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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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サブロニア地下にある巨大宇宙船の初期調査に向かう勇者

「ゴーダよ、サブロー様の指揮に何か問題があると?科学庁の秘匿した工場での報告は聞いているであろう」


「タマヨさま。申し訳ございません。実際に目にしたわけでは無く、サブロニアをよく知らない外部の者に顧問を任せるのはどうかと思った次第で」


確かに完全に外部の人間だよな。それも星の外から来てるわけだし。


ただ、ここの議会に調査を任せたら多分数年いや数十年かかっても最初のセキュリティすら突破できないのではという感じで。


そのセキュリティはもう開けちゃいましたけど、中の様子まではまだ見ていないんですよね。


随所に難関が立ちふさがると思われ、人の一生を掛けても多分何もわからないのでは。


僕には深緑の慈悲、ナーバルスーツという鍵があるので先頭に立てば調査もスムーズに進むでしょうけれど。


「ならば実際にその目でしかと確かめるが良い。工場内は不活性ガスが満ちている故スーツ着用となるが」


「私が現地に?」


ゴーダという人物、ちょっと横幅がなんといいますか。ふくよかなんですよね。


スペーススーツが着られるのかちょっと疑問なんですが。


「その目で確かめもせずに文句だけ言うのであれば誰にでも出来る。軍部の指揮を執るものが現場を知らぬというのはどういうことか」


ああ、軍の関係者だったんですね。初めて見たかもしれない。


まぁそんなわけで急ではあるが現地に赴いての初期調査を始めることになった。


これでまた日程を決めていつやりましょうだと逃げられる可能性があるとタマヨさまは考えたのだろう。


身支度の為、一度議会を後にする面々。


そういえば不活性ガスをどうするか聞いてなかったな。現地で話せばよいか。


何ならインベントリに圧縮して突っ込んで、この次に空へ上がった時にでも放出するか、どこかに亜空間を作ってしまっておくか。


船を再封印するようなことになれば必要になると思われるのでとりあえず保存の方向で。


---


タマヨさまはそれはもう凄い勢いで準備をして30分後には例の廃工場跡地のような隠し部屋の前にいた。


この階段を降りるだけでもどれだけ時間がかかるか分からないのでアヒルちゃんカーゴを急ぎ準備し、隠し階段の真下に横付けをして皆さんに乗り込んでいただく。


今日例の宇宙船を見るメンバーは30人あまり。


報告を聞いただけで何も見ていない人が15人ほど、後は前回同行した護衛部隊を含んだメンバーとなる。


もちろんタマヨさまも同行を。


ちなみに場内の照明はつけっぱなしとなっている。


この照明の電力がどこから来ているのかそれも謎なのですが。


「見よ。サブロー様のお力添えが無ければ我々は下に降りるだけでどれだけの時間を無駄にすると思う」


床まで数百メートルありますし、延々と階段を降りるのは一苦労でしたよね。


前回は説明しなかったが一応つづらおりの階段となっている。


これだけの高さをぐるぐる回るだけでも目が回りますし。


アヒルちゃんカーゴは垂直に降下し、床面には数十秒で到着した。


---


全長1kmあまりの船体はいつ見ても距離感がバグる程度にはおかしい存在だ。


メインハッチのある部分から船首方向を見ても何があるのかすら分からない。


不活性ガス自体にはチリやほこりといったものが含まれていないのかそれとも重力の影響で床に落ちているのか、遠くまでくっきりと見えるので余計に混乱する。


船体自体にはそれ相応の年月が経っているのを感じさせるかのようにうっすらとチリのようなものは積って見えるのですが。


歩いても床の埃が舞い上がるようなことは無い。それがまた不思議なのですけれど。


「では、ハッチ解放します」


おそらくは人員が出入りするためだけの縦横数メートルの四角い扉が「ぱすん」と音を立てて左右に開く。


ここが開くのは前回確かめており、中に入るのは今回が初めてである。


「タマヨ様、これだけの護衛で内部に入られるのは危険かと…」


「サブロー様が下見された結果では危険性は無いと出ておる。この船がこのまま使えるか確認できれば星海への復帰も容易になるであろう」


今確実に星海に出られる船は小型船しか無く、長距離を移動できる大型船はそもそもが星喰いの餌となる可能性があってサブロニアには存在しないことになっていた。


そこにきてこの大型宇宙船が発掘され、程度が良ければ星海へ漕ぎ出す足として使おうというのだ。


どうやって外に出すのかがまだ分からないのですが、しまい込んだ以上、出す方法は必ず存在すると思われますので。


ちなみに反対したのは先ほど僕の参加に異議を唱えたゴーダという人物。


他の面子は口にこそ出さないものの割と不満げな態度を取っていたのだが、遺物と呼んでもさしつかえない船のロックを簡単に外したところを見て面食らっている様子。


「タマヨさま。船内のシステムへアクセスする許可を頂きたく」


「そのあたりはサブロー様に一任する。我々にはどのみち手を出すこともできぬゆえ」


僕が居ない間に船へアクセスを試みたがメインハッチは応答すら返さなかったと。


そういう僕も深緑の慈悲が無ければ多分何もできなかったでしょうけれど。


「深緑の慈悲、念の為電子防壁を起動、船内システムへのアクセス開始」


メインハッチを開けた時点でおそらくは殆どのセキュリティがクリアになっていると思われますが。


バイザーに認証画面が出ては消え、いくつかのチェックを経た後に何かの管理コンソールが表示された。

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