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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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乾杯の音頭を取る勇者

準備が整ったという連絡が来たのでみなさん揃っておおえだちゃんのおうち2号、9階の多目的ホールへと向かった。


1階層の移動なので廊下を使うことに。


おおえだちゃんのおうちは部屋全体がらせん構造の廊下でつながっており、廊下を歩けば下の階にそのまま降りられる。


エレベーターは一度に10人しか乗れませんので。


本日はめずらしくマッスルキングさんもお見えとなっている。


玉座を空けてしまって大丈夫だろうかと思ったが、一晩くらいなら問題無いという話でした。


国王夫妻がそろって出かけるのは珍しいのでは?


9階のホール出入口にタングラート城主ご夫妻が並んで待っており、マッスルキングさんとオパール王妃が前に出て挨拶を。


今日は城主ご夫妻にも宴に参加してもらうことになっている。


他の国の方もお呼びできればと思ったのですが、先日の水害による復興作業中の為、また日を改めて行う事に。


あの雨雲が何故猛威を振るったのかは未だ解明されておらず、魔導結界を抜けて結界の外に出た後の状況もつかめていない。


もしかすると古代遺跡にも何かしらのダメージを与えた可能性があるが、今はそれらを調べに行けるランクの高い冒険者が見つからないというので。


何なら僕が見に行っても良いのですが。


Bランクになってからの本格的な迷宮探索が被害状況の調査というのもちょっと荷が重すぎるかなという感じで。


その辺は冒険者ギルド長と相談しようと思いますが。


話がそれたが、国の代表同士が顔を合わせることなどよほどの事が無い限りは実現せず、こうして直接顔を合わせるのは随分昔に1度あったかどうかという。


マッスルキングさんの父親が遠征中、グランディオーラに立ち寄ったという話らしい。


ちなみにマッスルキングさんのご両親は健在で、7賢者と呼ばれる各国を裏で束ねる要職の末席に身を置いている。


何度かお会いしているのですが、顔を直接見たことは無いんですよね。お面つけてましたし。


そういえば最近7賢者筆頭のワンレさんからの便りがないなぁ。元気にしているのだろうか。


彼らもまた一堂に会するのは10年に1回か2回だという話でしたね。


殆どの時間を結界の外にある高難易度の古代遺跡で過ごし、国に有益な魔導具を持ち帰っていると聞いた。


「勇者さま!こちらへ」


ちょっとぼけっとしていたら姫さまに手を引かれて席に着くことに。


どうしてお誕生日席なのですか?ここは国王様や王妃さまの座る場所では?


---


『益田よ、見えておるか?』


「大丈夫です。なんかいい雰囲気の部屋ですね」


『それはこちらのセリフだ』


そんなわけで時間となり、地球と通信をつなぐと互いの部屋が見える状態となる。


社長達は30畳ほどの中宴会場を取ったようだ。


あちらは宴会場の隅に中継用のノートPCを置いているようで、広角レンズに映し出された部屋全体が見渡せるようになっている。


障子がしまっていて外の様子は見えないが、日中ならば景色を楽しみながら飲食が出来る部屋ではないかと予想。


対するこちらは40人で使うには広すぎるほどの多目的ホール。


テーブルは10人ほどで囲めるものが6つと主賓用のテーブルが2つ。


僕はその主賓用のテーブルのど真ん中に設置された。何故?


タングラートの侍女さん達が席を回って飲み物を用意している。


こちらの世界にも一応乾杯の音頭を取るという作法がある。もしかすると昔のみっちゃんさんが遺したものかもしれないですが。


最初に口にするお酒はタングラートの濁り酒となった。僕は飲めないのでジュースですけれど。


年齢に合わせた飲み物が行き渡ったところで画面の向こうから社長の声が聞こえた。


『益田、音頭取りは任せた』


何を言えばいいんですか?普通偉い人がやるんですよね?


「お疲れ様です。本日は大いに飲んで食べてください。乾杯!」


気の利いたセリフなど微塵も浮かんでこない。


それぞれから「かんぱーい」の声が聞こえ、グラスの中身を飲み干す。


地球側は生ビールのようだ。ひなちゃん大丈夫かな。それと薫先生…。


大学生二人組とアリスちゃんはジュースにしたようで。


「あかね、お姉ちゃんのお酌じゃ飲めないっていうの?」


「姉さん、わたしお酒は飲めないから…」


時間制限アリだがアカネさんのお姉さんをお呼びしている。


クロツキからダイブシステムを貸与され、暇なときに遊びに来るのだがいつももふもふさまと戯れて帰っていくんですよね。


今日はアカネさんに絡んでますが。


地球側で呼んでもらっても良かったのだが、ご本人がこちらに来たいとおっしゃられたので。


お目当てはもふもふさまだろう…。姉妹そろってもふらーというのも。後は掛け算をたしなまれるという話でしたが詳しいところまでは聞いてない。


「おにいちゃん、ジュース飲む?」


結局妹さまはこちらに呼ぶことにした。


なるべく長くこちらに居られるようぎりぎりまで呼び出すのを待っていたのだが、いつの間にか姫さま達のリハーサルに混じって歌っていたらしい。


滞在時間は伸びていると思うので宴会が終わるまでは持つと思うのですが。


ちなみにジュース類は自販機の物がメインとなっている。タングラートでは絞って飲める果実類が酸味の強いものばかりというので。


「サブロー様!」


妹さまと戯れていたらタングラート城主夫妻がお見えに。

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