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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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ダイブマシンへのゲートを開く勇者

「薫先生、どうされました?」


「みなさん一升瓶を抱えて何を?」


「実は境界の地で熱燗が飲めるようにしたのですが、それでちょっと羽目を外している方が」


大広間の片隅では既に熱燗など無視をした酒盛りが始まっていた。


「益田君、どんなお酒が飲めるの?」


「それが良く分からない銘柄ばかりで」


薫先生が飲みたそうな顔を。まぁ、お疲れですしおちょこ1杯くらいなら。


「あー!かおるせんせいだー。こっちこっち!」


カモネギコンビに捕捉されてしまった。こうなると行かざるを得ない状況に。


「先生、一口だけですよ。それ以上は」


「わ、わかっています。何度も失態を見せるわけにはいきませんから」


お酒がらみでの失敗は2度や3度ではない。


飲みすぎた勢いで何度かお説教も頂きましたし告白までされてますから。


とりあえず僕が傍にいて飲みすぎ防止役をやることに。


---


「サブローくん、ちょっとここ座って。お話したいことがあるんだけど」


おちょこ1杯だけって言いましたよね?僕。


カモネギコンビが用意したのは1合のガラスコップ。


一口飲んで「あ、おいしい」と言った薫先生はあろうことか一気に飲み干したのだ。


疲れているせいか一気に酔いが回ったらしく、お説教コースが始まってしまうのか?


本当にのんべいしかいないよな、僕の周りの成人女性。


「薫先生、明日に響くと困るので」


「らいじょうぶですよ。おとなですからそのへんはちゃんとわきまえて」


全然わきまえていないですよね。


「なになにー。薫先生の授業がはじまるっすか?」


飲ませた当人たちは責任のかけらも感じていないようで、薫先生をあおっている。


「うちの両親をここに連れて来たいの。何かいい方法は無いかしら」


「ダイブシステムの貸し出しならいつでもかまわんぞ」と一升瓶を抱えた佐々木社長が。


その一升瓶は殆ど空になっているんですが大丈夫なんでしょうか。


ちなみに薫先生のご両親はうちの親と同じく接続深度シアーが非常に低い。


薫先生のところにあるダイブシステムで測定した結果なので簡易的な数値しか分からないが境界の地へ来られるだけの深度は無さそうな気がする。


「いつまでも益田くんの事を黙っていられなくて…先週もお見合いするようにって写真まで見せられて」


それは初耳だな。薫先生が黙っていただけなのか。


先生のご両親は彼女の結婚についてあきらめきれない様子で何度も見合い話を持ちかけてくると。


ヤマさんの所のようにご家族の接続深度シアーが高ければ境界の地で会うことも可能なのですが。


「ああ、僕が既存コンテンツへ顔を出せればいいのか…」


ローカル環境で実行可能な温泉ホテルであれば二人とも利用可能らしい。


ならばこちらから出向けば問題ないのでは?


それが可能ならばうちの両親とも会えると思うのですが、ただ、うちの両親って勤め先が国につながっている可能性があり、僕が顔を見せてよいのか判断がつきかねるんですよね。


VR機材はヘルメットを社長が用意してくださるというので多分明後日くらいには到着するだろう。


その前に僕が薫先生のダイブマシンに移動できるかを試さないとならないのですが。


「一度十六夜さんの境界の地へ移動しますか」


ななや旅館からは移動する方法が無い。


十六夜さんのスペースに新たな次元扉を設け、薫先生のダイブマシンへの道を開く。


これまで一度もトライしたことが無いのでうまくいくかは謎なんですが。


一度妹さまのマシンで試してからのほうが良いかもしれないのですが、今日は妹さま来ていないんですよね。


昼間のうちに滞在時間を使い切ったらしいです。


何をしていたんだろう。DSOVRにでも行っているのか?


---


「薫先生、大丈夫ですか?」


「酔ってないですよ。本当に大丈夫だからおんぶは」


足元がおぼつかないので薫先生をおぶっての移動。


サンセットビーチはすっかり真夜中となっており、中天に月の三姉妹とよく似た衛星が浮かんでいる。


お付きはどりあーどさん。黒竜も一緒だ。


僕達が薫先生のダイブマシンへ移動できれば多分問題なく薫先生のご両親と顔合わせが出来るはず。


「DSOVRゲートの隣に作りますか」


直径3mほどある真っ黒な縦型の渦がDSOVRへの出入口となっており、その隣に薫先生のダイブマシンへのゲートを作成。


「接続関数は用意されているみたいだな…どうしてだろう」


これも存在Nによる介入なのかもしれないが。


グラフィカルなUIでゲートを軽く設計し、コンパイルが通ったのを確認して実行。


「ゲートオープン!」


遠隔操作で薫先生のダイブマシンに温泉ホテルのインスタンスを起動し、そこにゲートを接続するとホテルのドアによく似た物が生えてきた。


STAFF ONLYと書かれている。従業員用のドアという事か。


「とりあえず移動しましょう」


ドアには鍵はかかっておらず、開いた先にはいかにもといった感じの赤いじゅうたんが敷き詰められたホテルのエントランスが広がっていた。


---


「作りはあちらの温泉ホテルと同じですね」


海底温泉、洞窟風呂、露天と3つの巨大風呂が用意された温泉ホテル。


伊豆にありがちなリゾートホテルをほぼコピーしたと思われる内装は境界の地にあるものと寸分たがわずといった感じで。


ただ、外には出られないようですね。


ホテルの出入口にあるべき自動ドアが存在せず、壁があるだけなので。


「これで薫先生のダイブマシンへ接続できたようなので、後は実際にご両親と対面できるかのテストになるのですが」


「デバイスが届いたらすぐに試してもらうわ」


とりあえず見るべきものは確認したので境界の地へ戻ろうと思う。

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