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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ななや旅館大広間でのファッションショーと勇者

「光のもふもふ教のポーラさんを呼べればよかったんだけど…そういえばVRキット渡してなかったよな…」


けもけもしい喫茶店、ねこのしっぽの運営母体である光のもふもふ教。


そのオーナーであるポーラさんは子供のころに祖父母宅にあった散逸魔導書に触れ、ケモノ愛に目覚めてしまった。


主に被服関連での開眼となり、もふもふさまにかわいらしいお洋服を着せるために喫茶店を開業したというのだからおどろきである。


そういえば境界の地へお呼びしたことも無かったような気もするのですが…。


VRキットはねこのしっぽに預ければ多分自動的にポーラさんの元へと届くはずだが、出来れば手渡しをして一度説明がてら深度(シアー)を計測したいと。


とりあえずななや旅館の大広間に戻ってきたので、先程の仮装について姫さま達が集まって何か話し合いをしている。


小道具は大広間舞台裏のバックヤードに大体そろっているので誰が何を身につけるのかという相談なのだろう。


僕は例によって別室待機を命じられたので旅館の土産物が何か増えていないか冷やかしに行くことにした。


---


「ふつうの角材に焼印を押してあるだけなのにどうして欲しくなるんだろう…」


冒険の必須アイテム、いわゆるなんとかの棒が売っており、ななや旅館の焼印がなければ本当に唯の角材なのだが、ちょっと欲しいと思う自分がいる。


仮想通貨は溢れるほどに持っているので1本買ったところで懐は痛まないのだが、これを買うのは何かに負けた気がして…。


肩コリをほぐすストレッチ用の棒にも使えるんじゃないかといろいろな言い訳が脳内をよぎり、結局お試して1本買い求めることにした。


「勇者さま!準備が整いましたので大広間へお越しください!」


何の準備が整ったのだろうか?ファッションショーですか?


セルフレジに角材をかざしていたら姫さまの姿が。


まだ仮装はしていないようで、いつもの浴衣姿のままですが。


例によって大広間の様子は大掛かりな撮影機材で録画され、明日の朝10時ごろにアーカイブ公開となるらしい。


---


「そっち方面か…」


つけみみとつけしっぽ程度になると思われた仮装だが、けも度3くらいの仮装となっている。


いわゆる半獣とでもいうのか、すこしマズルが長く、全身が体毛に覆われた状態の仮装。


この短時間でどうやって特殊メイクをしたんだろうと逆に感心してしまう。


「かぶりものが用意されていました!勇者さまはこちらのほうがお好みだとシースさんやレーネさんがおっしゃいましたので」


人の性癖をあまり晒さないでほしいのですが。


地球のハロウィンというよりかは百鬼夜行に近いでしょうか?


見れば大黒屋さんも仮装に参加している。


おきつね度がアップしており、巫女服のようないで立ちの彼女はまさに狐娘そのもの。


じっと見つめていたのがバレたのか、大黒屋さんが近づいてきてなにやらアピールを。


「光のサブローさま、似合っておりますでしょうか?」


「ええ、とてもお似合いですよ!」


「サブロー、わしはどうじゃ!」


小悪魔みたいなお狐様が現れた。ユークレスさん、どう見てもMSGKにしか見えないラメ入りの派手な女児服に狐の仮装をしており、なんというか一撃でわからせられてしまう敵役にしか見えない。


「似合っていますがこれは誰のアレンジなんです?」


「いんたーねっとで調べた。ちきゅーではこんな姿のきゃらが流行っていると」


どこ情報何ですかね。何か偏った思想が見え隠れするんですが。


しっぽは精神感応式で自由に動かせるらしく、ふりふりと動く3本のしっぽがかわいらしい。


「ユークレスさん、いつもその恰好で過ごせばもふもふさまを自給出来るんじゃないですか?」


「自分で自分を愛でてどうする!」


ごもっともではありますが、VR世界においては自身のアバターをエネルギー源とされている方もいらっしゃると何かで見たような記憶もあるのですが。だれの記憶だ。


「お兄さん、似合うかな?」


フィリーは猫娘となったようだ。シャム猫だろうか。鼻先と手足の先だけ黒い独特の毛並みをしており、ぷにぷにした肉球で僕に触れてくる。


「似合ってるよ。たしかシャム猫だよね?」


「たぶんそうかな?たくさんあるお着換えの中でかわいいとおもったからこれにしたの!」


この被り物、凄い再現度だよな。一体誰が用意したんだ?


もしかして存在Nがまた何かしらの干渉を?


ふつう着ぐるみと言えば本人の特徴など一切出ないはずだが、見た目は完全に本人でそこにケモノの特徴がうまく組み合わさっている。


「「ますたー、どうなの」です?」


双子は何故か狸にしたらしい。この世界、狸の特徴を持つ人族は隠れ里にしか住んでおらず、実生活では殆ど目にすることは無い。


「シース、レーネ、似合ってるけどそれって狸?」


「「れっさーぱんだなの」です」


あれ?違った。そういえばお腹が黒いし、しっぽも縞々だ。


ちなみにこの世界にレッサーパンダは存在しない。この着ぐるみは完全に地球産の物だろう。


「がおー!りーだーをたべじゃうぞー」


ルティリナはどうみてもライオンだ。しかも雄ライオン。


たてがみが何と言うか某ドーナツ屋のあれにそっくりなんですが、大丈夫か?


「わー!りーだーとらないで!ちからがぬけちゃう!」


ちなみにたてがみは着脱可能だった。ひっぱったらすっぽぬけたので元に戻しておく。


「エイトさま、どうでしょう?エイトさまのお好みと聞いて」


オパール王妃がお狐さまとなって現れた。


しっぽの数は9本。衣装はだれが選んだんだこれ?チャイナドレスみたいなスリットの深いぴったりとした赤いドレス姿で目のやり場に困る。


「はい、とてもお似合いですよ!」


歩くと太ももがあらわになるので目を背けようとしたのだが自然に目がそちらを見てしまう。


もしかして何か特別な力が働いているのか?

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