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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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佐々木社長の現地視察と勇者

遅い時間の御夕飯をすませ、後はもう寝るだけとなった時間帯。


先ほどまで大雨を降らせていた雨雲はグランディオーラを抜けて魔導結界の外へと移動したあたりで消滅した模様。


行く手を山脈に阻まれたのか、それとも雨雲としての形を保てなくなったのか。


ドローンの探査画像を見ると雲自体が消失し、月の三姉妹が顔を覗かせている。


増水した河川はまだ水が引く気配は無いが、少なくとも氾濫の兆しはない。


明るくなってから被害状況の確認に出かけるつもりなので今夜は早めに寝る予定だ。


日課の境界の地訪問は行うつもりですが。


社長から今日の様子を話すようにとメッセージも来ていますので。


各自歯磨きと着替えをしていつものように巨大寝室へと移動を。


---


「十六夜さんのほうでは兆候が見えなかったんですか…」


「わが右目に災いは映らなかった。あれは一体何だったのだ」


十六夜さんのおぱんてぃらさまに話しかける僕。


今日は水色のおこさま仕様ですか。特にバックプリントなどもなく。


「益田。話を聞かせてくれ」


佐々木社長が呼ぶので十六夜さんのスカート下から這い出すと、いつものように自販機コーナーへと連行される。ヤマさんとひなちゃん、カモネギコンビも一緒だ。


今夜は新人3人の姿が無い。多分地球からダイブの様子を確認しているのだろう。


姫さま達は先にななや旅館へと移動してもらい、いつものように露天風呂へ入ってもらうことに。


後は大広間でアトレーンとグランディオーラの中継映像を見てもらって時間をつぶしてもらえれば。


---


「またこのような非常識な物を」


僕自身が非常識の塊みたいなものですし。


一千人を収容するだけの場所としてはオーバースペックかもしれないが、大は小を兼ねると言いますし。


今回は鉱山に勤める人たちだけを収容しましたが、街に被害が出た際はもっと大勢が対象となる。


どれだけのスペースを確保できるか確認がしたかったというのもあるのですけれど。


ライスリッチフィールドに納品済みの自動倉庫よりもはるかに広い。


遮蔽物は無いので迷子になる心配は無いと思いますけれど。


避難所とは別に居住スペースも生やしましたが、今回利用する人はいなかった。


居住スペースまでちょっと遠かったのも影響しているかもしれない。


「今から見に行けないか?」


社長がどうしてもあの格納庫を見たいとおっしゃるのですが、避難された方のご迷惑にならないといいのですが。


「先輩、何かお手伝いできることはありませんか?」


ひなちゃんも行く気まんまんですね。


「あたしらも行きたいです」


「私も…」


とりあえずここにいるメンツ全員ですね。


姫さま達にはとりあえず現地視察の件を伝えておく。


あまり大勢で行くと何処から来たのかと勘繰られてしまうそうですが。


---


「ここが避難所ですが…」


深緑の慈悲を先行させ、中小企業が使う事務所サイズの部屋を生成してからそこに社長達を呼ぶことにした。


ドアを開けるとすこし照明を落とした避難所が出現。


「益田、この空間はどうやって維持しているのだ」


「地下のサブリアクターで生成したエネルギーを元にしているのですが」


「この技術は地球で再現できないのがくやしい。飛行機に原油を積んで空輸すれば…」


そういえば今地球ではちょっときな臭いことになっていると僕だけがみられる地球のネットニュースで確認したんだっけな。


こちらの世界の人には戦争などの刺激の強いコンテンツは非表示としている。


「汝争うべからず。土地をめぐっての諍いは絶対にしてはならない」という光の女神様の教えがあるのだ。


戦争や犯罪関連のニュースはAIによってかわいらしい動物の動画にさしかわるプラグインを導入済み。


日によってはトップニュースが全てかわいい動物に置き換わることも珍しくない。


ネットニュースは一旦置いといて…。


不足する原油の影響で様々な弊害が出始めていると。


「VRヘルメットは事前に確保しておいてよかった。部材の追加発注は当分無理だと代理店から連絡があってな」


VRヘルメットは大半がプラスチックで作られており、ベータテスター向けに数千台分の部材ストックはあるが、一般販売向けのヘルメットの増産予定が立てられないと。


ベータテスト版発送の後でVR温泉の効能を一般に公開し、温泉施設だけを利用できる機能限定版の発売を予定していたがそれが狂ってしまったと。


「益田よ、何とかならんか?」


「さすがに地球の物流にまで手を出せないですし」


佐々木社長は僕を何だと思っているのか。ポジション的には青い狸か何かか?


「先輩、手伝えそうなことがあれば何でも言ってください」


「とはいえもう殆どの人が寝ているし…代表の人にちょっと聞いてみますか」


とりあえず人手が足りないことは無いか、デュアリスさんを探して尋ねることに。


---


ちょっと大人数で押しかけたらものすごく驚かれてしまった。


たった今は街との行き来が出来ないはずなのにどうして見知らぬ装いの人たちが居るのかと。


「ライスリッチフィールドから空を飛ぶ魔導具で駆けつけました。雨はもう上がっていて空を飛ぶ分には問題ありませんでしたので」


ここにいるひなちゃん達はライスリッチフィールドから来たことにした。


仮初の体の事を説明してもたぶん伝わらないと思いますし、異世界から来ているというのもあまり拡散しないほうが良いと思いましたので。


「街の様子を知りたいという声が出ています。ゴードン様にお尋ねして特に問題は出ていないと伺い、説明はしているのですが」


「でしたら今の街の様子をここから見られるよう手配しますので」


格納庫内に大型スクリーンを展開し、16分割画面で街の様子を見られるようドローンの映像を設定。


「先程街に監視用の魔導具を放っておきました。今映っているのは現在のグランディオーラです」


まだ起きていたみなさんがスクリーンにかぶりつき、穴のあくほど見つめていらっしゃる。


「他に人手が必要な事はありますか?」


「今のところは…」


ひなちゃんが手伝えそうなことは何か無いかな?

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