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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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モンスタープラントツリーの見学会と勇者

そんなわけで社長達にこの世界の闇の一端に触れてもらい…。


まさか冒険者ギルドと管理迷宮をつかさどる地の精霊が繋がっているなんて殆どの人は知らないわけで。


ちなみに本来南の平原迷宮は末っ子地精霊の管轄になるわけだが、彼女はうちにいて普段は特に何もしていない。


元々は暴露してしまった地下迷宮を管理していたというのだが、ある時期を境に迷宮に人が全く入らなくなり、仕方なく浄化した魔素は地上の草を生やすのに使っていたのだと。


あとは貯められるだけ魔獣を貯め込み、前回の暴露時にすべて出し切ったというので暴露迷宮内に魔獣は存在しない。


平原迷宮は基本無人制御となっている。


意識を持たないMPT(モンスタープラントツリー)が入ってくる冒険者の数に合わせて魔獣を生産、送り込むといった作業をこなしているだけだ。


たまにMPTの調整に向かうこともありますが。


この前行った際は迷宮内の大洪水で紛失した荷物の探索に。


回収された忘れ物が宝箱の中身となって再利用されているとの事でしたが…殆どが捨てられた荷物でリサイクル率は割と低めな感じ。


ちなみに今湧いている宝箱は僕らの知らない所から転送されてきていると思われる。


存在Nが関わっていると思われるが、なぜそのようなことをするのか疑問だらけである。


冒険者の懐は潤うかもしれないが、これが何かしらの前兆だとしたら。


稼いだだけ出ていくのがこの世界のルールのようなものとなっている。


臨時収入があると大抵の人は飲み食いで使い切ってしまうのだそうで。


宵越しの金を持たない、あぶく銭は災いを招くとかそんなジンクスがあるとか。


苦労してこつこつ貯めるのは問題無いというのだが、その線引きは各個人の裁量となっているのでなんともがばがばな戒めであろう。


「社長、そろそろ迷宮改変の時間となりますので安全な場所で待機しましょう。姫さま、迷宮改変に備えてください」


『分かりました勇者さま!』


他の子達にも無線を飛ばしておく。


「益田よ、一体何が起こるのだ?」


「この迷宮では迷宮改変と言って、迷路の構造が一定時間で入れ替わるような仕掛けがあります。探索難易度を上げるための罠のようなものですが、既に改変パターンとそれに合わせた地図が出来上がっているので改変の際に巻き込まれないよう注意するだけですが」


迷宮改変時にグループが別々のセクションに分断されてしまうとその後で合流するのは至難の技となる。


そうなったら素直に出口を目指すよう暗黙のルールが制定されているようで。


セクションの移動次第で徒歩で1ニール、2時間以上の距離となる場合も。


「迷宮改変です。姿勢を低くしてください!」


通路の上に設置されたパトランプが激しく明滅し、サイレンと共に金属製の柵が通路の左右からせり出して行く手を遮る。


「地面が動いているでござる!」


「これ地震じゃないの?ますだっち説明して!」


がたがたと揺れる迷宮にびびりまくるかもねぎコンビ。僕の話を聞いていなかったらしい。


ちなみに僕達のいるセクションはMPTの近くまで行くと改変後のMAPに表示された。


ついでだから見てもらおうかな。まだ時間に余裕がありそうですし。


---


「ここが迷宮の心臓部となります」


だだっ広い空間に謎の木が生えていたらびっくりしますよね。


生い茂る枝の先には大き目のカプセルが大量にぶら下がり、その中にはほぼごぶりんやはいはいこぼるとといった魔獣が収められている。


カプセルの中身が育ち切るとMPTが中身を迷宮内へと転送し、冒険者と戦わせる。


MPTのエネルギー源は瘴気と呼ばれる負の感情をつかさどる魔素。


本来であれば瘴気は凶悪な魔獣を生み出すのだがMPTがこれを吸収浄化して、余りを弱い魔獣として生成しているのだ。


この魔獣に関しては冒険者に倒させることを前提として産み出しており、倒せば魔導結石とドロップアイテムが出てくる。


「なんというか工場のようじゃな…」と社長が。


見た目植物工場そのままなんですけれどね。


「なんかあの映画みたいだよね」


「そうなるとこのモンスターがコンピューターの燃料って話になるんですが」


たぶんコンピューターに統治された世界を題材にしたあの映画の話だろう。


人間を熱エネルギーと計算資源にして巨大なマザーコンピューターを動かすという内容だったか。


少なくともMPTにそんな機能は無いと思われますので。


「そんなわけでこの世界の一端を見ていただいたところでそろそろ戻ろうかと」


社長達の顕現していられる時間はまだあるが、他にも見てもらいたいところはありますし。


なにより冒険者ギルドへ完了報告に行かないとならない。


「益田よ、ちなみにあれは何だ?」


「あれとは?」


社長の示す先に何か落ちている。見た目は冒険者が背負う背嚢にも見えるのだが何故かもぞもぞと動いているのだ。


忘れ物の自動回収システムで転送されてきたのだろうか?


---


「中身は…」


みすかすえっくすで内容物を確認すると安全だと確認され緑色を示した。


だが、何かがおかしい。どうして動くんだ?


『勇者さま、お気を付けください!』


姫さまが何か察知したらしく、すまほーちゃんで連絡をしてきた。


「とりあえず開けてみます」


深緑の慈悲を纏っているので万一爆発しても問題は無い。その危険性は無いのですが。


慎重に背嚢を閉じている皮紐をほどき、中身を確かめると…。

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