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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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人工知能同士の会話を見守る勇者

明日は月夜の試験飛行に同行するため、社長達の宇宙行は明後日以降にさせてもらうことにした。


社長は月夜も見にいきたいと漏らしていたが…全長1kmを超える割と大型の船ですし興味が湧いて当然という感じですが。


その月夜も境界の地に来てもらっている。


星美と同じく境界の地のモニタにワイプでの参加となったが…そういえばアバターとはいえ彼女の姿を見るのは初めてな気がするのですが。


星美は10歳くらいの少女型のアバターだったが月夜は18歳くらいの女性タイプ。


出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ、黒いドレスが非常に似合う腰くらいまで伸ばした艶やかな黒髪が目立つ。


「この姿ではお初にお目にかかります。マスターサブロー」


マスター呼びだったかな?ちょっと記憶が怪しい。


「あなたが月夜さん?わたしは星美です!」


「月夜と申します。星美さま」


モニタのワイプが消え、VRキャラ表示となった二人が登場し、会話を始めた。


別世界に存在するAI同士がこうして会話しているのを見ると、なにか凄い事が起きているような気がしてならないのですが。


二人とも船をモスボール化した際に記憶の殆どを消去され、初期教育状態となっているのでお互いによい刺激になるのではと思って会話を聞いていたのだが途中から聞き取れなくなった。


「勇者さま、お二人は何をされているのでしょう?」


姫さまが首をかしげて二人を見つめている。


「おそらくですけれど二人だけにしか分からない特殊な言葉でやりとりをしているのかと」


すまほーちゃんの便利アプリの一つ、すぷりんがるを起動して二人に向けると「高速暗号化通信中」と表示された。


互いに見つめ合って人の耳には聞こえない帯域で通信を行っていると思われる。


未知の技術同士でやり取りを行う事で汚染等は起こらないのだろうか?ちょっと不安ですけれど。


「益田、何が起こっている!」


「コンピューター同士の対話ですね。プロトコルが一致するのは何故かは分かりませんが」


おそらくは作られた場所も時代も全く異なる二人の間にどうして会話が成り立つのか。


僕らからは介入できないので見守るしかないのですけれど。


「マスターサブロー、大変有益な情報を得られました」


「星美の知らないこといっぱい教えていただきました!」


二人から返事が返ってきたがこれは別タスクで答えているらしく、二人の間にはまだ通信パスが残ったままだ。


マルチタスクすげえ。としか言いようがない。


月夜はサブロニアの議員200人あまりと並列で会話してましたし。そのくらいの機能が無ければあんな大きな船を動かすことも出来ないでしょうけれど。


星美はもっと謎ですけれどね。未だに船の中すべてを確認できていないのですが。


当初の話では40mの船体内部に街一つ分のサイズが広がっていると聞かされていましたが、草原部分だけでも小型の惑星1つ分が収容されており、他にも似たような施設が見つかる可能性もあって謎だらけ。


「二人ともここにいる間だけでも実体化はしなくても良いかな?」


「外部情報を得るのにカメラとマイクがあれば十分でございます」と月夜が。


「星美もこのままでいいかな?体をもらっても多分すぐには動かせないと思うし」


姫さまが二人をお屋敷に招きたくて何度か声を掛けているのですが、船体コンピューターとしては人の形を取って実体化するという意識は薄いらしく。


ちなみに十六夜さんや無月さん、七夜さんも本来はデータの塊に過ぎず、境界の地で人の姿を取るのは元となった人格の崩壊を防ぐためだと聞いたような気がする。


星美達は最初から船を制御するために作られたため、その辺の配慮は不要らしいのですが。


一口に人工知能と言っても様々な考え方があるようでして。


必要なら僕らを呼んでもらうことにして、星美と月夜はそのままモニタ内での会話を続けてもらうことにした。


AI同士の会話だけでもコンテンツになりそうな…。これも王族チャンネルのアーカイブになるんでしょうか?


---


ところ変わってななや旅館の露天風呂。


「魔獣狩り?」


「ええ、薫さんにも参加してもらってデータ取りをしたいんですけれど」


平日ということもあり、クロツキテクノロジーだけで行った迷宮探索。


時間の都合がつけば他の人にも人柱になっていただき、本当にリアルの存在力が上がるのかを確認したいのですけれど。


今夜は大学生コンビの都合がつかず、境界の地にはお呼びしていないが薫さんがログインしてきたのでDSOVRにお迎えに言った次第。


ドラちゃんの散歩を兼ねているのでDSOVRからのログインとなったが、生成しっぱなしの温泉ホテルのインスタンスからでも境界の地には来ていただける事を説明。


ドラちゃんは境界の地で改めて呼び出せると補足説明を。


薫先生や大学生コンビは都度DSOVRへのお迎えが必要だったが地球側の端末にインスタンスさえ起動しておけばこちらへ直接来られるのでいつでも利用していただければと。


ちなみに社長達は何故かはわからないが直接境界の地へと接続が可能。


元々が妹さまが関与しているのでその辺の違いもあるのかもしれないですが。


「ただ立っているだけであとはこちらがリモート操作を行いますので」


何か納得いかないという感じの薫さん。


ゲーマーがオートエイムのハンズフリー戦など望まないという事か?


「益田君、迷宮って夜でも入れるの?」


「入れることは入れますが」


薫先生、仕事終わりに様子見に行きたいと言い出した。

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