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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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様子のおかしい派遣メイドさんと勇者

居酒屋は途中参加の派遣メイドさん達も興味があったらしく、お酒の飲める年齢の方が参加。


参加したうちのお一人の様子がおかしい。


おそらくは清酒のお燗など初めて口にすると思われるが、一口飲んで目を丸くし、そのままきゅーっと1杯飲み干すという事態に。


最初に飲み方を説明しなかったのが悪かったのですが、「ぷはっ!」とのんべいのおっさんみたいなリアクションを。


「たまんねー。ああ、なにこれ…わたし一体何を…」


おや?1合飲みほした派遣メイドさんの様子がおかしい。


ちなみに今の言葉、間違いなく日本語でしたけれど。


そのまま頭を抱えてテーブルに突っ伏してしまった派遣メイドさん。


「おぬしどうした?そんなに一気に飲むから」


早速ユークレスさんが介抱を。というか派遣メイドさんがけもみみの方なので近づいた説が濃厚なんですが。


ごくふつうの茶髪猫耳の方ですけれど。


「急性アルコール中毒ということはなさそうですが…」


境界の地では酔うことはあっても身体に影響の出るようなことは無い。


そもそも精神だけがこの世界へと飛ばされている状態なので元の体には一切影響しないはずなのだが。


というかもしかして転生者?このタイミングで何か思い出したとか。


「お客さん、閉店ですよ!」と日本語で話しかける僕。


がばっ!と起き上がった派遣メイドさん。


「大将、お勘定!」と日本語で答えましたね。


そこでおめめをぱちくりして「あれ。私今何を?」と急に素に戻った。


「もしかして前世をお持ちですか?」と日本語で尋ねる僕。


「分からないはずの言葉なのに何故か分かる」と狼狽える派遣メイドさん。


もしかして中途半端に覚醒しているパターンでしょうか?


ちょっと放っておけないのでななや旅館への道すがらいろいろと尋ねることに。


---


「そういえば子供のころ、突然変な言葉を口走って教会に連れていかれたような記憶が」


派遣メイドさんはエリザベートさんと名乗った。家名はあるがここにいるときは唯の派遣メイドなので名前だけ。


おそらくは子供のころに前世を思い出した時期があり、教会に行って祓いを受けたのだろう。


前世持ちの子供は物心ついたくらいに急に思い出すパターン、そして鈴のように命の危機を感じたときに思い出すパターンが存在していたが、まさかお酒を飲んで思い出すとは。


おそらくこの世界には無い熱燗の清酒を飲んだことで前世の記憶が揺さぶられたと思うのですが。


今はすっかり落ち着きを取り戻し、日本語が出てくることは無い。


ちなみに日本語で問いかけると理解はできるが何故その言葉が分かるのか疑問の方が先にくる状態らしい。


大人になって完全に封印されていたと思われた前世が外に出たがっているのかもしれないが。


初めてのパターンなので経過観察をしたいと思い、エリザベートさんについては出来る限りお屋敷の当番をしていただくようオパール王妃にもお話をしておくことに。


今の現場にいらっしゃったので話が早くて助かりますが。


僕の使命の中にはおそらく前世持ちの人を助けるという隠れミッションが存在していると思われ、行く先々で見つけた前世持ちの子に対して何らかのアクションを取っているのですが、まさか成人した方の前世を引っ張り出してしまうとは夢にも思っていなかったので今後の対応方法も改めなくてはという感じで。


一番身近にいて前世持ちを疑っているのはユークレス王妃だ。


本人はありえないと否定しているが、なんというか行動パターンが日本のおっさんにそっくりなのだ。


あと、セクハラまがいの行動を取っている時の表情とか。


見た目女子中学生なのに非常におやじっぽいんですよね。


なんとかしてユークレスさんの化けの皮を剥いでみたいと思っているのですが、ガードが堅くて何とも。


もしかすると単純におっさんくさいだけの女性なのかもしれないのですが、僕に備わった直感が違うと警鐘を鳴らしているので。


ユークレス王妃のことはとりあえず横に置いてまずは派遣メイドさんを全員調査してみようかと。


メイド寮に作った星海の学び舎といういい媒体があるのであそこに過去の記憶を思い出させるような何かしらの仕組みを備えようかと。


さりげなく日本の書籍類、それもマンガの類をさいせいくんRXで読めるようにして置き、反応を見るのも良いかもしれない。


エリザベートさんには後程個人的な連絡手段を持たせることにして、何かあれば僕に相談してもらうことに。


---


「サブロー、ここにもあたためちゃんを」


ななや旅館について早々、熱燗を飲みたい方々が電子レンジの設置をするようにと僕に圧を掛けてくる。


特にユークレス王妃が。熱燗に嵌ってしまったのだろうか。


七夜さんに断りを入れてから宴会場の片隅にあたためちゃんを何台か取り出して使えるように設定を行う。


置く場所が無いのでローテーブルを1つ占拠することに。


ちなみにお酒は自販機コーナーから一升瓶を何本も持ち出し、アヒルちゃんカートで運んできている。


ななや旅館の厨房には一応食器類がそろっているのでガラスコップや湯呑を取り出し、おつまみ自販機で適当な乾きものを見繕っていただくことにした。


何故か徳利などもそろっていたのでそれも取り出しておく。


七夜さんにも熱燗をお勧めし、徳利で温めた清酒をおちょこで味を見ていただく。


「熱いにほんしゅというのも良いものですね」


見た感じお酒にはあまり強そうな感じがしないのですが、最初の一口こそ味を確かめるようなそぶりを見せたが二口目で一気に飲み干しましたね。


これはのんべいの予感。どうして僕の身の回りの成人女性はのんべいばかりなのでしょう。

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