放置していた転移魔導陣の事を思い出す勇者
王城郊外へアヒルちゃんワンボックスで飛ぶこと数分。
ゴーレム研究所へとやってきた僕達は早速研究所の代表へと挨拶に向かう。
ハナエ姉妹が実質的にここの管理を任されているのだが、他にも事務方の代表がいらっしゃるという話なので付帯施設の建築報告を行うことに。
今回は10m四方ほどのごく普通のキューブ型施設となる。
おおえだちゃんのおうちでも良いのですが、宇宙船の離発着の妨げとならないよう、ありふれたデザインを採用することにした。
亜空間に生成される空間なので本来は扉だけでも問題ないのだが、ゴーレム研究所の壁に出入口を生やすのもどうかとおもい、独立した建屋にする。
今回の日の出荘建築については王城から命令書も出ており、事前の根回しも済んでいるので形式的なものになるのですが。
見た目はグランディオーラに生やした避難所そのままですかね。あくまでイメージですけれど。
あそこは24時間3交代で働く人たちの仮宿として今後も使用されることになっている。
空港のロビーをイメージした大空間とビジネスホテルの個室を用意したのですが、何故かみなさんはロビーのソファに寝泊りを。
騒がしくないと寝られないという…。そんなご要望にお応えして個室には音楽を流すスピーカーも用意したのですが利用率は非常に低いですね。
体を清めるためにシャワーだけ使う人が殆どのようですし。
今回建てる日の出荘に関しては過去の建築ノウハウを充分に生かしたものを作ろうかと。
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「こちらが付帯施設建築許可証です。お改めください」
代表者への挨拶もそこそこにゴーレム研究所の敷地に生やす第三日の出荘のイメージを見せつつ、説明を行う事に。
この施設はゴーレム研究所の方にも使っていただけるよう充分な部屋数を用意するつもりだ。
研究が立て込むと研究室へ泊まり込みをする方も結構な割合でいらっしゃるとの事で。
ハナエ姉妹も週に2回くらいしかお屋敷に戻らないのはザラですし。
ちなみに彼女達は元々好き好んでゴーレムの研究をしていたわけではない。
森の瘴気に当てられて暴走したゴーレム関連の魔導書に意識を乗っ取られ、大教会でゴーレム研究に明け暮れていた。
僕が無意識のうちに彼女達の浄化を行い、正気を取り戻した彼女達には何故かゴーレムを研究したいという欲求だけが残ったようで。
特に呪われているというわけではなく、元々そういった方面の才能があったのかもしれない。
建てる場所は今星美が置いてあるスペースの近くに決まった。
まずあり得ないと思うが似たような宇宙船を拾っても大丈夫なよう場所は空けてある。
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「リブート、第三日の出荘」
デュプリケイトしておいた小型キューブを地面に置き、いつものように魔力を込めて展開を行うと、設計通りの10m四方ほどの立方体が顕現した。
第一日の出荘は周囲の景観に合わせるために3階建てのアパートのような外観にしたが、ゴーレム研修所であればそういった気遣いは不要。
機能優先となっており、正面に自動ドアがあるだけのただの箱となっている。
「いつみても不思議にゃ。サブローの魔力量はおかしいってレベルを超えてるにゃ」
注ぎ込む力は多分ザ・シードに使うのと大差ないレベルだろう。
上物だけならそれほど力は要らないのだが、地下に生やすリアクターにかなりのパワーを持って行かれる。
余裕を見て一千人を収容できるくらいの部屋を用意し、会議室も大小さまざまなバリエーションを用意。
内部は10階層ほどに分けてついでに大食堂などもつけておいた。
あとは必要になるかは不明だが、シアターやプラネタリウムも。
星美に残された情報を大勢で見るためにはこれらの施設が後々必要になると思いましたので。
まずはロビーに入って写真を撮り、全体共有を掛けておく。
オパール王妃から視察の依頼があったので彼女がゴーレム研究所にくるまでしばし休憩を取ることにした。
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『星美に備わった空間圧縮技術とは異なる体系のようですね!とても興味深いです』
せっかくなので星美にも第三日の出荘の中を見てもらったのだが、彼女の宇宙船に備わった亜空間生成技術とは全く異なる術式でもって展開された空間に驚いている様子。
もたらされる結果は似ていてもそれに至るまでの道のりは違うらしく。
『エネルギーの供給にも殆どロスがありません。ここまで最適化された技術は一体どこで産み出されたのでしょう?』
多分双子の魔改造が効いているのでは?という感じですが。
彼女達の力があれば恒星間移動を行える船も多分作れるかと。
以前から見学をしたいといっていた転移魔導陣の件がそのままになっていたのでそろそろ見せても良いかな?
あれも魔改造されたらどんなものになるのかさっぱり分かりませんし。
グランディオーラのフーリー大臣が研究させていた遺跡の罠、転移魔導は十数年の歳月と莫大な財をつぎ込んでようやく拠点間の転移が可能となったらしく。
彼は各国に転移ゲートを秘密裏に設置し、自国の利益のために使用していたのだが僕がそれを壊してしまい、現在も復旧のめどが立っていない。
双子が見ればおそらくすぐにでも復旧可能と思われるが、副産物が怖すぎて今まで見せておらず。
亜空間を利用した建物まで作ってしまった今となってはもう誤差の範囲だろうと思い、今度グランディオーラを訪れた際に研究施設を見てもらおうと思う。
もしかするともう自力で転移魔導を実現させているかもしれないですが。
とりあえず双子に連絡を入れておくことに。




