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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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魔導結石の買取システムについて答える勇者

「増田、あれはゴブリンか?」


「割と近いモンスターですが、こちらではほぼごぶりんと呼ばれています」


ひたひたと素足で近づいてくる醜悪な濃い緑色の小鬼は手にしたこん棒や錆びたナイフを振り上げ、こちらに走ろうと姿勢を低くする。


「マジカルビーム!」


社長達の近接戦闘は地球で見守っているヤマさんの心臓に悪いと思い、近寄る前に女児ワンドのリモート攻撃で魔素に分解。


「まだ観察途中だったのになんということを!」


社長がぷんぷんしていらっしゃる。


「DSOVRのゴブリンよりも凶暴なので遠距離で倒すのがセオリーでして」


ゲーム内のゴブリンはイタチウサギの倍くらいのHPしかなく、大体一撃で屠れる上に目も鼻もあまり良くない。


音に関しては割と敏感なのですが。


対してこちらのほぼごぶりんはHPという概念があるのかは不明だが割と打たれ強い。


元々がMPT(モンスタープラントツリー)製の植物で出来た体なので割と頑丈な繊維質なのかもしれないですが。


ファイヤボールかアイスランス、後はストーンバレットなどが有功と言われているが。


僕はそのままぶん殴りますけれど。


「今度近づいたら1体を残して倒し、僕が足て押さえますのでその時観察を」


通路の最適化はしていないのであと10分くらいは遭遇しないと思われる。


「ますだっち、モンスターのエンカウントってもっと頻繁に起こらないの?あの国民的ゲームだと数歩歩いただけでスライムとかでてくるし」


「鴨原さん、ゲームのやりすぎです。こちらの世界では一度の探索で10回くらい戦闘があれば多い方なので」


初心者向けの管理迷宮では大体5人のメンバーで3体から5体の魔獣と約10回の戦闘を行い、得られた魔導結石とドロップ品を売ると日当が頭割で8千円程度となる。


生きていくだけなら1日置きに迷宮へ潜ればなんとかなる。


ただ消耗品の調達や武具のメンテナンス費用、管理迷宮を回るための旅費なども捻出もしないとならずそういった費用を稼ぐとなると3日働いて1日休むといったサイクルになるとか。


割と世知辛い世界ではある。常に命の危険が付きまとうわけですし。


本来なら雑談をしながら迷宮を回るなどというのはありえない話なのだが、皆さんはアヒルちゃんをまとってヘルメット内での会話となり、僕は深緑の慈悲を着ているので外に声が漏れる心配は無い。


こうして話している間も索敵は怠らず、迷宮改変までのカウントダウンも見守っているのですが。


どうせなら迷宮改変まで見てもらってから。


ちなみに50センチ四方ほどの虹箱が1つ出た。たぶん社長の豪運が働いているのだろう。


姫さまのほうもファーストアタックでまたしても虹箱が出たと報告が。


「この箱は冒険者ギルドで鑑定を行ってから開封となりますので…中身は多分古代遺物だと思うんですが」


以前カラフルな箱からウエストポーチ型のアイテムストレージが出たことがあった。


記録に残る限りでギルドで確認されたのは初の物で、にばいつめるくんを世に放つ言い訳の一つとして使われることになり、宮廷魔導士による詳細な調査の最中だ。


入る量はご家庭の物置一つ分くらいで時間停止もない物だが、冒険者からしてみれば喉から手が出るほど欲しいものだろう。


管理迷宮を渡り歩くのに荷物は極力減らしたいですし。


グループ共同で馬車を持っているという例もあるらしく。


「ますだっち、それいつわかるの?」


「急いでもらって鑑定に一週間ですかね。というか未開封の箱がそのままなので…」


最初に出てきた物のインパクトが大きすぎて次を開けられないというジレンマがある。


この箱については別の扱いとしてもらうか。


うちのこ達の箱、いつ開けよう…。


---


「次が来ましたね。約束通り1体を残して倒します」


オートエイムから後ろの1体を外し、マジカルビームでほぼごぶりんを焼く。


悲鳴すら上げずに魔素へと還ったほぼごぶりんの戦利品はそのままにして、後ろで粗末なナイフを構えていた個体に接近。


まずは武装解除して軽く殴り、倒れたところで体を踏みつけて動けないようにする。


あまり騒がれると他のほぼごぶりんを呼ばれる恐れがあるので首のあたりを踏むことに。


加減が難しい。このまま踏むと魔素になりそうな。


「社長、こんな感じのモンスターですが…」


「見た目はでぃーえすおーのごぶりんと似ているが、その帽子は?」


「元々木に生える実のような存在で、頭の帽子はヘタの名残ですかね」


ナスのヘタににたものを被っているので創作にあるレッドキャップと間違えそうになるが、あれとは全く別物である。


「一応写真も撮っておこう」


なんというか絵面が悪い。


弱い者を足蹴にしているヴィランのような雰囲気が漂うのですが。


妹さまは怖がるかなと思ったのですが意外と平気なようで。


彼女も写真を撮っている。


「あたしらも撮るっす」


全員の撮影が終わったところでちょっとだけ足に力を入れるとそのまま魔素となって消えていくほぼごぶりん。


魔導結石とさびついたナイフを落としたので戦利品を入れるアヒルちゃんカートへ。


「その石のようなものは?先ほども拾っていたようだが」


「魔導結石と呼ばれる物でこの世界を守る魔導結界を生成する燃料となるものです」


この石の買取システムについて軽く話したら「遊技場の景品交換ではないか!」と本質を突いてきた社長。


この世界にも三店方式があるのですよ。


仕組みを作ったみっちゃんさんは何を思っていたのやら。

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