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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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二足歩行する着ぐるみを探しに行く勇者

姫さま達、本日はツクヨミ神社のサポートに向かわれるとの事で、僕とシロさん、どりあーどさん、そして黒竜というメンバーでやってきたドライドッグ。


王城郊外にあるゴーレム研究施設の隣には以前僕が乗ってきたシャトルと共に宇宙船が並べられ、一応天幕も張られている。


どういう技術で足場が組まれ、被いが被せられているのか非常に謎ですけれど。


従者の星も以前は仮囲いだけでしたが、今は割と堅牢な外壁によって守られ、見た目は何かしらの建物のようにも見える。


宇宙船は最終的にどこへ置くかは決まっておらず、仮囲いはそのまま維持されるそうで。


もしかすると各国を定期的に巡回するといった運用になるかもしれないとの事。


早いところ内部の全容を明らかにする必要があるのだが、宇宙船内部に広がる草原がどこまで続いているのかまずはそれを明らかにするのが目標となっている。


昨晩のうちにドローンは割と飛行距離を稼ぎ、本日中には1周するのではという予想がなされている。


今のところ草原のある大地は球体ではなかろうか説が濃厚となっており、亜空間内に小型とはいえ惑星を生成するような高度文明が存在したというとんでもない現実を突き付けられることに。


この星自体が何らかの特異点で様々な文明を引き寄せているのではという気が。


その文明に共通するのは星喰いと呼ばれた例の生体兵器から逃れるために試行錯誤していたであろう点。


その星喰いさえいなければ船体コンピュータのデータを全削除するような事態にはならなかったはずで、貴重な情報を得る機会を失ったことは非常に残念でならない。


現存する施設に残った情報をかき集め、なにかしら有効利用できないかを今調べているのですが。


「とりあえず、昨日目撃された二足歩行の着ぐるみを探しますか…」


今日、この平原に来たのは昨晩の星美の報告にあった着ぐるみを捜索するためである。


着ぐるみかどうかはまだ分からないが身体的特徴を見る限り、誰かが意図的にあの姿となって疑似生命体の世話をしているであろうという仮説を建てた僕。


もしも話が通じるのであれば何かしらの情報を持っている可能性があり、船内の捜索にも役立ちそうだなという希望があるのですが。


問題の場所へは草原の出入り口から数十kmほど進んだ先にあると星美に聞いているので、アヒルちゃんワンボックスを取り出し、しばし空の旅を。


---


余り変わり映えのしない草原を飛ぶこと10分あまり。目的地が見えてきた。


草原に点在する超大型の畜舎とそこに放たれた羊や牛に似た疑似生物の群れが眼下に広がる。


彼らを驚かさないようやや遠くに着陸し、そこからは歩くことにした僕達。


黒竜を肩車し、シロさんとどりあーどさんを伴ってさらに10分ほど歩くと目的地に到着。


問題の着ぐるみを探すと丁度畜舎から出てくるところであった。


しかしなんというか不審者だよな。僕らが。


姫さまから深緑の慈悲の着用を義務付けられており、いかつい黒鎧がのしのしと歩く姿は恐怖でしか無かろう。


頭上にはようじよ。右には金髪のメイド、左には緑髪のバニーを伴っており、この場に一般市民が居れば間違いなく通報されるであろう。


着ぐるみさんは僕達の姿が視認できたのか、ぴょん!とかわいらしく飛び跳ね、被り物が一瞬ズレたようにも見えた。


「すいません。あやしい恰好をしていますがあやしいものではありません。現在この宇宙船の調査をしているサブローとその仲間です。よかったら話を聞いてもらえませんか?」


着ぐるみさんはわたわたと両手を上げてふりまわす。


すると牧場に放たれていた疑似生命体である羊や牛たちが一斉に畜舎へと吸い込まれ、あっというまに姿が見えなくなった。


『それいじょうちかづかないで!』と分かる言葉で着ぐるみさんから声が聞こえた。


おとなしく従うことに。


声からすると女性のようだが…。


---


ぱたぱたとあぶなっかしい足取りで掛けてくる着ぐるみさん。


見た目は羊に近いだろうか。もこもこ具合が半端ない。


息を切らしつつ僕達の前に立った着ぐるみさんは流れるような手つきで被り物を外す。


見た目は10代後半と言った感じの女性だろうか。すこし短めの茶髪だが瞳の色は燃えるような赤いもの。


そして虹彩には幾何学模様のような何かが見える。


どうも人族ではなさそうだ。


「ここは一般乗組員の侵入が禁止された場所。何をしている!」


「ああ、それなんですが…僕達は乗組員というわけでも」


女性の表情がこわばるのが分かる。


困った時の星美だより。


「星美、この人を知っているのなら説得をして」


『申し訳ございません。本システムのリセット時に乗組員に関する情報もすべて抹消され、基本データベースにも登録がありません。よって説得材料が見つからず、星美は別のアプローチを試みます』


星美はすまほーちゃんの画面を着ぐるみの人に見せるようにいうので言われた通りにする。


『こちらは本船の管理システム。暗号化キーを送るので認証されたし』


すまほーちゃんが何度か瞬くと、着ぐるみの人の瞳から一瞬だが光が失われ、がくっと膝をつく。


倒れそうになった彼女を支えると意外と軽い。この着ぐるみは一体どんな素材で出来ているんだ?

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