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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ミドリへ状況報告をする勇者

アコーギ達を見張っていたドローンの映像を商業ギルド長にも見ていただいている。


やつらは王都の大門前で足止めを喰らい、アコーギが現場検証に連れ出され、残りのメンツは大門に併設された兵士詰所の取調室へと軟禁されることに。


全身紫に染まった男たちは椅子に座ることも許されず、机やいすなどを急遽運び出して空き部屋を作り、そこに使わなくなったぼろ布を敷いて待機を命じられたようだ。


「罠の種類をもう少し考えるべきだったか…」


ヘタに言い逃れが出来ないよう、インパクト重視でペイントボムを採用したのだが衛兵の皆さんは通常業務をほっぽりだしての対応となり、大変申し訳なく思う次第で。


「アコーギ商会の調査はしばらく後になりそうだな…」


商業ギルドにも要らない仕事をさせることになり、謝ったのだが商業ギルド長は今まで野放しにしてきたアコーギ商会、そしてカルロス雑貨店への調査の名目が出来たと逆に喜ばれるという。


他にも名前だけで実体の伴わないペーパーカンパニーが多数あるとの事で、これを機会に本格的な調査を行うとも。


商業ギルドの入会資格は非常に緩く、露天であれば1日千円程度の出費から始められる。


後はその日の売り上げに応じて税を支払えばよく、とりあえず名前だけ持っている人も大勢いるとか。


例えば冒険者がギルドで引き取れないくずドロップ品を露天で売る、あるいは近隣の村から自家用に育てた野菜などを少量売りさばくなど。


露天では無く商会を設立するとなると証拠金となる設立資金として100万円ほど、そして年に20万円ほどの協会費を取られることに。


これとは別に売上に応じて1割ほどの税を納めることになるが、商業ギルドという後ろ盾があればどの国でも商売を行えるのと、国ごとに税を納めなくとも商業ギルド一本で手続きが済むという利便性があるとか。


あとは商業ギルド員であればギルドを通しての仕入れがいくらか安くなるとか、逆に高く買い取ってもらえるとかいろいろとお得らしく。


ギルド員の義務として収支報告をしなければならないというが、殆ど売買の履歴が無いにもかかわらず協会費だけは納めるという見るからに怪しい商会も少なからずいると。


「カルロス雑貨店は今日にでも職員と衛兵を向かわせよう。何か嫌な予感がする」とギルド長が何かメモを取り、部屋に待機していた職員に手渡す。


僕はお屋敷で待機するようにと釘を刺された。これ以上仕事の邪魔をするつもりは無いのでおとなしく従うことにする。


---


「そんなわけでミドリさんはしばらく村に戻れないのですが…」


商業ギルドを出てすぐに大門にある詰所へと向かい、どこかの村から捜索願が出ていないか確認に向かったのだが空振りに終わった。


徒歩1日の距離とは言ったが鍛えられた冒険者が歩いた場合の時間であり、普通の村人だと多分2倍はかかるのかもしれない。


念の為にミドリの村に向けてドローン親機を発射しており、あと20分もすれば村の様子がわかるようになる。


お屋敷に戻ってきて、割と元気になったミドリさんに現状を報告。


「ミドリさん、村にご家族は?」


「一人暮らしです。元々別の村の出身で村長さんが遠縁の親戚にあたるという話で呼ばれたのですが」


村には人が住める上限がおのずと設定される。


これは管理貴族が人頭税を取るにあたって人が多すぎると税率が高くなり、村の収入だけでは税を納めきれなくなる問題が起こらないようにするためである。


そこで管理貴族は成人した人間を自分の領内にある村へと適宜配分することで効率よく税をとれるようにする。


今、ミドリさんのいる村はやや過疎化が進んでおり、他の村から人が越してくることが多いとか。


「村に来た借金取りは別件で捕まえてありますので、彼らから事情を聞いて問題が無さそうでしたら帰れます。しばらくここでゆっくり過ごしていただければと」


本来ならばすぐにでも帰りたいというはずなのだがミドリさんの表情はすぐれない。


「もしも戻りたくないというのであればこちらで管理貴族に掛け合って調整しますので」


日の出荘に住んでいる皆さん、元々村が税を納められずに借金のカタに連れてこられた人たちばかり。


村からは見捨てられ、奉公先では犯罪奴隷のような扱いを受けていた彼女達は、真夜中に神社の参拝受付をする際の場所取りをさせられ、ついに心が折れてしまったのだ。


彼女達を届け出もなしに働かさせていた中級の管理貴族にはかなりきつめの沙汰が下されたと聞いている。


自身が管理する下級貴族を付け替えられ、税収が半分以下となったらしく今までのような暮らしは出来ないだろうと。


「いえ、戻れるのならすぐにでも」


割と村思いなところのあるミドリさん。ただ何か葛藤しているようなオーラが出ているんですよね。


「何か困りごとがあれば相談に乗りますのでいつでも話していただければ」


「…少し考えさせてください。ごめんなさい…」


しおれてしまったお耳様に自然と手が伸びてしまうがこれは仕方ない。


そういえばミドリさん何歳なんだろう。女性に年齢を聞くと刺される世界なのでこちらから尋ねることは出来ないのですが。


「サブローばかりもててずるいぞ!」


様子を見に来たユークレスさんが僕の手をぺいっと払いのけると、ミドリさんのおみみさまをわしゃわしゃしはじめた。

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