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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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冒険者ギルド内の柱に残る血痕の謎と勇者

「預言書の勇者様、本日の初心冒険者の引率ありがとうございました!実績を記録致しましたので冒険者カードをお返しいたします」


南の平原迷宮を出てまっすぐに向かった先は王都の冒険者ギルド。


ちなみに先程迷宮内で保護した少女はユークレスさんが抱きかかえている。


もふもふさまを見ると歯止めが効かなくなるんですよね。


ココナの時の失敗を生かせているかどうかは謎なんですが。


「社長、例の虹箱と今日の報酬はギルド預かりにさせてもらいました」


さすがに現金を抱えて地球には戻れませんので。あと虹箱の鑑定は大至急行うという話で。


以前の取り決めでは先着順となっていたが、レアリティによる鑑定順序を付けるという決めごとがあらたに作られていた。


たとえ無害なものだと分かっていても宝箱は冒険者ギルドの鑑定を通さなければ開けられない規則がある。


ずいぶん昔に未鑑定の宝箱をギルド内で開き、罠が発動して大勢のけが人を出したことがあったとか。


航空機のマニュアルのように血で書かれた掟のようなものが冒険者ギルドには多数存在する。


ちょっと謎なのがギルド内の往来の激しい場所、ちょうど成人男性の顔の高さ位、ぶっとい柱に残る血の塊と「迷宮内でのよそ見はすなわち死。魔乳滅ぶべし」とメモが残されている。


これも血で書かれたマニュアルなのだろうが、一体何の意味があるのかは謎である。


魔乳滅ぶべしとは…。


とりあえず社長達のギルドカードはお預かりすることに。


この後お屋敷に戻ったらみなさんを地球へと送還しなければならない。


---


「益田よ、その子供の事が分かったら連絡を」


「分かりました。情報が入りましたら伝えますので」


「おにいちゃん、またあとでね!」


「今度は市街地で食べ歩きをしたいでござる」


「先輩、わたしも連れて行ってください!」


今日は管理迷宮とギルドに行っただけですし。屋台村へ行くのも良いかもしれない。


転生者の方が社長達を見たら何と思うかちょっと不安ですけれど。


前もって訪問を伝えておいたほうが良いかもしれない。例のタコス屋さん。


地球から来た皆さんの仮初の体が緑色の粒子となって空中に溶けていく。


忘れ物は無いですよね。体が消える際に落としそうなものは全部お預かりしたはずなので。


『今カプセルから出た。心なしか体が軽い気がする』と社長から直電がかかってきた。


「体が軽い?」


『すこぶる体調が良い。あの温泉の効能もあるかも知れぬが、それにしてもおかしい』


『ますだっち!なんだか筋肉量が増してる気がするんだけど』


鴨原さん?筋肉量?どうして?


とりあえず詳しい話は今夜にでも境界の地で聞く事にしてまずは連れ帰った少女をゲストルームへ連れて行って寝かさないと。


「わしが責任をもって面倒を見る」といってユークレスさんが連れ去ったあとでした。


---


「これといって所持品も無し…服は古着にしか見えないし」


少女はおせんたく魔導で清められ、着替えをさせられてゲストルームで眠っている。


その間に何か手掛かりになりそうなものが無いか姫さま達によって少女が着ていた服が念入りに調べられているがこれと言った成果は出ていない。


ちなみに証拠物件の一つである背嚢は冒険者ギルドへ預けてきた。


今のところ、犯人につながるたった一つの物証なのだがご丁寧に販売元を示すタグが切り取られていた。


この販売店のタグが付いていれば購入から三か月ほどは保証が受けられるというものらしく、犯人は足がつかないように処分したのだろうと思われる。


背嚢のつくりは大体どこも同じでこれといった特徴は無い。


全部手作業で作るので個体差は当然あるし、作っているのはあちこちの村。


製造元が分かったところで何の手掛かりにもならない。


「監視カメラの映像も今のところ手掛かりなしか…」


全ての迷宮内交差点に設置した監視カメラ。膨大な動画データから荷物を放置するという行動を抽出しているが、当然だが休憩の為に背嚢を降ろす、戦闘時に投げ捨てるといった行動をとる冒険者の全記録を浚うのは相当に時間がかかると思われる。


回収された時間は大体わかるのだが、背嚢がいつから迷宮に置かれていたのかは謎。


迷宮の回収システムはランダムに物体を転移するのでそれも解析を難しくしている。


「シース、レーネ。今空いている解析リソースを全部動画解析につぎ込んで」


「「らじゃーなの」です」


神社境内地下にあるデータセンターの9割くらいを解析リソースに回すことにした。


古文書の解析に回していたリソースも投入することに。


「ヒットまでの予想時間が1時間か…」


迷宮の床に重量センサーが付いていれば一発で分かったかもしれないが、あいにくとそこまで準備しておらず、乾草の山から針を探すような解析を見守るほか無かった。


---


「エイトさま、様子を見に参りました」


「オパール王妃さま、ありがとうございます。今はユークレス王妃が看病を」


「またお母様ですか…なにかご迷惑をおかけしておりませんか?」


「大丈夫です。少女が熱を出して汗をかくのでこまめに寝汗を拭いてもらってたすかっています」


心労からか少女は微熱を発し、汗だくとなっていたのをユークレスさんが見つけてお世話の最中。


姫さま達も体を拭くためのタオルやお湯などを交代で運んでいる。


無資格の看護師さん多すぎ問題が発生していますが…。


ゲストルームには暗視カメラが設置され、見守り隊がリビングの大型モニタで様子を見ている。


寝ている本人はこれだけの人数に見守られていると知ったらさぞかし夢見も悪そうだけど。

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