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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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南の平原迷宮行の辻馬車に乗る勇者

オパール王妃さまをあまり凝視するわけにもいかないのだが、どうしても目が離せなくなってしまった。


「エイトさまに気に入っていただけたようでなによりですわ!」


王妃さまはすこし前かがみとなり、ご自慢の山脈を強調するようなポージングを。


一体誰が教えたんだ?


「ねっとで調べましたところ日本の殿方はこのような恰好がお好みと」


あれ?大人組には閲覧セーフティ掛けてないのか?


全年齢で戦争に関する記事はフィルタリングしているが、年長者のネット環境はそもそもキッズモードを入れてなかった気がする。


「にほんの文化を知るためにいくつかの成人向けさいとに登録を」


王妃さま、何をなさっているんです…。


というかメアドはどうやって取得したんだろう。


「「どめいんしゅとくずみ、さーばーもけいやくずみなの」です」


双子が自分達が遊ぶソシャゲのためにメールドメインをクロツキテクノロジー名義でとっているらしく。


「社長、いつからなんです?」


「随分前に依頼されたような記憶もあるが…」


その社長はまさしく狸といった感じの仮装をしていらっしゃる。信楽焼のたぬきが近いか。


そういえばソシャゲをどうやって遊んでいるのか聞いてなかったな。


ある程度は自由にやっていいとは伝えておいたが、まさか独自ドメインやメールサーバーまで契約していたとは。


「「さいともこうかいずみなの」です」


聞けばブログは持っているし、ソシャゲの実況配信をするための動画サイトアカウントもあるらしく。


当然のようにSNSのアカウントも。


ちょっと野放しにし過ぎた感があるので一回確認しておくか…。


それ以前にこの状況、王族チャンネルに公開しても大丈夫なんだろうか。


キクヒメさんあたりが見たら絶対やりたいって言うよな…。あの人ならリアルで同じような事が出来そうな気がしますけれど。


先祖に精霊が居た影響で女性ならばどんな姿にも変身できるという特異体質を持つキクヒメさん。


既に元の体がどうだったのかはわからなくなり、コーガの責任者としてのおきつねさまスタイルが普段の姿となっている。


僕は女児スタイルの方がメインではないかと考えているのですが。


力が抜けるとコンパクトな体になるらしいので。


初対面で攻撃を受けた際に猛獣愛撫(もふもふ)を発動してしまい、10歳くらいの女児に変身したキクヒメさんを見ていますし。


「どりあーども見て」


めっちゃバニーですね。うさぎがバニースーツを着たらこうなるんじゃないかって感じのバニースタイル。


いわゆる体毛によるケモセーフが発動しているが、生身だったら放送できない感じになっているのですけれど。


これも映像として配信されると思うと、僕がプロデュースした感じになっているので本当に大丈夫かと。


地球では大手サイトが相次いでクラッキングされ、個人情報が駄々洩れになっていると双子から聞いているが、僕の場合は性癖を全公開されているようなものですし。


アトレーン国王のフリードリッヒさんに見られたら何を言われるか…。


あの方、巨乳好きなんですがいずれ奥様となるラダさんのご立派は無いに等しく、いつもその件でお小言を頂戴しているようなので。


姫さま達は第二回をいつやるかの相談に移ったようで。


これシリーズ化するんですか?僕のハートが持ちこたえられそうにないんですが。


第一回目のけもけもファッションショーはぐだぐだのまま幕も閉じずに各自解散となった。


---


「勇者さまおはようございます!迷宮行のお支度をお手伝いいたします」


夕べの仮装の続きをしているのか、うさみみカチューシャをつけた姫様が僕に馬乗りとなっている。


今日はちょっと忙しい。


サブローではなく冒険者エイトとして南の平原迷宮へと荷物のピックアップに行かなくてはならない。


今日は乗り物も辻馬車を拾って向かうつもりだ。


あくまでも一般的な冒険者を装わなくてはならない。


今日のお供はテスラとござる侍となっており、彼女達の衣装は昨日のうちに準備されている。


冒険者らしい行動をするのは久しぶりかもしれない。いつだったか初心冒険者に混じって訓練を受けたような記憶もあるが…。


まずは洗顔を済ませ、朝食をいただくことに。


---


「南の平原行き、もうすぐ締め切るよー」


王都の中心にある馬車寄(ターミナル)へとやってきた僕たち。


乗り合いの辻馬車は何気に初乗車かも知れない。


荷馬車を改造した10人ほどが腰かけられる幌付きの馬車に500円ほどを払って乗り込む。


座席は荷台の両端に小さな木箱を並べただけでお世辞にも座り心地が良いとは思えない。


多分荷運びも出来るよう、なるべく無改造にしたいと思うのですがもうすこし顧客への配慮といいますか。


まぁ500円ですからね。多分片道30分ほどはかかると思われるので値段なりということか。


見れば冒険者と分かるメンツばかりがみっちりと乗り込んだところで南門へと向けて馬車が動き始めた。


「殿、拙者ひさかたぶりに馬車に乗ったでござる」


「ござる侍は田舎から辻馬車で出てきたんだっけ?」


ござる侍は修行の成果を試そうと田舎から王都に出てきて冒険者登録を済ませ、その際に受注した戦利品拾いの作業中、謝って迷宮の横穴へと迷い込み、迷宮主と思われる大型魔獣とエンカウント。


絶体絶命のピンチの元に駆け付けたのが僕、というかライノービークルだったんですが。


ビデオには巨大な二足歩行の大トカゲをジャッジメントサーキュラーソードでKillした様子しか映っておらず、偶発的な事故にしか見えなかった。


「わたくしもひさしぶりに馬車に乗りました」


テスラは深夜、馬車での移動中魔獣の群れに襲われて孤軍奮闘している所に僕が駆けつけたという感じで、ござる侍と似たような感じに。


「あのう…もしかしてお三方はグループを?」


「はい、臨時グループを組んで迷宮内に荷物の受取に行くところですが」


目の前に座っていた魔導士っぽい少女から声を掛けられたのだが…。

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