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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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グランディオーラの坑道復旧と勇者

「坊ちゃま。アルマさまをあまり困らせるようなことは…」


僕の前にラダさんからフリードリッヒさんに注意が入った。


「フリードリッヒさん、アルマに何を尋ねられていたのですか?」


「勇者殿のご活躍について質問を…」


ご活躍というほど何もしていないと思うのですが。


アルマも突然僕の様子を尋ねられても困るでしょうし。


「坊ちゃまは女性に対する態度がなっておりません。そのように質問攻めにするのは紳士として恥ずべき行為」


ラダさんから釘を刺され、肩を落とすフリードリッヒさん。


質問なら僕にすればと思ったのだが、第三者視点からの僕の様子を聞きたかったと。


フリードリッヒさんが僕の事を知りたい理由は彼が持っている本に由来するらしい。


その昔、ラダさんから受取った一冊の本。


光の女神が書き記したと言われる日記のような物らしいが、僕はその内容をすべて見せてもらってはいない。


本の前半には勇者としての心構えであったり、どう行動すべきかといった指針のようなものが書かれ、後半はサバイバル心得のような内容だと聞いている。


フリードリッヒさんは僕をその本を書いたみっちゃんさんと同一視。


というのも本の挿絵に幼子を慈しむ光の女神の姿が書かれ、それが僕と似ているというのだから。


確かもえを抱っこしている僕の様子が挿絵にそっくりだと見せてもらった記憶がある。


僕は何故か神聖視されており、それこそ神の使いか何かだと思われている節がある。


そんなたいそうなものでは無いと思っているのですが、フリードリッヒさんはそうでもないらしく。


ラダさんも僕を神聖視する一人だったりする。


向けられる忠誠心のようなものは半端な覚悟のものでは無く、僕が命じればそれを必ずやり遂げてみせるといった気概のようなものも感じる。


まぁ、無理難題を押し付けるような真似はしませんけれど…。


「そろそろグランディオーラへ様子を見に行こうと思いますが」


地下遺跡の調査隊編成などは後日とし、ひとまずアトレーン王宮を辞去することに。


フリードリッヒさんがグランディオーラへ同行したいとちょっと駄々をこねていましたが。


以前はそんな聞き分けの無い事を言う人ではなかったのですが、何か壊れてしまったのか?


ちなみにそれを抑えるラダさん自身も今回の被害処理が無ければついていきたいと。


多分1週間くらいは街中の清掃に追われると思うのですが。


もしも汚染された地域があれば消毒薬と散布装置くらいは提供しようかな。アヒルちゃんロードスイーパーですけれど。


---


アヒルちゃんマイクロバスを飛ばし、向かったのはグランディオーラ王宮。


まずはゴードンさんに現在の状況を確認、その後で国営鉱山の片づけに向かう予定だ。


「父上!」


「おお、スズよ。元気にしていたか!」


何と言うか大熊にリスがしがみつくようなハグをする二人。


鈴は転生先の父親ともうまくやっている様子。母親については不明ですが。


自発的に話してくれるまでは待つつもりですけれど、もしも急を要する事態となればそうも行っていられませんけれど。


ちなみに地球にいる鈴の両親とは連絡が取れない。例によって精神境界面結合アストラルサイドコネクション深度シアーが足りず、両親とは話が出来ない。


仮に話が出来たとして何をもって鈴を鈴であると証明できるかという話にもなる。


今の鈴は金髪碧眼のかわいらしい姿となっており、生前のくせっ毛女児の面影はどこにもない。


口癖である「まじか!」と僕を「えーにー」と呼ぶくらいしか見分けるポイントが無いのが何とも。


後は地球に住んでいたころの記憶が鍵となるのだが、病院暮らしが長かった鈴はこれと言って話す内容もない。


そもそもどんな病気かも見当がつかず、これといった治療法もなく日に日に衰える体を点滴で繋いでいたくらいで。


昔の鈴を思い出すと、渇きの病、枯れ木の病と呼ばれる魔素欠乏症とよく似た症例だったような気がする。


魔素の存在しない地球でかかる病気では無く、どうして鈴にあのような症状が出たのか一切謎となっている。


鈴の姉、地球にいる二人は鈴の病気を解明すべく医療分野へと進んだ。


今は大学生で独自の研究が出来る場所を探していると言ったが、最近は忙しいのかあまり話す機会もなく。


もし研究が出来る場所が無ければクロツキテクノロジーに医療分野の会社と提携してもらい、そちらに入ってもらうのも良いかもしれない。


DSOVRで多くの医療検査機器メーカーと契約し、VR上で決して壊れない装置のシミュレーションが出来る環境をクロツキが提供するという話になっている。


境界の地には検査装置が納められたコンテナが林立し、今はエリクサーの成分分析の真っ最中だ。


いくつかの装置で結果が出始め、医療機器メーカーへとフィードバックをしていると。


鈴の姉たちにはそういった検査結果の精査を任せられればと思っているのですが。


社長に相談しようかな。というか境界の地へ来てもらって実際に検査装置に触ってもらうのも良いかもしれない。


「昨晩はありがとうございました。一人のけが人も出さずに済みました」


昨日見かけた人が王宮に顔を出した。デュアリスさんだ。


彼がここにいるということは鉱山にいた人たちは無事に帰ってこられたのか?


「鉱山の様子を伝える為、部下を数人連れて一度街に降りました。これから坑道の復旧を行うための相談を…」


大雨により、一部坑道が水没しているためそのままでは作業を再開できない。


今から救援部隊を送って水抜き作業の準備をするという。


僕が現場に行ってインベントリに雨水を取り込めば済む話なのですが。


「これ以上ご迷惑をおかけするわけにはまいりません」と。


後は浸水で崩れた支保工等の修理も必要になりそうというので一概に水を抜くだけではダメそうな感じが。


餅は餅屋ということでプロにお任せをすることに。

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