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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ノンアルで酔いつぶれたひなを介抱する勇者

「勇者さま、お姿が見えませんでしたがでぃーえすおーに?」


「ちょっと薫先生のダイブマシンにお邪魔を」


「だいぶましんにお邪魔ですか?」


お風呂から出てきた姫さまが僕の姿が無かったのでDSOVRで検証をしているのだと思っていたらしい。


どりあーどさんと黒竜も連れて行ったので余計に。


薫先生のご両親に会えないかテストをするための準備だと話したら姫さまが乗り気に。


「わたくしも薫先生のご両親にご挨拶をさせていただきたく」


「とりあえずは僕一人でテストをしてその後ですかね」


大人数で薫先生のインスタンスに押しかけたら何が起こるか分からない。


ダイブマシン内部にインスタンスを構築するので基本的に一人、多くても数人を収容するくらいのキャパしか無いと思われますので。


境界の地やDSOVRといった謎空間の生成理論は未だに分かってない。


DSOVRは一応名目上の管理サーバーは存在するがDSO3Dとのキャラコンバートとログインデータ保持が目的であり、空間自体はどこに生成されるのかは調査する目途も立っていない。


おそらく異なる次元に亜空間を形成すると思われるのですが、エネルギーは何処から得ているのかも不明。


おおえだちゃんのおうちシリーズは地下にそれなりの規模のサブリアクターが存在し、そこからエネルギーを得て亜空間を形成。


まぁ、サブリアクター自体も燃料がエーテルとしか分かっておらず、炉の内部構造までは把握していない。


そんな未知の技術で動くこの世界にくる方法も実は解明されていないという。


精神境界面結合アストラルサイドコネクション技術もどこの誰が開発し、何故佐々木社長の脳内に突如としてその設計理論が降ってきたのか。


そのおかげで僕は地球の人たちと制限こそあれ自由に話が出来るのですが。


「せんぱーい。うちの親ともあってくれましぇんかー?」


降り返るとそこには一升瓶をぶら下げたひなちゃんの姿が。


「飲ませたの誰!」


「一口っていうから本当に一口飲ませただけでござる!それもノンアルでござるよ!」


みなさん、どうしてお酒沼に嵌るんでしょう。ノンアル?


一升瓶にはノンアル地酒風味と書かれており、たしかにアルコールは入っていない様子。


こんな商品もあるんだと感心するのと同時にどうしてアルコールもないのに酔っているのかが謎なのですが。


「ひなちゃん、こっちで横になって」


「せんぱーい、約束しましたからねー。およめしゃんにするってちゃんといってくださいよー」


「であれば拙者たちの両親にも顔を見せてほしいでござるよ」


もうぐたぐたである。


そもそも薫先生の事例が成功しないと何とも言えないのですが。


こちらの世界の写真や動画は接続深度シアーの低い人に見せると黒塗り画像としか認識されないという話なので、僕自身が出向いてももしかしたら全身黒塗りの状態にしか見えない可能性もある。


そもそも輪郭すら見えない恐れもあるわけで、薫先生からはとりあえずVRの温泉旅館にご両親を招待するという名目で入っていただき、NPCを装って近づいて反応を見ようとは思っていますが。


そういえばクロツキテクノロジー社の慰安旅行と日程が被らないかな?と調べたところ1日ずれていたので問題は無いだろう。


一泊の旅行には薫先生と大学生二人も呼ばれているということでしたので。


とりあえず酔ったひなちゃんに水を飲ませて後はみなさんに介抱をお願いしようと思ったのですが何故か腕をつかまれて放してくれないんですよね。


仕方なく胡坐をかいて膝を貸すことにしたのですが、知らぬ間にシロさんも空いている膝に頭を乗せて気持ちよさそうに寝ている。


ちょっと耳とか触っても大丈夫ですかね。シロさんのおみみさまがさわってほしいと僕を呼んでいる。


姫さまが何故か鬼の形相でこちらを睨みつけているのですが…。


すばやくシロさんの耳から手を放し、ホールドアップの体勢を。


---


翌朝。


何故かホールドアップ状態で寝ていた僕の上に姫さまがのしかかってくる。


「勇者さま、おはようございます!」


「姫さまおはよう…ちょっと腕がしびれているのでしばらくこのままで」


そういえばいつもの天井ではないな。夕べは迎賓館で寝たんだっけ?


そうなると朝ご飯を食べにお屋敷へ移動しないと。


「朝食でしたら迎賓館に運んでもらえるよう手配済みです。まずはお着換えを」


姫さまいつの間に。ああ、夕べのうちに手配していたんですね。そこまで気が回っていなかった。


着替えと言ってもいつものアロハとジーンズですけれど。


巨大ベッドのあちこちから「ううん…」とうめくような声が。


夕べ飲みすぎた人たちは大丈夫だったのだろうか。特にひなちゃんが心配なんですが。


どうしてノンアルで酔ってしまったのか。


とりあえず各所に朝の挨拶をメッセージで投げておく。


タイムカードの代わりというわけではないが、離れた場所にいる人にはこうやって生存報告をするのが日課となっている。


メッセンジャーのアイコンは自動的に活動モードへと切り替わり、散発的にメッセージが返ってくる。


ひなちゃんからは10分後くらいにとんでもない長さの謝罪文と共に朝の挨拶が返ってきた。


あれ、覚えていたんだ…。

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