嚢の中に大型の箱が入っているらしく、触っただけでは何もわからない。


ミドリは背嚢に直接詰め込まれていたのでその動きで分かったのですが。


中身の人は気絶しているのかうめき声すら聞こえず。一応バイタルは確認できているので問題は無いと思うのですが。


「ではすこし急いで参りましょうか…迷宮改変に当たるとやっかいですし」


場所によっては出口から2時間くらいかかる場所へと移動させられてしまうので。


臨時の上にさらに臨時となった6人のグループで迷宮内を進むことに。


御客人が居るので姫さまとの会話が出来ず、あちらからの指示にただ従って進むのみとなった。


---


「出坑手続きをお願いします」


「依頼内容は迷宮での荷受け、そちらの背嚢が荷物でしょうか?」


「はい。依頼者からの指示通りそのまま持ちだしています」


「かしこまりました。それでは王都内への配達まで完了しましたらギルド本部へ報告を願います」


人間一人を背負うのは常人には厳しいと思うが、姫さまの加護が働いているので特に問題は無い。


冒険者も迷宮内で戦うことによって基礎体力が増え、存在力も増すのでこの程度の荷運びは特に問題は無い。


後は辻馬車を拾って王都へ戻るだけなのだが…。


「どうしましたサンドラさん」


「あの…やはりこのまま何のお礼もしないというのは…」


サンドラさんのお仲間も同じ考えらしい。


「でしたら商業ギルド経由で孤児院へ少しでよいので寄付をお願いします。孤児院とは縁がありまして手助けをしていただければと」


全ての孤児院や預かり所がツクヨミ神社やグランディオーラ山頂神社の恩恵を受けているわけではない。


少額でも寄付をしてもらえるととてもありがたいのですが。


---


「大きい荷物は1人分余分に貰うよ」


「分かりました。では4人分」


帰りも何故か同じ御者のおねえさんの荷馬車を拾えた。


一体一日に何往復しているんだろうか。


詰めれば10人乗れるので片道5千円の運賃となるが毎回は満席にならないだろうし。


僕らはいつも自前の移動手段で往復しているので、彼女達の稼ぎを減らしていたのかもしれない。


ただ、40人一度に動くとなると少なくとも馬車4台をチャーターすることになり、他の冒険者にも迷惑が掛かりそうなので避けていたのですが。


帰りはサンドラさんのグループと一緒になった。


彼女達は壊れてしまった武器や防具の修理の為、一度王都へ戻るとの事で。


帰りは僕ら以外に乗客はおらず、話好きなサンドラさんが今日迷宮で見たものなどをいろいろと語ってくれた。


白い箱が1つ出たというので中身が何かいろいろと語っていましたが…。


多分査定までに3か月はかかりそうだと説明するとちょっと驚いた顔に。


箱ブームはいつまで続くのか。そして黒い魔獣はどこから迷い込んだのか。


以前の変異種とはまた異なる存在のようなのでお屋敷に戻ったら防犯カメラの映像を解析しないと。

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