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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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精神境界面接合の安全確保と勇者

「一人一本にしてくださいね。もう遅い時間ですし」


本当は一本でも多いくらいだ。なにせ一升瓶ですし。


お酒を飲みたい人全員がアヒルちゃんワンボックスに乗り込んで十六夜さんのエリアへと移動し、それぞれ一本ずつ一升瓶を選んでいる。


「できれば三本…」と社長がとんでもないことを。


いくら現実世界に響かないとはいえ飲みすぎにもほどがあるかと。


「でしたらみなさんで違う銘柄を選んでシェアしてください」


量はともかく味変でごまかしてもらうしかない。


なんだろうこの超大魔王って…いつ入荷したんだ?


見るだけで酔いそうな銘柄をとりあえず五本選んだところでななや旅館へ戻ることになった。


「しかし益田が酒を一滴も飲めないとは…」


「こればかりは仕方ないですね」


あらゆる毒素や瘴気に無敵を誇る勇者の唯一の弱点はアルコール。


甘酒ですら致命傷になるという。そういえば注射する時のアルコール消毒も皮膚真っ赤になるんですよね。


この世界の異変がもし超大魔王だったら倒せなかったもしれない。


ちなみに魔王に相当するポジションは無いと聞いてますが。


大教会がそれに当たるのでは?とも思っていますけれど。


魔王と言えばまーちゃんさん、お酒飲むんだろうか。


いつもちんまりとしたお姿で遊んでいらっしゃるので本当の姿を忘れがちなんですけれど。


サンセットビーチを数分走り、ななや旅館へと戻ってきた


酒のみの方々が一本ずつ一升瓶を抱えて旅館へと消えていく。


「益田!ちょっと話に加われ!」


お酒を飲めないのにお酒の席に連行されることに。


---


飲み直しの席には真ん中に炭火を熾した七輪が置かれ、するめが乗っかっている。


「益田。宇宙船の話を聞かせてもらおうか」


この場合、両方ですよね。星美と月夜。なんというかもっとまともな名前は無かったのかとちょっと語彙のなさを痛感しているところですが。


星美のほうは現在新たに見つかった大平原と呼んでいる場所の捜索状況についての説明を。


仮の調査では地球の1/4ほどの体積を持つほぼ球形の惑星らしいという所までは分かっている。


重力は0.9G、大気組成は酸素が25%、残りはほぼ窒素と見られ、その他分析不能な成分が検出されたが人体には影響ないという結果が出ている。


牛乳と羊毛を得る放牧の為だけにあの場所を作ったらしいとあそこを管理するAIから聞いており、一般の乗組員は本来立ち入ってはならない場所らしく。


セクション管理AIと星美との間に通信ラインは無かったようなので双子が中継器を作成し、お互いに情報を交換し合えるように設定済みだ。


星美の初期化前データベースには船体のあらまししか記録されておらず、どのセクションに何があるのかを現在調査中。


これからも各セクションごとに管理AIが見つかる可能性があるため中継器を20台ほど準備している。


「実際に見られれば良いのだが」


「明日も様子を見に行きますのでライスリッチフィールドに実体化しますか?」


「社長、あまりあちらへ行かれるのは…」


静かにお酒を飲んでいたヤマさんが反対意見を。


現在、境界の地にいること自体が危険だとヤマさんは何かあるたびにいうのですが。


DSOVRと境界の地の違いと言えば、セーフティアンカーが張れるかどうか。


いわゆる命綱で、精神境界面接合(アストラルサイドコネクション)が万が一にでも暴走した際に緊急脱出するためのプロトコロルだという。


境界の地へ訪れる際にはこのセーフティアンカーが機能せず、ヤマさんは万が一があってからでは遅いと。


さらにそこからライスリッチフィールドへと渡るとなると危険度が増すという。


まぁ、うちの妹さまはなにかにつけライスリッチフィールドへと遊びに来て姫さま達と何かやってますけれど。


「お兄ちゃん、呼んだ?」


呼ばれたらしいと気付いた妹さまがぺたぺたと畳の上を走ってくる。


「明日、宇宙船を見に行くって話をしていたんだけど」


「わたしも行きたい!あ、あした学校か…。帰ってきてからでもいい?」


向こうは月曜か。というか日曜の夜中に酒盛りはどうかと思うんですが。


妹さま、15時過ぎには帰ってくるだろうからそこに予定を入れておくか。


「ヤマ、きちんと見張っていてくれ。何かあればすぐに戻る」


「…わかりました。トレースも通らないので本当は許可したくないのですが」


「「なにかおこまりなの?」です?」


今度は双子がやってきた。揃いの浴衣が似合っている。


「シース、レーネ実は…」


地球側からライスリッチフィールドへ顕現する際に迷子になる恐れがあると説明を。


自分もさんざんやっているのですが…サブロニアやファンタジー世界に行く際に。


「「あんぜんはほしょうされているなの」です」


二人はすまほーちゃんを取り出し、ヤマさんに何か説明を始めた。


「こ…こんなしくみが?」


多分ヤマさんにしか通じない内容なのだろう。僕が見ても数式の羅列が確認できるだけで。


「「ますたーがひんぱんにつかうのでたいさくずみなの」です」


僕対策だったのですね…。大変申し訳なく。


「これでしたら万が一にも精神境界面接合が外れても安全に戻ってこられます」


セーフティアンカーとは別に安全を担保する方法が確立されていると分かったので社長の顕現は予定通り行われることになった。

2026/08/15 Typo修正

駐車→注射

プロトコ→プロトコル

後は微妙に加筆

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