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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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やや番外編「ひめたべラジオ突発企画 中編」

銀幕に映し出された披露宴会場に並ぶのは普段見ることのない海魚の料理の数々。


「今日は特別に披露宴の席に出たのとほぼ同じ料理をみなさんにも味わってもらおうと思います」


シルフィールが手元の石板を操作すると瞬く間に宴会の席が設けられた。


テーブルに並ぶのは披露宴で見た豪華な海魚…海鮮料理の数々。


普段は燻製の焼き物しか見たことのない派遣メイドたちは突然の事に声をなくす。


「勇者さまはこの次に予定している結婚式でもこれと同じような料理を出そうと考えているそうです」


この次、とはアトレーンの国王フリードリッヒと宰相を務めるラダの結婚式。


具体的な日取りはこれから調整するのだが、既に式次第は決まりつつある。


ハマトーメン村での結婚式はフリードリッヒとラダの為の予行演習でもあった。


アトレーンとタングラートは割と近い位置関係にあり、アトレーンの一部地域には従来の保管箱を使った鮮魚輸送も行われている。


ライスリッチフィールドよりは海鮮に関して触れる機会が多く、であれば披露宴でも海鮮中心、それも豪華な祝い真鯛を出そうという計画がなされている。


魚に関してはおそらく半年以上、今の海中の魔素濃度を見る限りはそれ以上の豊漁が続くと思われ、祝い真鯛に関してもアトレーンの披露宴に呼ぶ上位の管理貴族に十分行き渡る量を準備できるはずだと勇者が見込んでいることも話すシルフィール。


「おさしみにちょっとなじみの無い方はこちらの「あぶり」からどうぞ!ショーユをわすれずに!」


席には焼きものだけでなく、いつもシルフィール達が食べている船盛も用意された。


生魚など口にする機会のない派遣メイド達はおそるおそると言った感じで「あぶり」に醤油をつけて口にする。


藁の火で焼かれた香ばしい風味と脂の乗った魚の味が舌の上で弾け、派遣メイド達は目の色を変えて味わう。


ちなみに彼女達は箸の使い方に不慣れな為、フォークを使っている。


「おいしいですね。司会進行を忘れて船盛に集中するところでした」とシルフィールが。


「皆さんは引き続きお料理をお楽しみください。次は披露宴といえば寸劇。と勇者さまがおっしゃっていたのでこちらをご覧ください」


銀幕に新たな場面が映し出された。


---


「あ!私たちだ!」と声を上げたのは船盛をつついていた干物精霊達。


新郎新婦の馴れ初めを面白おかしく内容は適当にぼかし、コンプライアンスに配慮した筋書きを勇者が原案、ストーリーをアカネと鈴が担当して数分の寸劇に仕立て上げたもの。


ただ、敵役となる管理貴族の言動があまりにも特徴的過ぎてあっという間に誰なのかバレてしまい、出席した管理貴族の間では危険情報として共有されてしまった。


当の本人が席に呼ばれていなくて本当に良かったと後から勇者がこぼしていたが、それは誰の耳にも入っていない。


チョッカイーノと呼ばれる上位貴族。彼の生娘好きはいつの間にか国中に知れ渡る事となった。


そのせいで彼の管理貴族としての立場は微妙なものとなり、軽々しく他貴族への訪問が出来ない状態に。


今回の寸劇がメイド達の尊厳を守ることにつながっていたなどと勇者は知る由もない。


「久しぶりに寸劇やろう!」


「「「さんせーい」」」


魚を食べ終わった干物精霊達はどこから調達したのか分からないがやわらかい木刀を手にして集会場の天井付近を飛び回り空中戦を始めた。


精霊による寸劇を目の当たりにし、呆然となる派遣メイド達。


本来であれば目にすることなど不可能な精霊という存在。


勇者が住まう屋敷には当然のようにその精霊達が集まり、部屋の中ではしゃぎまわる。


勇者の屋敷に初めて派遣されるメイドは事前に研修を受け、不可思議な屋敷の様子を聞かされることに。


屋敷は現世とは隔離された特別な場所にあり、そこで見聞きした内容について他言無用。親に話してよい内容は預言書の勇者様から許可の有ったものだけと。


たった今は屋敷に顔を出したことのない派遣メイドも席におり、初めて目にする精霊という存在に腰を抜かしていた。


「干物精霊さん、ちょっと落ち着いてください。寸劇でしたら後で場を設けますので!」


「「「はーい!」」」


どこで身に着けたのかミサイルで弾幕を張りその隙間をかいくぐるようにして飛び回っていた干物精霊が空中戦を一時中断し、自分の席へと戻る。


勇者が見ればどこの最終鬼畜兵器!と叫んだかもしれない。


見た目はあの凶悪な蜂には似ても似つかないが弾幕の量では勝るとも劣らず。


ちなみに干物精霊達も例のSTGをプレイするメンバーに数えられており、暇なときは交代で周回を重ね、ひそかに実績を積み重ねていた。


---


「それではお題に戻ることにします。まだ当分先になると思いますが勇者さまとの結婚式について希望を聞こうと思います。まず私ですがひめゆぶに出てきた綺麗なすてんどぐらすで飾られた大きな教会で式を挙げたいなと。この教会の地にある教会がまさにうってつけなのですが」


教会の地アミューズメントビルの最上階にはチャペルが存在し、多種多様なウェディングドレスの試着が出来るようになっている。


ボタン一つで神前式にも変更でき、他にもパターンはあると思われるが勇者は調査のリソースが無く検証に至っていない。


「興味がある方は後でチャペルへご案内いたします。他に希望のある方は」


「はい!」と手を上げたのはアルマ。


「ひめゆぶに出てきたしんこんりょこうというものをやってみたいかな…」

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