薬草小屋をリブートする勇者
「姫さま、僕は商業ギルドに用事がありますので少し帰りが遅くなります」
「わしも行くぞ」
今日は別グループで参加されていたユークレス王妃が商業ギルドへの同行をしたいと。
レプレさん目当てですかね。彼女が居れば良いんですが。
『勇者さま、念の為シロさん、どりあーどさんとご一緒に』
大体イツメンで固まった僕達は冒険者ギルドの隣にある商業ギルドへと向かう。
今日迷宮探索に参加した他のメンバーはそのままお屋敷へと移動を。
隠密メイドさんがついているので問題ないだろう。
ちなみに酒のみの方のお土産は隠密メイドさんに託してある。インベントリにしまうタイミングが無かったので。
素揚げのおいもさんはアツアツでも冷めてもおいしくいただける。
何ならオーブンに入れて火を通しても良いですし、電子レンジを作ろうと思えばいつでも。
オパール王妃の執務室に電子レンジを置こうかな。お屋敷にもほしいですが。
今まで作る機会が無かったので思いついたら即実行という感じで双子に依頼を出しておく。
多分コンビニにある業務用の大出力版を作ると思われますが。
異世界なので電波法など気にする必要もない。すまほーちゃんも技適取ってないですし。
地球で動いている端末は勝手アプリをインストールしているだけなので法律には引っかからないとは思いますが。
そもそも電波では無く魔力を媒介とした通信システムですし。
ちなみにダイブカプセルやダイブヘルメットはWi-Fi回りの技適だけ取ってあり、ロジッククォーツを使った次元断層間通信については秘匿している。
そもそもが原理すら解明されていない通信手段で地球上に存在するどのプロトコルにもあてはまらず、取り締まる法律が無い状態ですので。
ロジッククォオーツ間の通信は暗号化したダミーのログ信号をWi-Fiに流すことでカモフラージュしており、競合メーカーはそこの仕組みすら見抜けていない様子だとか。
まぁ、測定機器も無いですし仕方ないかな。
次元断層間通信については特許すら申請せず、おそらくは秘匿したままに。
この通信規格が世に放たれれば通信インフラそのものが様変わりする事になる。
バックボーンとなる回線すら不要となり、誰も通信を傍受できなくなる。
悪用されるのは目に見えているので…。
電子レンジから話が脱線したが、そんなことを考えていると商業ギルドに到着した。
ちなみに魔帯石製の5階建ての建造物で間取りは冒険者ギルドとコンパチとなっている。
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「預言書の勇者さま、本日はどのようなお取引ですかにゃ?」
ここに来ると大抵お金の出し入れがメインだったりするので今日はギルド長に直接話をしたいと窓口の猫耳職員に伝える。
「わかりましたにゃ。ギルド長!預言書の勇者ですにゃ!」
レプレさんは受付窓口にはおらずユークレスさんがちょっとがっかりした表情に。
うさみみさんの割合は少し低めなんですよね。うちのうさみみさんも少ないですし。
一人だけバニーメイドという良く分からない属性のどりあーどさんがうさみみカチューシャをしていますが。
ちなみにギルド長室のドアは開け放たれており、執務机に座ったギルド長が部屋に入るよう手招きを。
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「アトレーンの商業ギルドの件か?わしらもまだ詳しい情報は得ておらぬが」
「いえ、今日は別件でして」
アトレーン商業ギルド長とその奥方が捕まった件はここライスリッチフィールドの商業ギルドにも話が届いている。
今は調査段階ということでほぼ何の情報も出ておらず、ライスリッチフィールドからアトレーンに応援部隊を派遣するという話もあるらしい。
それと現在は水害による復興手続きの真っ最中でもあり、さらに人手不足に拍車がかかった状態。
商業ギルドの件というのはその2点も含まれているのだが…。
「実はぽーしょんの製造に関してとある村で行っている実験について説明を…」
ハマトーメン村の薬草小屋について動画を交えての説明をしようと思ったのだがギルド長からぽーしょんに携わる職員を呼ぶというのですこし待つことに。
ほどなくして現れたのは普通の人族の女性。茶髪に茶色い瞳で身長はそれほど高くない。
服装はこの世界に何故あるのかは謎だが紺色のOL服だ。これはどのギルドに行っても女性はこのスタイルで統一されている。男性は持ち場によって服装が変わるようですが。
「ベルダと申します。ぽーしょんの件でしたらわたくしが承ります」
担当の方が見えられたのなら実物を見せたほうが早いかな?
「すいません。ギルド裏手の資材置き場を少しお借りできれば…」
冒険者ギルドと同様、ギルド裏手には荷物を運び込むための割と広いスペースが設けられている。
商業ギルドではぽーしょんの受け入れやその他魔獣素材などを裏手の窓口で扱っているとか。
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「リブート!薬草小屋」
以前はぽーしょん小屋だった気もしますが今回は薬草小屋をリブートキーワードとした。
トメばぁの所にある小屋と寸分たがわぬ高さ一辺が5mほどある立方体の白い物体が出現。
一緒にリアクターも生えてしまったが後で回収すればよいだろう。
「ぽーしょんの原料となる生薬を煮出すための設備がこの中に収まっています。抽出から分離、乾燥までを同一ライン上で処理可能です」
トメばぁのところはあえて人の手の介在を残したが、やろうと思えば薬草の投入からぽーしょんの瓶詰、錠剤への加工なども一度に行える。
あまり自動化すると働く場所が無くなると思い自粛したのだが、このモデルは説明の為全機能を有功とした。
説明を聞いていたギルド長は目をつぶり、何かを考えているようだ。




