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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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久々のタングラート登城と勇者

次に行くのはハマトーメン村近くのタングラート城。


現城主さんご夫妻には連絡済み。


もしかしたらあちらのおおえだちゃんのおうちからも自販機が取り出せるとは思うのですが念の為、トルネードビアサーバーと利き酒の自販機を運び込むことにした。


置くなら最上階のペントハウスが良さそうだなと思ったが、そこは利用されるご夫妻の都合を聞いてからとすることに。


タングラート城までは数分で到着。今日はおおえだちゃんのおうちに用があるので迎賓館脇にビットレーラを降ろす。


直接乗り付けるのは初ではなかろうか?


いつもは城の裏手にある海岸沿いに従者の星を降ろしていましたので。


おおえだちゃんのおうちの前に現城主ご夫妻と十数人の侍女たちが待っていた。


物を運びこむというので手伝いに来てくれたのだろう。


---


「お久しぶりです」


「迎賓館の新しい設備を頂けるとの事、いつも申し訳ありません」


元々B級の冒険者である現城主ご夫妻は冒険者ギルドの規則により名を持たない。


実力のある冒険者を取り込もうとする管理貴族がいるため、B級以上の冒険者は素性を明かすことなく活動をしている。


実は僕もB級の冒険者となったため名を明かすことは本来NGなのだが特例として預言書の勇者サブローと名乗ることを許されている。


真名を明かさなければ問題ないというので。どこのサーヴァントか?


「お二人ともお酒はいける口でしたよね?」


「「もちろんです」」と声がハモった。


タングラートでは麦を使ったエールっぽいものよりシャリ酒と呼ばれるどぶろくのような日本酒が好まれる傾向にあるらしい。


藩ごとに独自の酒蔵を持っており、タングラート城下には専門の店もあるようで。


僕は飲まない人なのでそういったお店にもあまり入ったことが無く。


お店と言えばココナを不当に扱っていたカズラヤ。あそこは特殊な地酒を扱う店でもあり、潰すと取引が無くなるので待ったがかかっているのだが、シロさんが独自のルートでもってその地酒を直接取引できるよう調整中との事。


いわゆる中間業者の撤廃であるが、今回は異例中の異例ということで特別に許可が下りたらしい。


卸先は現在査定中との事で、地酒の専門店を中心に信頼のできそうな所に掛け合っているようで。


その件が解決すればカズラヤのとりつぶしがほぼ確定、潰すまでもなく御用商人の免状は剥奪するとの事なので今まで通りの商いは出来ないだろう。


既に店のトップ二人が収監され、番頭が後を継いだようだが今回の騒ぎは国内に知れ渡るところとなり、なによりタングラート城下に魔獣を招き入れることになる寸前だった例の事件が致命的な一撃となっている。


僕が気付いて70メートル級で倒せたからよかったけれど、100mを越すろっくわーむが城下で暴れたら大惨事どころの騒ぎではなかっただろう。


生身で70m級に乗り込んだ代償は大きかったが。本当に生身だといいところ無しですからね。


そんな事を考えながらおおえだちゃんのおうち2号のバックヤードを確認すると例の物がきっちり生えていた。


先にリモート確認すればよかったのではと今更ながらに。


城主さんご夫妻に設置場所の候補を伺うと最上階にとの回答があったのでペントハウスへ向かうことに。


---


「こちらが冷えたエール、そしてこちらが色々な地酒がたのしめる機械となります」


機械で通じるのかは不明だが…日本語が適切に翻訳されないことが結構あるんですよね。


この星に根付いていない文化については日本語のイントネーションのまま無翻訳で聞こえると姫さまが言っていた。


例えば会社員はカイシャインとそのまま聞こえるらしく。


「サブロー!もう限界にゃ。シロにも飲ませるにゃ!」


お預けを喰らったはうはうどっぐのような…うちではそんなひどい事はしませんが…虎娘が吠えた!


「でしたらノンアルコールを」


このトルネードビアサーバーと利き酒自販機、なんとノンアルも対応している。さっき気が付いた。


アルコールなしを選ぶだけというシンプルな設計。


ノンアルならば執務中の城主さんご夫妻にも安心して飲んでもらえるだろう。


アルコールアリは今夜のお楽しみということで。


「シロさん。まずはご夫妻の分を」


先程は飲む順番がちょっと違ったようなのでまずは冷酒から味わっていただくことに。


僕には味は分からないが地酒の銘柄の横に風味の度合いが記されている。


多分辛口が良いのではという勝手な思い込みがあるのですが、ご夫妻にはおちょこを買っていただき、好きなボタンを押していただくことに。


城主様は辛口を、奥様は甘口を選ばれたようだ。


おちょこに注がれるほぼ透明な液体を見て「おお!」と声を上げる城主様。


日本酒独特のきりっとした香りが自販機の周りに満ちる。


アテもご用意すればよかったが、まずは味見を。


「辛くはあるがそれほどしつこくはない。鼻に抜ける香りもすがすがしい。このようなシャリ酒は国内どこを探しても見つからぬだろう」


そう言えば日本酒の提供はワンカップだけでしたかね…あれはあれで需要があるのですが利き酒の自販機と比べると若干格下となるようで。


「シロさんはどれにします?」


「分からないから端からかたっぱしに行くにゃ」


いくらノンアルとはいえ飲みすぎなのでは?


ちなみにお手伝いに来ていただいた侍女のみなさんにもノンアルをおすすめしたのだが断られてしまった。


お仕事中との事で。

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