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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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村のレジシステムの複製について考える勇者

ハルミルさんにベッドの上に座っていただき、僕は2脚ある椅子の一つに。


彼女のところにはロスミアさんくらいしか尋ねてこないのだという。


ハルミルさんが居なければ村を襲う劣獣を倒せないというのに何と言う扱いだろう。


ちなみに普通の村人が数人束になってかかって行っても一番弱い劣獣すら倒せない。


劣獣の強さはほぼごぶりんくらいだろうか。


この世界の狩人であれば1体1でまぁ普通に倒せるかなという感じのようで、複数湧くとちょっと大変らしいですが。


どうしてハルミルさんの地位がこんなにも低いのか。


接続深度(シアー)をはかりながらそれとなく聞いてみることに。


---


やってきたのはライスリッチフィールド側にある謎PCに立てた温泉ホテルのインスタンス。


ここなら外に会話がもれる心配もない。


「村でのハルミルさんの扱いがひどいように思えるのですが…」


「それは私が元々流れの狩人で…」


ハルミルさんは割と大きな狩人の集まりに所属していたがこの村に来て劣獣狩りをした際、前村長から村にとどまって劣獣を定期的に狩ってくれれば賃金と衣食住を提供するという話があり、それを受けたのだと。


話を受けた中で承諾したのはハルミルさん一人。


そこで狩人の集団を抜け、村に残って定期的に湧く劣獣を狩る日々が始まった。


最初のうちは歓迎されていたがハルミルさんがあまりにも手際よく劣獣を狩るせいか、実は簡単に倒せるのでは…と思われ始めたらしい。


ある時、村の若者達が腕試しと無断で劣獣狩りに向かいそれはもうひどいしっぺがえしを喰らって這う這うの体で逃げ帰ってきた。


その若者たちは自分たちの失態を棚に上げ、前村長から劣獣狩りを頼まれたと嘘をついたと。


多勢に無勢で前村長は他所の村へと放逐され、繰り上がりで今のいけすかない村長が席に座ったという。


ちなみにこの村の村長は複数いて何かあれば議決を取るのだと聞いたが何の効力も無い事が浮き彫りに。


劣獣狩りの仕事は残ったが得られた魔泉の殆どは今の村長の一声で村の収益となり、ハルミルさんはタダ働きに近い状態。


そんな状態で何故村を出ないとかと尋ねるとロスミアさんの事が心配で…という。


ロスミアさんもこの村で搾取されている一人で、彼女が居なければ村としての体裁を保っていられないというのに面倒な買取所の運営を押し付けていると。


ハルミルさんが言うには普通買取所には最低でも3人は常駐し、村人が交代で作業に当たるというのだが、この村ではロスミアさん一人が重責を担っている。


元々はロスミアさんの父母も店に出ていたというが、高齢ということもあって今はロスミアさん一人。


僕がアヒルちゃんコンシェルジュをつけなければ多分過労で倒れていたんじゃないかというくらいの仕事量でしたし。


「この村の重鎮を全員入れ替えても村人が同じような考えをもっている以上は…」


この世界に行政というものがあれば上からの圧力で是正も可能かもしれないが、なにしろ村以上のまとまりがなく、各村ごとに自治がされている状況では…。


未だにこの世界のまとまりについては詳しい情報が無く、本当に国が存在しないのかという検証も出来ていない。


やはり他の村へ偵察に出かけたほうが良いのだろうか。


村によっては情報を収集できる酒場のような場所があると聞いたので、情報料を払ってでも聞き取りを行いたいくらいだ。


「とりあえずログアウトしますか…」


ちょっと聞きづらい事をお尋ねしてしまい、ハルミルさんには悪い事をしてしまった。


ちなみに彼女の接続深度(シアー)は5万を超えている。話をしている間に上がったのかもしれない。


---


ロスミアさんとハルミルさんを救うにはこの村を改革するか、あるいは別の場所に村を興すか。


他の村への移住も考えたが村という狭い世界なので他所から来た人間はそうそう受け入れられないだろうし。


ちなみにレジ端末は複製しようと思えばすぐにでも可能。


双子製作所による解析でレジ一式、魔泉の買い取り端末、お取り寄せロッカーなども準備可能。


双子が調べた限りではレジ端末に与えられたユニークIDは偽装可能との事。


レジを初回起動した際にランダムに割り当てられる1億桁ほどあるキーは被りさえなければなんでもよいらしく。


このシステムを作った人間は何を思ってこんな状態にしたのか。


おそらくは数えきれないほどの端末をデータベース化するよりも被りのないユニークIDさえ通ればよしとしたのだろう。


住む場所もレジで買えばすむ話ですので。


調べたところ2階建てのプレハブ小屋が共通金貨100枚くらいからなので僕らが頑張って劣獣を倒しまくれば買えない額ではない。


二人が村を離れると決まったわけでは無いので、この案は当分凍結することに。


---


「今夜お呼びしますので寝る時にこちらを身に着けてもらえれば。ロスミアさんにも同じものを渡してあります」


お二人を境界の地にお呼びし、今後の生活について話ができればと思っていますが。


まぁ、その前に境界の地の洗礼を受けてもらうことになるのですけれど。


二人がどんな反応を示すか…温泉ホテルのロビーでもずいぶんと驚いていらっしゃいましたし。


後の事はアヒルちゃんたちに任せ、僕はライスリッチフィールドへと戻る元にした。

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