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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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おおえだちゃんのおうち2号でのリハーサルと勇者

古文書解読チームとの打合せが終わり、10階のペントハウスになだれ込むとなかなかカオスな状況となっていた。


「あれ?もう配信やってるの?」


「はい。しゃちょーさんからりはーさるも見たいという話がありましたので」


僕はリモートの飲み会なので謎ノートPC1台だけでやるつもりだったのですが随分と本格的なカメラが出ているので驚いた。


どこの世界に宴会芸を放送局レベルの機材で配信するつわものがいるのか。


ちなみに宴会は9階の多目的スペースで行うことになり、今は席の準備のためにタングラート城の侍女さん達が入っている。


今日食べるお魚も大黒屋さんから運ばれて来たというので楽しみだ。


そういえば社長達はいま何処に?


「今、温泉に向かっているそうです」


先にチェックインをしてひとっぷろ浴びてから宴会になだれ込む流れなのだろうか。


薫先生からクロツキテクノロジーの社用車がものすごいゴージャスだと聞いた覚えがある。


全固体電池で1回充電2000km走るらしい。


ちなみにヤマさんのおじいさまも一台持っているらしく。


ヤマさんのおうちのリムジン、簡易トイレまでついているらしい。


元々はヤマさんがお見合いに行くためだけに車を買って特装したというのだからお金持ちの考えることはよく分からない。


結局ヤマさんを実家に連れ帰るためだけに1回使っただけらしく…。


本来ならば何度もお見合いをする予定が僕という謎物件が内定してしまったので車はおじいさまの足として使われるようになったとか。


ごくまれにおじいさまとおかあさまが境界の地へお越しになり、僕と話をするのですが…正直話のネタが異世界でのどたばたくらいしかなく。


僕が普通だと思っていることが、一般人から見れば異常だということがなんとなく理解できたかなという感想ですが。


日課のように魔獣を倒しに行って宝箱を見つけてくるのは十分すぎるほど異常な話なんですよね。


その辺は感覚が麻痺しているので、ルーチンワークくらいにしか考えていないのですが。


『益田、なかなか面白そうなことを考えたな。本番を期待しておるぞ』


リモート画面に社長の顔が。


そんなに期待されるとちょっと緊張するのですが。


とはいえ、メインの出し物は姫さま達なので僕は一発芸でも披露しようかな程度にしか考えておらず。


ちなみに課長には若干受けたので多分大丈夫だろう。


ひなちゃんは僕のイメージが変わったと言ってたけれど、そんなに変わるものなんですかね。


というか時間余りまくりだな…。


各地に置いてある監視システムの調整でもしようかな。


---


「勇者さま、そろそろ移動の時間です」


随分と作業に没頭していたようで、気付けばペントハウスの窓から夕日が差し込む時間となった。


地球とは若干時差があるのであちらはもう夜のとばりが降りる頃だろうか。


「あれ?姫さまお風呂に入ったんですか?」


「りはーさるですこし汗をかいたのでおふろをいただきました」


ペントハウスのお風呂はガラス張りの大型ジャグジーとなっており、海辺を一望できる絶景をたのしみながら湯につかれる。


一応覗き見対策が施され、外からは覗けないようになっていますが。


何しろ末広がりとなった巨木の先端部に位置する部屋、それも海側に窓があるので覗きは不可能という話もありますが。


僕は特に何もしていないのでお風呂は後でよいだろう。


---


一報その頃、地球では。


「ますだっちの言った通りでござった。うっかり顔を漬けて大変な目にあったでござるよ」


「ねぎっちいきなりやるんだもん。言われた事忘れてるのかと思ってびっくりしたよ」


地元でも有名な温泉宿にチェックインしたクロツキの面々、そして薫を含めた教師と大学生の御一行様は温泉を堪能した後だった。


「潮の香りなんでしょうか?初めて入りましたけど」


皆、風呂上りに冷たいコーヒー牛乳などを飲みながら休憩所で涼をとっていた。


地元に住んでいるひなも初めてという塩化物泉は筋肉痛や疲労回復に効能があるらしいもので肩こりが気になるひなにはうってつけのものだった。


「ひなっち肩こりそうだもんね。ちょっとわけてほしいかも」


着やせするひなのご立派は本当にご立派である。


「そういう鴨原も肩がこるだろう。あそこのマッサージ機を試したらどうだ?」


ヤマが指さしたのはコインを入れて動くタイプのマッサージ機。


それも割とレトロなもので今時もみ玉が露出したタイプ。それも側面についたハンドルで上下するものだ。


もちろん最新式の全身マッサージ機もあるのだが、何故かヤマはレトロな方を指さしていた。


「やまっち、あれ強烈なやつじゃない?体がばらばらになりそう」


「ばらばらになったくらいが丁度いいだろう。ちょっと試してこい」


「えー。やだっす。この後おはしが持てなくなったら死活問題っす。やまっちが試せばいいじゃないっすか」


鴨原はこの後の宴会に響くと言って拒絶した。


「まったくおおげさな…」


佐々木社長はマッサージ機に小銭を投じ、動き出したもみ玉を操作して自分の肩に押し当てる。


「根岸は大げさだな。ちょうどいい塩梅じゃないか」


小柄な佐々木社長はもみ玉にシェイクされ、うっとりとした表情に。


「社長、大丈夫すか?」


絵面が大変よろしくない。


はた目には浴衣姿の少女がいまにも胸元をさらけ出してぽろり寸前となっているのだ。


まぁ、ぽろりとこぼれおちるご立派はないのですが。


いてえ…何かに頭を殴られたような感じが。

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