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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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増大する精霊係数の秘密と勇者

派遣メイドさん達にも手伝っていただき、坑道精霊さんのおにくさまを食べやすいようカットを。


切り分けにはうちの子達も参加したので専属シェフが一人づつ着くような形となった。


これ、食べきれるのかな。


ぶるーぶるのステーキ串は一枚200gほどあり、それだけでもおなかいっぱいとなりそうな感じである。


ちなみに僕が夕食で平らげるのは500g程度。セントラルキッチンで僕専用に焼かれた特別な一枚となっているらしい。


おそらくは派遣メイドさんを通じて僕の胃袋がどの程度なのかが伝わっているらしく、いつも量は多めとなっている。


朝もお子様が食べきれなかった食パンなどを僕が片づけているのですが…。


切り分けが終わったぶるーぶるのお肉を一口齧った坑道精霊たちは何故か小躍りを。


やはり魔素を多く含む魔獣のおにくさまはおいしいのだろう。


牧場で繁殖させた半魔獣のぶるーぶると野生で育った完全魔獣のぶるーぶるでは野生の方が魔素の含有量が多く、肉が堅いにもかかわらず何故かおいしいという謎。


僕はひそかにこの味の違いを研究しており、魔素の含有量が味の決め手の一つになる事を発見した。


今までそんなことを思いつく人はいなかったようで、サバンナさんにその話をしたら食いついてきましたし。


ちなみにサバンナさんの好物である狂気のいちごまみれショートケーキも魔素が影響していると思われる。


ショートケーキに使ういちごは実は本当のいちごでは無く、ライスリッチフィールド近郊の村の特産となっているベリーに似た実が使われている。


フランポワーズと名付けた精霊がお世話になっており、たまに様子を見に行くのですが村人は特産となったベリーの収穫に忙しく、たまに冒険者を雇うこともあるという。


精霊の名付けによって植生が変わり、丘2つがベリー畑となったこの村は便宜上ベリー村と呼ばれているがまだ正式名称とはなっていない。


突然取れだした特産品をめぐって管理貴族が相当に苦労しているらしく…税収の見直しのために何度も役人が派遣され、ひと悶着あったとも。


大体僕のせいなのですが、これといって収入源の無かった村は一気に活気づくこととなり、フランポワーズは幸運を招く精霊として特別扱いをされているとか。


そのベリーにも大量の魔素が含まれ、すっぱいのに食べるのをやめられないという現象が起こる。


好んで食べるのは元々体内の魔力量が多い人が中心らしく、サバンナさんなどはその代表格となる。


おそらくは効率よく魔素を体内に取り込めるなにかしらがトリガーとなっていると思われるのですが。


いちごまみれで思い出したが、ついでに食後のデザートを買って来ればと今更思ったが…デザートの入る余地は無さそうかな。


坑道精霊たちはその小さな体のどこに入るのかという勢いでおにくさまを平らげ、うっとりとした表情になっている。


コナモン中毒の次はおにく中毒ですか…。


このまま鉱山に返しても大丈夫かという気がしますけれど。


あちらの鉱山管理者に掛け合って鉱山前広場に屋台を呼んでもらう必要があるかもしれない。


もしくは僕が定期的に食糧を運ぶか、あるいは自販機を設置してそれで我慢してもらうか。


さすがにステーキの自販機は無いですよね…あ、あるんですか?


自分で焼かないとならないようなのでちょっとハードルは高めになりますか。


---


「「「ありがとうございました」」」


パワーアップの為にコナモンとおにくさまを平らげた坑道精霊達からお礼が。


「うむ。存在力が上がっておるようじゃな」


マイアさんによれば一般精霊並みの強度があるらしい。強度?


精霊係数とでもいうのだろうか。


精霊とは本来、大気中を漂うほぼ無意識状態の特殊な生命体で長い年月を経て薄い自我が芽生え、森の民と契約することで自己を確立。


彼らの願いを何度か聞くうちに存在力が増して精霊係数が増え、強度が増すのだという。


例外として僕が関わるか、コナモンを食すと数十年、数百年分の進化が一瞬にして起こり、精霊係数が指数関数的に増大するのだという。


坑道精霊達は自我を確立し、自分の意志で何処にでも行ける状態となったようだ。


ハマトーメン村の干物精霊達がうちに遊びに来られるのも精霊係数が増したからだと。


精霊にとって距離は問題では無く、いわゆる転移魔導を無意識下で発動できるのだとか。


転移魔導と言えばフーリー大臣が研究していた魔導陣の修理がまだでしたね。


いろいろありすぎて放置していたのですが、双子に見させても大丈夫かな。


「これで坑道と屋敷を自由に行き来出来るようになった。いつでも遊びに来るが良い」


パワーアップした坑道精霊たちはいつでもライスリッチフィールドへ来られるようになったと。


グランディオーラ鉱山広場の屋台出店の件はどうしよう。一応相談するだけしてみようかな。


毎日お屋敷に通ってもらうのも大変でしょうし。


うちはいつ来ていただいても問題ないのですが。


---


「「「それでは失礼いたします!」」」


坑道精霊達は次々と姿を消し、鉱山へと戻って行った。


もう少しゆっくりしてもらっても良かったのだが、坑道の調査に人が入るとなると彼女達の換気能力が必要となるので。


換気だけではなく、坑道の天井を強固にしたり、出水を最小限に抑えたりといろいろな仕事をしているようで。


ちなみにライスリッチフィールドにある小規模な鉱山にも坑道精霊はいるらしい。


今度様子を見に行くとしますか…。


食休みの後、ハマトーメン村のおおえだちゃんのおうちへ行き、自販機を回収する予定だ。

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