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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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坑道精霊との出会いと勇者

しかしあの雨雲はどこから来たのか。


解析の結果を見ても突然出現したとしか分からず、何かしらの悪意を持って作られたものでもなさそうな気がする。


十六夜さんからは自然災害に関する警告は出ていなかった。


今日改めて聞いてみたが、十六夜さんの出す警告は国の存亡にかかわるような事態でなければ右目に映らないという話だったのですこし度を越した大雨程度では危険と認定されないのかもしれない。


雨雲が通過した3か国の現状は把握できた。


今のところ、僕が介入すべき部分は無さそうだ。


昨日建てたグランディオーラ国営鉱山の避難所はもうしばらくあのままとする。


何なら休憩所としてそのまま使ってもらっても良いですし。


おせんたくの魔導を掛けるゲートと給水施設は無制限に使えるようにしてある。


今までは作業で汚れた体を清めるのも一苦労だと聞いたような気がする。


山の上の鉱山という立地故、水も限られていて身体を拭く水にも困っていたと。


坑道内にはいくつか湧水があるようだが、飲み水には適さないだろうし。


フリードリッヒさんやラダさんが見たかったのは多分避難所だろうなと今更ながらに。


鉱山にはすこしだけ顔を出し、足りないものが無いか確認だけして一度ライスリッチフィールドへ戻ろうと思う。


ハマトーメン村に自販機を取りに行って各所へ届けるという仕事が入りましたし。


---


「一体何が…」


国営鉱山の避難所に顔を出すと、昨日より若干人が増えている。


いや、人なのか?


やけに背の低い女性…いや、幼女?50人ほどいるだろうか。


避難所の一角にあるソファにお行儀よく座っているのだが夕べは見なかった顔だと思う。


身なりは灰色のワンピースで統一されており、髪の色も灰色かこげ茶っぽい色合い。


鉱山で働くような姿には見えないのですが。


ひとまず事情を知っていそうな人に声をかける。


「彼女達ですが昨晩、乾いた場所を求めて避難してきたというのでここに入れたのですが…鉱山の周囲には集落などはなく、一体どこから来たのか…」


「すこし話を聞いてみますね」


誰かリーダー的な人物がいれば話が早いのだが。


ちょっと変わった集団に近づくと。


「おいしそうな匂い!」


近くにいた幼女にしがみつかれ、お腹のあたりに顔をくっつけて深呼吸を始めた。


その声をきっかけにソファに座っていた幼女たちがわらわらと集まってきた!


もしかして精霊?それとも妖精?


---


「坑道精霊?」


「はい。坑道の空気を入れ変えるのが私たちの主な仕事です!」


50人ほどの幼女たちは坑道専門の精霊らしい。


いつの時代からいるのかは不明だが、多分みっちゃんさんが絡んでいると思われる。


国営鉱山に潜る人たちはガスマスクやボンベなど無しに深い場所へ。


狭い場所に大勢で潜ればあっという間に酸欠になるか、ガスでやられるかのどちらかだと思うのだが、そういった事故が起こるとは聞いたことが無かった。


僕自身、グランディオーラの鉱山には何度か潜ったことがあるのだがその時は精霊の存在を感知できなかった。


「すこし前に鉱山全体に強い魔力がふりそそいで、精霊としての格が上がったようなのです」


一応代表っぽい子、僕に一番最初にしがみついて来た幼女が答える。


もしかして鉱山内部をスキャンするのに放った魔力が原因なのか?


ちなみに僕はソファに座らされ、坑道精霊に取り囲まれた状態となっており、一人は僕の膝の上に。


「マイアさん案件か…今から連れて来るのも」


「わらわを呼んだか?」


20歳モードのマイアさんが僕の目の前に出現。


そういえばこの人、神出鬼没でしたね。


「エイトよ、この者達に改めて使命を課せば問題ない。しばらく仕事が無ければ一度屋敷に呼んでコナモン強化を行うのも良いだろう」


坑道の営業再開は多分数日かそれ以上先になると思われますし…。


姫さまの予感ってもしかして坑道精霊の事だったのだろうか?


しかしコナモン強化とは。


「精霊としての格は問題ないが存在力がやや足りぬようだ。エイトの魔力を与えても良いが、コナモンのほうが副作用が少ない」


僕の魔力って依存性が高いんですって。常時吸っている人が言うと説得力があるというか。


マイアさんもどりあーどさんほどではないが僕の魔力を割と頻繁に吸っていく。


姫さまが見てない時は口から直接吸い出されるのでたまったものではない。


ちなみにマイアのおかあさまも例の精霊ドアを使ってお屋敷に来てはエネルギーを補充して帰っていく。


母娘そろって僕の魔力中毒ってどうなんだろうという気もしますが。


そんなわけで50名の幼女をお屋敷に連れ帰るミッションが発動した。


アヒルちゃん連接バスで良いかな。2人掛けに3人は座れそうですし。


当然のことだが姫さまとオパール王妃には先に連絡を。


---


お屋敷前に連接バスを降ろし、御客人をお屋敷にご案内を。


「エイトよ、屋台村へ買い出しに行くぞ」


50人分のコナモン、今から買いに行くのですか?


夕べの大雨の影響でもしかしたら営業していないかもしれないというのに。


「たこすの店に連絡を取った。屋台村はいつも通りあいているとの事だ」


例の転生者に通信機器を渡してあるのですが、そういった使い方は全く想定していなかったですよね。


今回はもう開き直って派遣メイドさんにも坑道精霊のお世話を頼むことに。


さすがに50人もお見えになられては隠し切れませんし。


ほどなく買い出し部隊が編成され、屋台村へと進撃を。

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