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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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やや番外編「ひめたべラジオ突発企画 前編」

「みなさんこんばんは。今夜もひめたべラジオを聞いてくださってありがとうございます。司会進行のシルフィール。あとはいつものメンバーです!」


「シルフィール、今日のお題は決まっているの?」とアルマが尋ねる。


「実は何にも決まっていないのでおたよりコーナーからぴっくあっぷしようとおもいます」


いつも通り、見切り発車で突っ走るシルフィール達。


「では匿名希望さんから。じゅーんぶらいどとは何でしょう。サブローさんが見ていたさいとに出ていたので気になりました。ということです」


全員がハテナマークのエモーションを出す中、シルフィールだけが得意げな表情で答える。


「ひめゆぶにじゅーんぶらいどについて書かれていました。6月に結婚すると幸せになれるという地球の風習のようです」


「「「結婚!」」」と会場から声が上がった。


無理もない。会場という名の集会場に集まっているのはまだ婚約者すら決まっていない貴族の少女ばかり。


管理貴族の娘は12歳ぐらいから城勤めに出され、数年ほど行儀作法をきっちりと学んでから相手を探すのだ。


真っ先に狙うのは同じ管理貴族の長男だがそもそも家同士のつながりで既に相手が決まっていることが多く、次男、三男を取り込もうと必死になるのだ。


今集まっている派遣メイド達もあと2年もすれば相手探しに四苦八苦するのだが、毎日のように優良物件である勇者の下に出向いているせいか、外で相手を見つけようという気にはならないようで。


何しろ彼の妻候補は40人近い。今後も増えると思われるのだがそこに自分も入れないかと目を光らせる毎日。


しかし、彼女達の前に立ちふさがる強敵に恐怖しているのも事実。


彼の周囲には常に王族の娘が付き従い、伝説の百合の騎士、身分を明かせないと言いつつ精霊の王を名乗る女性。他にも竜の化身と呼ばれる少女たちの姿も。


当の本人は彼女達を妻では無く家族と呼び、一線を越えないお付き合いをしている。


特に獣の特徴を持つ少女を好む傾向があるとされ、派遣メイド達の中でも狐人族、猫人族、犬人族、兎人族といったメンバーは有意な立場にあるとされている。


ただ、注意すべき点は重度の獣好きな王妃がいる点。


何かあるたびに「もふもふさまじゃー」と抱き着かれ、腰が抜けるまでマッサージをされるのだ。


閑話休題。


「あと、細かいいわれについても勇者さまから少し聞いています。春の訪れの遅い国では気候が落ち着く6月ごろに結婚をする傾向があるですとか、勇者さまのいた日本では6月は雨が多く、結婚式を避ける傾向にあり、そういった業界のてこ入れとして6月は縁起のいい月というぷろもーしょんが多く行われたとか…」


ほー。という声が会場から上がった。ぷろもーしょんとは?という声もあったので「宣伝の事です」と説明が。


ライスリッチフィールドには明確な季節の変化は無く、年中温暖で過ごしやすい土地柄となっており特にいつ結婚式を挙げるというのは決まっていない。


ライスリッチフィールドでの結婚式と言えば光の女神の前で誓いの言葉を述べ、串焼き肉を半分に取り分けて互いに食べさせ合うくらい。


「おかあさまの時はどんな感じでしたか?」


「王城にある光の女神様の像に祈りを捧げ、国民に顔見せをしたくらいでしたが…」


オパール王妃は自身の結婚式の様子を語る。


夫であるマッスルキングとはサンダッティアの王城で出会い、まさにひとめぼれからの電撃結婚となったという。


それこそ光の女神様のお導きではないかと今でも思っていると語ると会場からどよめきが上がった。


管理貴族は見合い結婚が多く、自由恋愛は殆ど認められていない。


選ぶ権利は女性側にあるとはいえ、出された姿書きから相手を吟味するというとても厳しいもの。


中には冒険者を雇い、身辺調査をさせる管理貴族もいるのだとか。


自分の目で見染めた相手と結ばれるのはあこがれでもある。


「結婚式と言えば先日行われたハマトーメン村での式の様子を少しご紹介いたします」


会場の明かりが落とされ、ステージの銀幕に映し出されたのは少し前の結婚式を撮影したビデオのダイジェスト版。


光の女神像の前で串焼き肉を食べさせ合うところはごく普通の結婚式だった。


ただ、その他の次元が異なった。


まずは預言書の勇者による古代遺物発見の表彰。


新郎が荒れ狂う波間に浮かぶ古代遺跡を発見したという偉業を称えるもので武勲を上げる機会の少ない貴族に取って最高の栄誉となる。


新郎新婦の花道も普通と様子が違った。


どこの世界に精霊が先導する結婚式が存在するのか。


金色の光の粒子が式を幻想的なものとする。


そして披露宴。まずは披露宴とは何かという所から説明が入った。


管理貴族はよほどの事が無い限り結婚式は身内だけで行い、領民には報告だけという形が多い。


人を集めて飲み食いする場を設けるのはそれこそ王族でもなければ…。


新郎新婦の顔見せの場、その会場に向かうために用意された特別な馬車。


光の女神の巫女が操るだーくほーす無しの馬車が会場に向かう途中、空中に描き出される歓迎の言葉、そして謎の図形。


映像はまだ続くようだ。



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