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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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各国の大雨被害状況調査に向かう勇者

「姫さま。アトレーンの市街地とグランディオーラ国営鉱山の様子を見に行ってきます」


ラダさんからは特に問題ないとの連絡があったが、アトレーンは自分の目で見ておきたい。


グランディオーラからはゴードンさんから一応の被害状況を貰っているがこちらも自分で確認をしておきたく。


後は南の平原迷宮の再調査もする必要があるが、こちらの緊急度はやや低めとなっている。


排水は昨日のうちに終わっており、一度遺失物の確認のため迷宮内を見ておりますし。


今日は平常運転になるはずですが、冒険者ギルドからは特に連絡は入っていない。


「勇者さま、護衛は必ずつけてください。何かありそうだと精霊が騒いでいます」


姫さまの三色だんごちゃん達がちょっと騒がしいようで、今も姫さまの体から抜け出して姫さまに何かを訴えている。


たった今は姫さまだけに聞こえる声で話しているようなので僕には何も分からないのですが。


「ではいつものようにシロさんとどりあーどさんを」


「えーにー。私も連れて行ってほしい」


鈴さんから声がかかった。自国の様子を見に行きたいのだろう。


そうなるとアルマも行くことになるのか?


「おかあさん、ついて行って良い?」


妙に遠慮がちな態度を取っているアルマ。いつもの勢いはどこへ?


「フリードリッヒさんに顔を出すように言われているからアルマも来てもらえると助かる」


半ば強引なお誘いではあるが、どうしたんだろう。


足はアヒルちゃんワンボックスで良いかな。11人乗りのほうですが。


姫さま達の迷宮入りは午後に予定を変更した。おそらく30分もやれば虹箱が出るでしょうし。


---


ライスリッチフィールドを飛び立って30分ほどでアトレーン上空に到達。


途中、暴風雨が駆け抜けた場所は森が削り取られて大変なことになっていた。


幸いにも人的被害は出ていないようで、主要街道の閉鎖等も起こっていない様子。


森に関しては放置をしてもひと月もあれば元に戻るだろう。長くて3か月か。


この世界の植物の再生速度は驚くほど速い。農作物の収穫スパンも比較的短めで麦は年に4回収穫できると聞いたような気もする。


前期から稲作を増やしてもらっており、兵士の糧食としておにぎりを正式に採用する流れも出来ている。


固いパンと違って日持ちはしないが野営地での炊き出しを工夫すれば十分に実用できる範囲だと報告書が上がって来たらしい。


熱源と大釜を用意すれば固いパンを持ち運ぶよりも熱量の高い食事を提供出来ますし。


当然ハイブリッド化してシャリが炊けない時は固いパンを今まで通り使うというシステムに。


食事にバリエーションが増えれば兵士の士気も上がるでしょうし。


その辺のさじ加減はセントラルキッチンの研究課題となったようだ。


ちなみに農作物には今回被害は出ていないようなので調査対象外としている。


アトレーン上空から被害状況を確認するもこれとって目立った破壊の痕跡は見当たらない。


今は街の人たちが石畳に溜まった土砂の片づけをしているようで、大勢の人が清掃をしている。


特に手伝えることも無さそうなのでアトレーンの王宮へと降りることに。


---


「勇者殿!本当に助かりました!まさかあのような仕掛けがアトレーンにあったとは…」


フリードリッヒさんの様子がおかしい。


まぁ、いつもの事なんですが、どうして僕が絡むとおかしくなる人が多いんでしょうか。


ラダさんもそうですし。


あー。そういえばアルマも鈴も普段着で連れてきちゃったなと今更思うなど。


「おかあさん、背中の紐をひっぱって!」


アルマに言われるままにメイド服の背中から生えているタグを引っ張ると、一瞬にして真っ赤なフォーマルドレスへと変化した。


いつだったかソネッタさんのどっきりで仕込まれた早変わりの衣装だったんですね。


「えーにー。わたしのも頼む」


鈴のメイド服も濃いブルーのドレスへと変化を。


ちなみに戻すには一度ドレスを脱いでたたみ直す必要があるとか。


メイド服に戻すのはうちに帰ってからで良いだろう。


フォーマルドレス状態でもおせんたくの魔導と防刃性能は維持しているらしいのですが、ソネッタさんは一体どこでこのメイド服を作っているんだろう。


何度か尋ねたが「乙女の秘密です」と答えてもらえず。


二人は一応国賓扱いでもてなされることに。


とはいえ滞在時間は1時間ほどしか無いのですが。


---


昨晩見つけたアトレーン地下の遺跡については日を改めて調査隊を送ることで話がまとまった。


今入っても結構な水が溜まったままで多分調査できる範囲が限られるだろうということで。


排水が終わるのは早くて数日後。下流の様子を見ながら自動的に水が流されると管理システムにアクセスして判明したので、その辺りの情報は提供済み。


しばらくの間は川の下流に近づかないよう触れも出してもらえるという話だったのでとりあえずは大丈夫かな。


アトレーンでは特に川での漁などは行われていないという話なので特に問題も無いかと。


アルマはフリードリッヒさんから何か尋ねられているようだが…。あまり聞き耳を立てるのもどうかとおもい意識をそらしているのですが何故か僕の事が聞こえてくるんですよね。


アルマが助けてほしいと目で訴えてくるのでちょっとお話に参加しようかな。

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