ロスミアの接続深度を計測する勇者
ファンタジー世界側に顕現し、アヒルちゃんたちの現在位置を確認すると森の中にある畑付近にいるらしいと判明。
おそらくは開墾作業を手伝っていると思われるが、この時間は劣獣を狩りに行かなくても大丈夫なのだろうか?
劣獣の湧くタイミングが今一つ謎となっており、村の警備を行う上での問題点の一つ。
監視ドローンを24時間飛ばしてはいるが、感知したからと言ってすぐに対応できるわけではない。
なにかしらの前兆があれば分かりやすいのだが、劣獣は突如湧き出すので予測も困難となっている。
『勇者さま、いまからどちらへ向かわれるのでしょう?』
「村の交換所に顔を出してロスミアさんにVRゴーグルをお渡ししようかと」
まずは彼女に説明をしてハルミルさんが見つからなければ後から情報共有してもらえばよいだろう。
説明と言っても安全な場所で体を横たえ、ゴーグルを被ってもらうだけとなっているがそれでも使ったことのない人にとっては未知の道具にしか見えないわけですし。
後は簡易的な接続深度のチェックを行おうと思う。
初回で3万くらい出ればライスリッチフィールドへ意識を飛ばせると思われますので。
うちの課長のように5千前後をうろうろする程度ですと通常コンテンツくらいしか楽しめないのですが。
一応アヒルちゃんたちには来訪を告げてはいるが、ちょっと手が離せないという返事が返ってきたので後で覗きに行くことに。
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「いらっしゃいませ!サブローさま~」
「お久しぶりです。ロスミアさん」
どう見てもコンビニの制服に身を包んだロスミアさんがレジ横の商品補充しているところでした。
あいかわらずふわっとした感じの喋り方をするロスミアさん。
店内には先客がおり、僕を見て目をまん丸にしている紺色のタクティカルベストとカーゴパンツといういで立ちの男女のペアが。
「あれって重戦闘服?」
「共通金貨一千枚だっけ?」
僕のこの姿はレジでお取り寄せが出来る商品一覧に類似品が掲載されており、割と高額らしい。
共通金貨一千枚。共通金貨は1枚で日本円で10万円から20万円程度の価値があると思われ、大体1億から2億といったところか。
ちなみにレジで買えるものの性能は深緑の慈悲と比べるのはちょっと可愛そうな感じのスペックとなっている。
そもそもパワーアシストも無いですし、金属鎧のSFバージョンとでもいうべきか。
「あの?あなたもこの村の劣獣を狩りに?」
女性の方から声を掛けられた。僕がよほど珍しいのか?
「ええ、そんな感じですが」
「人づてにこの村の劣獣が増えているって聞いたんですがあなたも?」
「僕は最近この村から出たことが無く他所の情報には疎いので」
「そうだったのですか…専属なんでしょうか?ごめんなさい聞いてばかりで」
「そんな感じですね。劣獣の対処は仲間に任せることが多いのですが」
この二人がアヒルちゃん達を見たらどんな顔をするんだろう。
なにしろパワードスーツの胸元にはアヒルちゃんの顔がついてますし。
さすがにあれはお取り寄せでは買えないのでどう切り抜けたらよいものか。
劣獣の情報はだれがもたらしているのかと尋ねたら狩人同士の独特なつながりがあるらしい。
ここからそう遠くない村に取引所を兼ねた居酒屋があるようで、そこで情報を買えるとか。
一度確かめに行ったほうが良いだろうか。
アヒルちゃんワンボックスで飛べばすぐだと思うのですが、あまり大っぴらに移動手段を使うのもどうかと思うんですよね。
この世界、基本は徒歩か馬に似た動物を使うか。
レジで一応移動手段を買えるのですがとにかく高いんですよ。
一番安い2輪車でも共通金貨500枚くらい。それもエネルギーは別売りという。
普段の足に使うとなると収支マイナスまっしぐらでしょうし。
先客二人は消耗品と食糧をいくつか買い求めて店を後にした。
「ロスミアさん、ちょっとよろしいですか?」
「魔泉の買い取りでしょうか?最近劣獣が増えていて買い取りのお客様が大勢お見えに~」
「今日は通信手段をお渡ししようかと」
「通信手段?」
「僕達のところにいつでも連絡が取れるように。あとはこちらの世界を見ていただける道具も用意していますので」
用意してきたすまほーちゃんとゴーグルをお出しするとロスミアさんが首をかしげる。
「ちょっと説明が必要なのですがお店の方、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です~」
手短に持ち込んだアイテムの説明と接続深度の(シアー)の測定を行う事にした。
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「初回4万…何らかの適性があるのかな?」
サーバーへの接続テストのみを行い、計測された数値は境界の地やライスリッチフィールドへ顔を出すには十分な値となっている。
この調子でハルミルさんの値も高ければ良いのですが、まだご本人とお会いできていないんですよね。
「ちなみに取引所の営業時間ってどうなっています?」
「夜明けから日が落ちるまでですね~」
夜閉まっているのは確認していたが日没までとは気が付かなかった。
営業時間に被ることはなさそうだな。
「夜、寝るときにこのゴーグルをつけていただければこちらからお呼びいたしますので」
「?」という表情になるロスミアさん。
「実際に見ていただいたほうが良いと思いますのでもう10分くらいお時間よろしいですか?」
せっかくなのでライスリッチフィールド側にある謎PCに温泉ホテルのインスタンスを立ててそちらに顔を出してもらうことにした。




