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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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セクション管理AIと接触する勇者

おそらくはここの施設で何かしらの作業に従事していると思われる着ぐるみの人。


いや人ではなさそうだけど…。


彼女を地面に座らせ、意識が戻るのを待つことにした。


連れ帰ることも考えたが、この施設での仕事が回らなくなる可能性もあるので。


その間に王族チャンネル経由で今の事態を中継することに。


もちろんクロツキテクノロジーにも配信を行う。


この宇宙船で出会った最初の人型生命体?たぶん生命体ではなさそうですが。


星美はセントラルコンピューターであり、自らの端末を持たない設計となっているらしく、今のところは素体も不要だというので提供はもう少し後にしようと思う。


どの程度の期間かは不明だが長い間手足となる端末無しで船を運営してきたので体についてはそれほど重要視していないらしく。


船内の調査が進み、星美の端末となるドローンを各所に放っているのでそれで充分とも言われているので。


姫さまとしては星美にもお屋敷に来ていただきたいと思っているようだが、彼女はカメラとモニタ、音声入出力さえあれば問題ないという話で。


昨晩もVRチャットよろしくワイプでの顔見せをしていましたけれど。


境界の地にもすまほーちゃん越しにしかあの雰囲気を味わってもらっておらず、是非生身?でアトラクションを楽しんでもらえればとは思っていますが。


そんなことを考えていたら着ぐるみの方がもぞもぞと動き始めた。


一応深緑の慈悲はそのまま。顔出しだけしておくことに。


---


「当艦の畜産管理をしている制御ユニットの1つ。識別名称は無い。艦のコンピュータより当艦が置かれている現状についてデータを受信。おおよその事象について把握した。あなたが当艦のマスター、識別名称サブローで相違ないか?」


先程の怯えっぷりはどこへ行ったのか、はきはきと答える感じはまるで別人のような雰囲気、いや人ではないか。というのも何度目か。


平たく言えばアンドロイドに分類されるであろう彼女はこのエリアを統括するAIの端末らしいというところまでは分かった。


星美は船全体を俯瞰するメインサーバーであり、それぞれのセクションに専用の管理システムが張り付いているらしい。


今まで発見したセクションではその存在を認識できなかったが、星美が再起動した後で各システムも順次再起動を行っており、一番早く目覚めたのがこの草原を管理するAIらしいと。


休眠状態にあった施設を再起動し、船の中で消費される食糧や衣料品の原料の製造に当たっていたと。


ちなみに各エリアは完全に外界から独立しており、外の様子を知ることは基本的には出来ないと。


これ、もしかして調査済みエリアにもう一度戻って管理AIの生存確認をする流れでしょうか?


ちょっと大掛かりになりそうなので各国を回って調査部隊を再編成した後に行おうと思うのですが。


それよりも気になるのが。


「どうしてその恰好なのですか?」


「元々の創造主の注文だったらしい。詳しい事は聞かされていない」


着ぐるみはこの宇宙船を建造した何某の趣味だったようで、特にそれ以上の意味は無いらしい。


動きづらいこの姿でどれだけの期間ここにいたのかは不明ですが。


ちなみに彼女も記憶を初期化され、作業に必要な情報のみをインストールされた状態となっていたと。


なので僕達を見たときにこの宇宙船の乗組員が立入禁止エリアに侵入したと思い込んだらしく。


見分けるポイントは着ぐるみ。つまりこの制服を着ていない人物は全て外部からの侵入者とみなすという…。


一応意味があったんだ、着ぐるみ。


彼女以外にも管理用の端末が起動されており、この草原のあちこちで活動中との事。


それぞれに個性は無く、大元の制御用AIの人格を持った素体が複数いるような状態になっているようで。


ゆえに個体識別名も不要。先程星美が行ったデータ転送によって全部のユニットが同期し、僕達を見ても敵対行動は起こさないと。


ちなみにこの草原を調査中の宮廷魔導士についても星美から情報が伝わっており、万が一遭遇しても問題は無いとの事で一安心した。


「では、仕事に戻ります…ちなみにこの艦の乗員の消息は…」


星美から船が再起動したこと。船は無人の状態で放置されていたことも聞いたようで、彼女は乗員の安否が気になると。


「正直、この船がどのくらい前からこの星に放置されているのかそれすら分かっておらず、肝心の情報についても船を残す際に完全消去されていて、乗っていた人たちについては今のところ何の手掛かりも見つかっていないですね…」


数千年、もしかしたら万年単位でモスボール状態になっていた可能性もあり、いくら長命な種族であろうと生きていたら奇跡くらいのレベルで。


「生産される物資を消費する乗員が居ないとなると生産そのものを見直す必要が…」


溜まる一方の物資の供給先は今のところ特に考えてはいない。


この星でそもそも消費できる材料なのかというところから調べないとならないですし。


他にも生産拠点が見つかれば同じように生産縮小をしてもらうしか無さそうですが。


「備蓄分の生産が終わったあたりで彼女達をまた眠らせないと」


彼女達とは羊や牛に似た疑似生命体の事だ。


せっかく目を覚ましたばかりなのにまた眠りに付かせるのはかわいそうな気もしますが。

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